日本の文学賞

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ジョッキー (集英社文庫)

小説すばる新人賞

ジョッキー (集英社文庫)

松樹剛史

若き騎手が、恋や確執を抱えながら天皇賞の大舞台に挑む青春スポーツ小説。

競馬騎手青春恋愛挑戦

作品情報

栄光へ向かって、騎手は走り続ける。

第14回小説すばる新人賞受賞作。若き騎手の成長と、競馬場をめぐる人間関係を描く。

書籍情報

出版社
集英社
発売日
2005-01-20
ページ数
328ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784087477771
ISBN-10
4087477770
価格
660 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品/日本文学

栄光に向かって疾走する、若き騎手の青春。 女子アナとの淡い恋、横暴な馬主との確執、馬への愛情――様々な思いを抱え、心優しき騎手は天皇賞の大舞台に挑む。魅力的な登場人馬を描く第14回小説すばる新人賞受賞作。(解説・藤代三郎)

レビュー

  • 競馬のいろんな知識が知れる。

    うちは、たまにTVで競馬を見るので、この本は入りやすかった。 何なら、馬にクセがある事や、騎手の瞬時の判断、ジョッキーの人間関係などなど、いろんな事が知れて、めっさオモローやった。 馬の上に騎手が乗り、スタートして走りきる。 そんな単純なものではなく、走りながらも駆け引きがあり、常に真剣勝負で挑むジョッキー。 でも、それ以前に、一番に馬の事を考え、馬の走りやすいように走らせてあげる。 それが最高の馬の幸せ。 これから競馬の見方がガラリと変わるオモローな本に出合えてよかった!!

  • 競馬小説の単穴。本命には届かず。

    騎乗機会に恵まれず貧しい生活を送る主人公が、 数少ないチャンスをいかに活かしていくかという展開でストーリーは進んでいく。 一つ一つのチャンスごとに、主人公の奮闘ぶりや様々なキャラクターとの掛け合いが丁寧に描かれており、 それら自体はなかなか面白いものだった。 しかしストーリーの軸がはっきりしないまま話が進んでいくため、 作品全体を通しての主人公の意思や動機が分かりにくい。 中盤までの主人公の動機は、それこそ「明日の飯代をどうやって稼ぐか」しかないのである。 終盤でようやく軸と動機が示されたものの、 今一つ盛り上がりに欠けたまま終わってしまった。 クライマックスに完璧なゴールをするには、やや「追い出すタイミングが遅かった」のではないだろうか。 レースの展開予想に長たらしい説明を割くなど、明らかに間延びしていた描写も退屈を煽った。 もう少し工夫していれば、もっと良い仕上がりになっていたのではないかと、残念に思った作品だった。

  • 最高!

    めちゃ面白いと思います。 キャラが個性的で読んでて飽きない。 作者はあまり有名ではないようですが秀逸の作品だと思います。

  • こんなおもしろい本は、久々!

    とにかく、はまりました。こんなに傑作は久しぶりです。競馬好きの人なら尚更、競馬を知らない人でも十分に楽しめる本です。 登場人物・馬の個性的な面々。もう最高です。1500円損はさせません!

  • 心の表面をなぞるような

    主人公は恵まれない環境に置かれているが、馬の性格・気性を観察し、良いところを引き出すタイプの騎手である。その割に活躍の機会が増えないのは、兄弟子から受け継ぐ美学と、生真面目な性格ゆえか… チャンスは本当に意外なところから、意に沿わない形で訪れる。そこで彼と新たなパートナーは、「期待を裏切る大勝利」を収めたところでエンドとなる。しかし、そこには美学に反する、心持ちの悪い行為があって… 誰でも予想できるような筋書き。まさか、その通りになろうとは思わなかった。心の中で「それは止めろ〜」と叫んでしまった。最後の開き直りは身勝手。そこに一瞬ならずとも心の迷いがあったのに、そのまま勝ちきれてしまうのは、都合が良すぎるように感じた。 この辺りは作者の価値観・特権であり、一読者としてはそれを受け取ることしか出来ないが、 例えば対抗馬として、 野村克也がマスク越しに「カミさん元気か?」と問いかけるの対して、長嶋茂雄が素のまま、「元気ですよ〜」と朗らかに答えつつ鋭く振り抜いて… なんてシーンが思い浮かんだ(古い例えでスミマセン)。 フィクションとしては、競馬に対するリスペクトに欠けるとも、貶めるような内容とも思えず、楽しめる範囲だとは思う。ただ、最後のまとめ方には納得できなかった。 『スポーツドクター』も読んだが、松樹さんはとても文章が上手い。 「川面の せせらぎが、爽やかに目の前に広がる」 ような流れを感じさせる。 反面、「水面下の生々しい生存競争」みたいなものが好きな私のような輩には、ちょっと物足りないところもある。 面白かったのだが、そんなこんなで悩んだ末の、★3つ。

  • 世にも珍しいサラブレッドの教養小説

    非常に楽しく読んだ。 「教養小説」といえば、主人公の人間的成長を描く小説のこと。しかし、不遇な騎手が主人公のこの小説の、真の主人公は競走馬である。短いクラシック・レースの季節を生きる競走馬の成長が読ませどころだ。3歳未勝利馬、新馬勝ちしてダービーに臨む馬、1000万下の癖馬、調教師と古参厩務員が対立する4歳500万下の馬など、さまざまな馬が、臨場感のあるレース描写とともに描かれる。 他方、人間たちの物語はといえば、それなりに起伏もあり、登場人物は多彩とはいえ、やや陳腐と言わざるを得ない。 それでも、いいのである。この小説は競走馬の成長物語なのだから。

  • 兄弟子の存在感

    腕は良いが積極的な営業はしない、 主人公・中島八弥騎手のスタイルは兄弟子である糺健一に 強く影響されています。 その兄弟子が、どのように関与してくるのかは ここには書かない方が良いと思うので省略しますが、 その生き生きとした人物像の描写が見事だと思います。 競馬ファンとしても、「オウショウ」冠の伊能満という馬主と 八弥のやり取りはもちろんフィクションなのだけど、 どこか現実にありそうな気がしてついニヤけてしまいました。

  • 競馬をなめるなよ

    私は競馬関係者だが、あまりにこの小説は現実の競馬界と違っている。 きちんと取材をして書いていないことは明白だ。 こんなに軽いもんじゃないよ、競馬は。 騎手として生きること、ホースマンとして生きることがどれほど過酷か。騎乗依頼の来ない騎手は、夜遅くまでトレセン近郊の牧場で馬の仕事をしてたりするんだよ。少しでも馬に乗るために。捨てられていく命と向き合いながら。手にかけた愛馬がこの世から消えていく、現実の景色と向き合いながら。 所詮、競馬の表面だけを見て書いた小説。 読んだ人が、これが競馬だと思わないことを願う。 鵜呑みにしないでね 特に若い人達よ。 こんなに腹が立つ小説は初めてだ。

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