日本の文学賞

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左目に映る星

すばる文学賞

左目に映る星

奥田亜希子

小学生のころに出会った少年を忘れられないまま大人になった早季子と、アイドルに人生を捧げる宮内の関係を描く。第37回すばる文学賞受賞作。

恋愛記憶オタク文化自己像若者

作品情報

片目を閉じる癖が、二人の距離をつないでいく。

第37回すばる文学賞受賞作。2014年に集英社から単行本刊行。

書籍情報

出版社
集英社
発売日
2014-02-05
ページ数
176ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784087715491
ISBN-10
4087715493
価格
441 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品/日本文学

小学生の時に出会った少年は、彼女にとって完璧な存在だった・・・。過去を引きずったまま大人になった早季子と、 あまりに純粋なアイドルオタク・宮内との恋の行方は──。第37回すばる文学賞受賞作。

レビュー

  • 独特の魅力あり。

    読み応えがあった。

  • 評価が難しい

    ストーリーは読ませます。途中から加速していく展開に、つい引き込まれました。なんてことはない出来事なんだけど、それをテンポよく重ねて、最後まで描き切っています。最後のほうまでイライラさせられる主人公の自意識過剰な自分語りも、最後の最後に、元彼の言葉を借りて鉄槌が下され、そういう落ちだったのね、と納得しました。が、やっぱり一個一個の主人公にとっての「大事件」が、幼いというか、自意識過剰というか、頭でっかちな感じがぬぐえず、いまいち心に刺さらなかったという印象です。文章はうまいけど、人間の深みに切り込めてないというか。そのちぐはぐさから、評価が難しいなと思いました。

  • ストーリーも楽しめる純文学

    第37回すばる文学賞受賞作品。 純文学としてはエンタメ的な面白さに溢れた作品。かなり面白くて、一気に読んでしまった。 主人公が大好きな吉住が「いなくなった」という表現に関するネタ晴らしの場面では、びっくりしてミステリーを読んでいる気分になった。他にも冒頭シーンもきちんとラストに回収されていたり、無駄のない構成なのには舌を巻いた。 あのキャラの宮内と主人公の関わりは一見突拍子もなくそれだけで読者を惹きつける要素になるが、単に奇をてらったものではなく、なるほどこの物語にはこの二人が必要だったのだな、と思わせる。アイドルオタクと主人公は、なるほど確かにぴったり符合している。 それから、地の文が装飾過多ではなくすっきりしていて、台詞回しが純文学によくある感じの「普通こんな喋り方しないから」と思わせるものではなくかなり自然。それも気に入った。 恋愛小説としてもいい。無駄にきゅんきゅんさせようとする恋愛小説って個人的には苦手なのだけれど、これは自然に主人公の心情が胸に沿って歩いてきてとてもいい。 ところで同時受賞の「教授と少女と錬金術師」も他人と同じ世界を共有できないことに苦しんでいるキャラクタが出てくるけれど、審査員が同テーマを含むこの二作品を選んだのは偶然だったのだろうか。

  • 風俗小説としては疑問

    リアリズムの「純文学」として、一定以上の完成度を持った小説だとは思う。 なので、あとは好みと解釈の問題なのだとも言えるが、「純粋なアイドルオタク」っていうのがリアリティがなく駄目だった。30歳で童貞、オタク、別にいいのだが、オタクって一般的にもっと卑屈だし、冷めてるんじゃないか? (ためしに、匿名掲示板のアイドルスレでも覗いて見ればいい) それに、その声優(アイドル)のオタクになる以前は何をやっていたのか。そこが空白なので、どうも相手の男がただの装置になっている感じがある。まあ、小説なんてそんなものとも言えるが。 自分の読書経験から語ると、文体や構成力というのは作家は書くごとにうまくなっていくものだが、文化・風俗の描写という点では、どんどん駄目になっていく、時代遅れになっていく、んじゃないかと思う。上手くなることはあまりない。 なので、現実に立脚したリアリズム小説、特に同時代性のある作品が好きな自分としては、今後はあまり期待できないかもしれない。

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