作品情報
宮廷を離れた先で、流転する貴妃は別の王冠の意味を知る。
集英社オレンジ文庫公式ページ、NDL、書店情報で刊行情報とISBNを確認した。2019年ノベル大賞佳作受賞作。
レビュー要約
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宮廷陰謀とロマンスの枠組みを使いながら、主人公の誇りと選択を前面に出している点が読まれている。異国風の舞台を好む読者に届きやすい。
書籍情報
- 出版社
- 集英社
- 発売日
- 2020-01-17
- ページ数
- 304ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 10.5 x 1.7 x 15 cm
- ISBN-13
- 9784086803021
- ISBN-10
- 408680302X
- 価格
- 693 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品/日本文学
「馬の練習をしよう。貴女は、三歳の子供より下手だ」。 商人の娘として生まれ、後宮の貴妃になったはずの柴紅玉の人生は、突然先行きが見えないものとなってしまった。 勢力を拡大しつつある北方の遊牧民族の盟主へと嫁がされることとなったのだ。“狄”と呼ばれ、中原の民に見下される異民族の新王への贈りものとして。 しかし紅玉を待ち受けていたのは、嫁ぎ先の部族と敵対する者たちによる襲撃だった。 皇帝からの新書も金印も失い、身ひとつの戦利品として囚われた紅玉は、族長の末子であるアマルという少年の妻となるように言われてしまい……? 運命に翻弄されるだけだった紅玉が、勇気と才覚ですべてを掴み取る中華風浪漫譚! 2019年ノベル大賞佳作受賞作。
レビュー
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紅玉の生き方が素敵!
10年ぶりくらいに気晴らしでライトノベルを読んでいますが、これは当たりでした。 文章力と物語の構成力があるので、とても読み応えがあって面白かったと思います。 「絵師に姿を醜く描かれてしまって~」という出だしから、吐蕃に嫁いだ文成公主みたいな話かと思ったら! 入宮のための旅の途中に、ダイエットの反動で美味しいものを食べまくってしまい、肥え太った結果、皇帝の寵愛は無し。 それでも欲望のままに菓子を作り、親譲りの商才によって後宮で富を増やしまくる。そしてまた食べ、肥える(笑) 絵師はありのままを、むしろまだ太りきる前の姿をきちんと描いたんですね~。 自業自得とも言える状況で、夫である皇帝から、北の草原の王に嫁ぐように言われてしまいます。 よよと泣きつつも、草原に甘味があるかを気にする辺りが、もう本能的な欲望なんだろうなと思います。 ところが降嫁の旅の終わり、新しい夫となるはずの王に会う前に、紅玉は他の氏族に攫われて…。 奴隷にされるの?売られるの?と怯えながらも、氏族に受け入れられ、5歳年下の少年の妻になることに。 夫となった少年アマルは硬派で、良い男です。 氏族が残忍な襲撃を受け、紅玉を大事にしてくれた家族達が亡くなったり、草原の厳しい現実もありますが、その中で紅玉は自分の生きる道を模索します。 紅玉の生き方がとても素敵で、引き込まれました。 お姫様が王子様と出会って、それだけで幸せになれるわけでは無いのです。 ただ夫に従い、無意味に生きるのは嫌な紅玉。 商人の子としての才覚を捨てることはできませんし、慣れ親しんだ美味しいもの(特に月餅、ついでに肉まんも?)への欲望も捨てられません。 紅玉を見ていると、人の幸せには、生きがいと自分に合った衣食住が必須なんだろうなと思いました。 紅玉が得意な分野で戦うからこそ、氏族を潤すほどの莫大な稼ぎが手に入るし、アマルと対等に並んで生きていくことができる。 その全てを許容し、紅玉だけを生涯愛したアマルはすごい男です。 夫婦で広大な草原を統治し、晩年には『女王』と呼ばれた紅玉。 故郷の国では、悲劇の貴妃様だったかもしれませんが、その人生は幸せだったことでしょう。 「貴女は(羊のように)よく肥えて美しい」には噴きましたが。
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たくましい貴妃
面白かったです。 運命を切り開いていくたくましい女性たちと主人公、楽しく読みました。
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期待以上でした!オススメです!!
