日本の文学賞

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ラブカは静かに弓を持つ

吉川英治文学新人賞

ラブカは静かに弓を持つ

安壇美緒

音楽著作権の調査に潜り込んだ若者を主人公にした、スパイ要素をもつ青春小説。

音楽スパイ青春現代小説

作品情報

音楽の現場に潜るほど、隠していた傷が鳴りはじめる。

集英社刊。音楽教室への潜入と、師弟関係の再生を軸にした小説。

書籍情報

出版社
集英社
発売日
2022-05-02
ページ数
312ページ
言語
日本語
サイズ
13.1 x 2.1 x 18.8 cm
ISBN-13
9784087717846
ISBN-10
4087717844
価格
1760 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品/日本文学

【2023年本屋大賞第2位】 【第25回大藪春彦賞受賞】 【第6回未来屋小説大賞第1位】 【第44回吉川英治文学新人賞ノミネート】 深く潜れば潜るほど、主人公と自分を重ね、浅葉先生に救われ、突き刺される。 暗い深海で一筋の光にすがるように、どうか壊れてしまわないでと願いながら、一気に読み終えました。 限られた文字数では、語りきることなどできません。 この物語はこう紡がれ、奏でられるしかなかったのだと、心から感じました。 まだずっと、余韻が残響のように、自分の中で鳴り続けています。 ――斉藤壮馬さん(声優) その人は尊敬すべき師であると同時に、得がたい友人になった。 内向的な青年の冷めた視線に映し出された世界が、次第にみずみずしく光に満ちた世界に変わっていく。 たとえその前提が裏切り行為であったにしても。 ――篠田節子さん(作家) 優れた演奏を聴き終えたかのような感動が胸に満ちてくる。 嘘を重ねる主人公にこうまで味方したくなるのは、 書き手の筆に嘘がないからだろう。 〈音楽の力〉によって結びつき回復してゆく人々を、 〈言葉の力〉で描ききった希有な小説。 ――村山由佳さん(作家) 武器はチェロ。 潜入先は音楽教室。 傷を抱えた美しき潜入調査員の孤独な闘いが今、始まる。 『金木犀とメテオラ』で注目の新鋭が、想像を超えた感動へ読者を誘う、心震える“スパイ×音楽”小説! 少年時代、チェロ教室の帰りにある事件に遭遇し、以来、深海の悪夢に苛まれながら生きてきた橘。 ある日、上司の塩坪から呼び出され、音楽教室への潜入調査を命じられる。 目的は著作権法の演奏権を侵害している証拠をつかむこと。 橘は身分を偽り、チェロ講師・浅葉のもとに通い始める。 師と仲間との出会いが、奏でる歓びが、橘の凍っていた心を溶かしだすが、法廷に立つ時間が迫り…… 【著者略歴】 安壇 美緒 (あだん・みお) 1986年北海道生まれ。早稲田大学第二文学部卒業。2017年、『天龍院亜希子の日記』で第30回小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。2020年、北海道の中高一貫の女子校を舞台にした青春長編『金木犀とメテオラ』を刊行、書店員からの熱い支持を受けロングセラーとなる。

レビュー

  • 少しだけ心をひらくと、いいことあるかも。

    何を勘違いしたのか、戦士の話だと思って購入。え、音楽教室?ってなって、じゃあラブカって誰?ってなって、そこからはどんどん話にのめり込んでいきました。個人的に温度の低そうな、静かな主人公が好きなのですが、これは私の大好きな主人公でした。そしてチェロがまたいいです。バイオリンやサックスではなしに。トラウマに関しては、少し弱い気もしますが、そこはまぁ、個人の領域なので、そんなこともあるだろうと。最後の最後まで、楽しめます。

  • 実写化が見えすぎてしまった

    音楽andスパイということだが、スパイ部分はかなり頼りなく弱いので、実際は過去にトラウマを抱えた青年の小説である。 本屋大賞ぽいと思うが、大薮賞ぽくはない。音楽に興味がない私はそこまで強い感動はなく読み流したが、先生と総務のおねーさんのキャラはそこまで過剰に描かれておらず、少しリアルで良かったと思う。 しかし主人公がイケメンイケメン言われるのはどうなんだろう。大学生の子の感情もそこだけやや場違いな気がするし、実写化したらイケメン俳優がチェロ練習して主演やりそうだなーと思い、そこは少し興が乗らなかったとこでもある。

  • 最後が良かった

    心あたたまる良いお話でした。

  • 無伴奏チェロ組曲のように

    上司から命じられて音楽教室へスパイとして潜入することになる主人公が、先生や仲間と打ち解けていって、チェロを弾くことの楽しさや嬉しさに救われていきます。 スパイといってもサスペンスやハードボイルドな感じはほとんどなくて、むしろ全編にチェロの響きが漂うような重厚な味わい深い物語でした。

  • スパイものを期待すると肩透かし

    タイトルやあらすじからスパイものを期待して読み始めましたが、実際は想像していた展開とは異なり、少し肩透かし感がありました。スパイ小説としてのスリルを求めている方には、期待に沿わないかもしれません。 また、主人公に感情移入することが難しく、物語にのめり込めなかったのも正直な感想です。私自身、楽器の経験がないため、描写される音楽や演奏のシーンに共感しづらかったのも一因かもしれません。 とはいえ、音楽や独自の世界観に興味がある方にとっては、他にはない魅力を感じられる作品だと思います。私には合わなかったですが、人によって評価が分かれる一冊だと感じました。

  • とてもおもしろかったです

    ありがとうございました。

  • 巡り巡って

    チェロを弾いてるものです。まず、音楽に取り組むリアリティが素晴らしかったです。テーマが音楽の著作権と音楽教室ということでどういうふうに展開していくのか、あらかじめ考えないで読みました。なるほどこういう解もあるのかと納得できました。読後感には複雑なものがありますが、何より音楽というものに対する主人公の姿勢が良かったです。最後の選択はそれ以外ないように見えます。よく考えてみたいです。良い本をありがとう。

  • ドラマ的な良さがありました。

    実際、この小説は映像向きな気はします。 表情や場の空気に、語らずとも重ねてきた心の層を感じ、共感し、引き込まれるでしょう。 この小説は背景を描き切りません。そして正直ドラマ的な偶然や都合が重なる場面も多めです。作者が組み立てたロジックや必然、リアリティに刺激を求める場合はあまりお勧めしません。 しかしながら、ある程度背景の想像と脳内映像の保管をし、リアルと創作の線引きをしながら読むタイプの方には、ハマるはずです。私です。 ところで、高校生課題図書に指定されていたようです。心に重く引きずりやすい多感な年頃にはさらに刺さる気はします。 程よい暗がりと心を揺さぶる展開に、気持ちよく読める作品です。

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