日本の文学賞

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桐島、部活やめるってよ (集英社文庫)

小説すばる新人賞

桐島、部活やめるってよ (集英社文庫)

朝井リョウ

地方高校の部活に走る波紋を、複数の視点で描き出す青春群像小説。

青春高校部活群像劇喪失

作品情報

桐島がやめた、その一報で世界が揺れる。

第22回小説すばる新人賞受賞作。高校生活のヒエラルキーが崩れていく瞬間を切り取る。

書籍情報

出版社
集英社
発売日
2012-04-20
ページ数
256ページ
言語
日本語
サイズ
10.7 x 1.1 x 15.2 cm
ISBN-13
9784087468175
ISBN-10
4087468178
価格
660 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品/日本文学

映画化大ヒット青春小説! バレー部のキャプテン・桐島の突然の退部が、5人の高校生達に波紋を起こして……。至るところでリンクする、17歳の青春群像小説。第22回小説すばる新人賞受賞作。(解説/吉田大八)

レビュー

  • 朝井リョウの文学的感性の高さに脱帽

    このほど、なぜか食わず嫌いできてしまった朝井リョウの作品を手にしました。『桐島、部活やめるってよ』(朝井リョウ著、集英社文庫)を読み終えて、感じたことが3つあります。 第1は、どうやっても勝てないライヴァルがいなくなったときの心の動きが生々しく描かれていること。 「俺は嬉しいんだ。桐島がいなくなって」。 第2は、現在の高校ではスクールカーストがどっしりと根を下ろしてしまっていること。 「なんで高校のクラスって、こんなにもわかりやすく人間が階層化されるんだろう。男子のトップグループ、女子のトップグループ、あとまあそれ以外。ぱっと見て、一瞬でわかってしまう」。 「高校って、生徒がランク付けされる。・・・大きく分けると目立つ人と目立たない人。運動部と文化部。上か下か。目立つ人は目立つ人と仲良くなり、目立たない人は目立たない人と仲良くなる。目立つ人は同じ制服でもかっこよく着られるし、髪の毛だって凝っていいし、染めていいし、大きな声で話していいし笑っていいし行事でも騒いでいい。目立たない人は、全部だめだ」。 第3は、スクールカーストの下位の者でも、好きで打ち込めるものを持っていれば「ひかり」を放つことができること。 「どこか広い世界へと続く扉が開くように、前田の目が開いた。そのとき俺は、ひかりを感じた。開いた扉の向こう側からこぼれ出てくるひかりを感じた。・・・撮影、という言葉を聞いたとき、前田の表情はスポットライトを浴びたようにひかった。自分しか浴びることのできないスポットライトを思いっきり浴びて、前田は嬉しそうに目を開いた。見たことのない表情だった。俺はあのふたりが、教室の片隅で肩身狭そうに雑誌を読んでいる姿しか、見たことがなかった。できるだけ目立たないように、誰の目にも留まらないように、雑誌を広げてあいつらにしかわからないような話をしている姿しか、見たことがなかった」。 作者についても一言。朝井の文学的感性の高さには脱帽あるのみです。 「人間関係は硝子細工に似ている。見た目はとてもきれいで、美しい。太陽の光を反射して、いろいろな方向に輝きを飛ばす。だけれど指でつっついてしまえばすぐに壊れるし、光が当たればそこら中に歪んだ影が生まれる。そんなもんだよな、と私は思う」。 「弾けもしないピアノの椅子に座って、私はポーンと鍵盤を叩いてみる。高いラの音が、音楽室の中で迷子になる。志乃よりも少し短くて少し太い脚をぶらぶらさせながら、ラの音が完全に消えてなくなるのを待った」。 「歩きなれた音楽室への廊下に、ぽっかりと浮かんでいる、私の嘘」。 17歳の高校2年生5人の語りで物語が構成されていて、その語りの中でしか桐島は登場しないというのも、朝井だから可能な力業ですね。

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  • 青春小説?

    高校が舞台ということで、自分の高校生時代を思い出しつつ読んだが、ちょっと自分とは違うなぁという感じ。あんまり覚えていないというのもあるけれども。 10代の人々って、こんな感じが一般的なのかな、今も昔も。周りとの調和を意識してしまうのは、日本独特なのかもしれない。このような状況が日本の多くの学校で存在するだろうことはわからなくもないが、日本の縮図みたいだな。

  • みんな大好きカースト上位グループ

    面白かった。 =====ネタバレ注意==== そして桐島が全然出て来なかった。 上手く言語化出来ていないけども、周囲(自分を含め)のくだらなさに気づいてモヤモヤしている宏樹は大人だなと思いました。 また、かすみがいくら映画が好きで、涼也と気が合ったとしても、その好意は恋愛感情とは全く別物。 二人の温度差が残酷です。 上位グループではない涼也や亜矢でさえ好きになる相手は上位の人たちばかり。 あらゆる階層の人にとって、性的に魅力的なのは上位グループなんですよね。 人間性が素晴らしいことと、異性としての魅力は全く関係ないという、厳しい現実がものすごくリアルに描かれていて、納得なできないけど共感はできました。 実果のその後が気になります。というか実果のエピソードだけ少しジャンル違いというか……設定が重すぎて群像劇の一キャラクターとしては収まりきらなかった感があります。 小説がとても面白かったので、映画のあらすじを検索してみたら……ものすごく陳腐で引きました。 この作品は小説で楽しむにとどめておくことにします。

  • 時代が変わっても青春は変わらないと思うと共に、

    今より少し前の高校生の心情を描いた小説です。高齢者の私にとって、同じだなぁ〜と思う話題と化粧やルーズソックスで、目立つ事に心配りを怠り無くする子達。 いろんな子の心模様のオムニバス構成。 映画化など話題になっていたので読みました。が、高校時代を少し懐かしく思い出しました。

  • 最近の高校生は大変だ

    朝井りゅうさんの本を読んでいましたが、夕梅いなこの本は読めてませんでした。高校生の話と言う事で手に取れてませんでした、 とても、面白く読めましたが、最近の高校生は大変だなーってのが一バッbでした 通りすぎた時間だからそー思えるのか 自身がこの年齢のときはそれなりに大変だったのかもしれません

  • 甘酸っぱい

    高校時代、確かにこういうような時間が流れていたな。 登場人物の誰にでも自分が混ざっているような不思議な感覚で読み進めていった本でした。

  • 青春群像劇

    タイトルにインパクトがありますね。一度耳にしただけで、学生の頃噂として回ってきた感覚と同じように記憶に残っていました。 学生の描写が緻密で、いつか覚えのあるあの年頃特有の万能感と閉塞感が蘇る。何者にでもなれる気がして、でもこの閉じた人間関係の中で一度でも踏み外したら奈落まで落ちてしまいそうなアンバランスな思春期。 読了して、ちょっと期待し過ぎたかなーというのが正直なところ。青春群像劇なのですが、もう少しタイトルである渦中の桐島くんの話題へラスト収束するの…か?と思いきや、個人的に投げっぱなし感を感じてしまった。あ、あれ、終わり??と戸惑いました。登場人物それぞれに悩みがあり、綺麗に決着がついたわけでは無いけれど、それでも日々繰り返し訪れる明日を、自分にできる範囲で精一杯足掻いて生きていくわけですがもう少し点と点が収束していくのを期待してしまった。 ある意味リアルなんですかね。 ノスタルジーに浸れる一冊としてはオススメかな。学生時代に読んでいたらまた違う感想を抱くのかも。

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