運命に翻弄される悲劇の女性などというありふれた内容ではありません。 ヒロイン紅玉(草原名エウラ)は中原の弘国の後宮に入宮するためダイエットをし、貴妃となったもののリバウンドで太ってしまい、痩身が美の基準である後宮では皇帝に顧みられることはなく、とコミカルな出だしです。 後宮では価値のない紅玉は、政略で草原に嫁がされることになるのですが、その途中で他氏族に奪われ、アマルという年下の少年の妻となります。これがラッキー。 アマルは誠実で、優れた戦士で、賢者の目をもつ若者でした。 紅玉はとても柔軟な思考をもつ女性です。言葉も、文化も、価値観も異なる世界に放り込まれても、その違いを蔑んだり見下したりといったことは決してせず、新しい環境になじもうと努力し、自分にできることを見つけ実現していきます。 食い意地がはって、ではなく食欲旺盛で、ガメツ、もとい商才に長けた紅玉はバイタリティがあり、草原での生きる道として市場(バズー)に活路を見いだします。市場での売買から宿の経営へ、そして互市(要は万博)を主催するまでになります。 草原では多くの氏族が争っており、その争いをコントロールするために弘が送り込んだ手段が紅玉でした。そのため紅玉は終始殺戮と向き合うこととなります。 絶体絶命の危機での紅玉の選択は見事ですし、彼女を助けに駆けつけたアマルはひたすらかっこよく、始まりはコミカルでそれからはハラハラし通しで、途中紅玉の月餅愛にホンワカし、紅玉とアマルのすれ違いが切なくて、大満足の一冊でした。
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面白い!
久しぶりにラノベに手を出してみましたが、本当に面白かった! ありきたりではなく今までにないタイプの主人公が好きでした。 この作者さんの他の本も読んでみようかなぁ。
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期待外れではないけれど、何か違う
それなりに面白い話だということを前提に、買うか迷っている人に注意: 表紙では馬に乗った女性が載っていますが、そんな場面はありません。 遊牧民へ嫁に行って…というあらすじから、天幕での生活を期待するでしょうがそれは序盤のみになります。 水場や家畜をめぐる部族紛争、交易路から上前をはねるというような場面もほぼありません。
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ストレスなく読めます
Twitterで流れてきたレビューを見て購入。 後宮小説を思い出させました。 ステイホームな昨今、ストレスなく読める本は良いですね。
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面白いです
期待していませんでしたが、面白かったです。 王昭君が下敷きになっているのかな。 貴妃はどの王朝でも皇后に次ぐくらいの高い身分なので、ヒロインが下っ端という設定に若干の違和感はありますが、それを超えるくらい話に魅力がありました。
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新しい形の「王昭君」
絵師に賄賂を渡さなかったために醜く描かれ、そのせいで北方民族に差し出されてしまう妃…… というあらましを聞くと、「王昭君」の逸話を思い出す方も多いと思います。 しかし、この話はそれに近いようでいて、全く異なる新しい物語です。 まずその「賄賂を渡さなかった」事情が小説のヒロインらしからぬ理由(=食欲)でクスっとなります。 後宮でも、北方に嫁いでからも、その食への意欲が衰えることはなく、最後まで彼女の「美味しいものを食べたい」という欲求は貫かれています。 もちろん波乱もあり、困難や悲劇に見舞われてその度に成長していくヒロインの姿も見られます。 夫アマルとの関係も、何ともむず痒く、読者を楽しませてくれると思います。 壮大なスペクタクルとコミカルな食欲が融合した、とても楽しい物語でした。
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