グッナイ・ナタリー・クローバー
第37回小説すばる新人賞受賞作。霧に覆われた架空の町チェリータウンに暮らす13歳のソフィアは、酒場を経営するDV父スタンリーに抑圧され、兄エディとともに息の詰まる日々を送っていた。ある夏、向かいの老人の家に「毎週生まれ変わる」と自称する不思議な少女ナタリー・クローバーが預けられてくる。記憶が一週間しか持続しないナタリーと、何度でも友達になり直しながら町の地図を作り歩くうちに、ソフィアは長い間押し殺してきた自分の願いに気づいていく。孤独を抱えた二つの心が奏でるひと夏の永遠の物語。
作品情報
孤独を抱えた二つの心が奏でる〈ひと夏の、永遠の物語〉。まばゆくきらめく、エバーグリーンな青春小説が誕生!
霧の町チェリータウンのモットーは「壊れていないなら直すな」。酒場を経営する町一番の人気者である父スタンリー、部屋にこもりっきりの兄エディ、そして5年前に家を出て行った母。13歳になるソフィアは町から一度も出たことがなく、独りぼっちでうつむいて生きてきた。ある日、お向かいに住む無口な老人ミスター・ブラックの家に、風変わりな人物がやってくる。自称「毎週生まれ変わる」ナタリー・クローバーは、夏休みの間だけブラックの元に預けられるという。人の目を気にせず自由気ままに町を歩き回り、自分だけの町の地図を作っていくナタリー。やがてソフィアは、長い間押し殺してきた自分の願いに気づいて――。集英社刊、1,760円(税込)。
レビュー要約
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「壊れていないなら直すな」というモットーが示す閉鎖的な霧の町の雰囲気と、ソフィアとナタリーの関係性の描写に引き込まれたという声が多い。ナタリーの記憶設定によって主人公が毎週友情を試される構造が評価される一方、展開の受動性や大人向けとしての物足りなさを指摘する読者もいり、賛否両論の評価を受けている。海外文学を読んでいるような文体と独特の世界観に魅力を感じた読者も多い。
書籍情報
- 出版社
- 集英社
- 発売日
- 2025-02-26
- ページ数
- 200ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 13.1 x 1.5 x 18.8 cm
- ISBN-13
- 9784087718942
- ISBN-10
- 4087718948
- 価格
- 1760 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品/日本文学
第37回小説すばる新人賞受賞作。 霧の町チェリータウンのモットーは「壊れていないなら直すな」。 酒場を経営する町一番の人気者である父スタンリー、部屋にこもりっきりの兄エディ、そして5年前に家を出て行った母。13歳になるソフィアは町から一度も出たことがなく、独りぼっちでうつむいて生きてきた。 ある日、お向かいに住む無口な老人ミスター・ブラックの家に、風変わりな人物がやってくる。自称「毎週生まれ変わる」ナタリー・クローバーは、夏休みの間だけブラックの元に預けられるという。 町長はナタリーが変なことをしでかさないよう、ソフィアに見張り役を頼む。人の目を気にせず自由気ままに町を歩き回り、自分だけの町の地図を作っていくナタリー。やがてソフィアは、長い間押し殺してきた自分の願いに気づいて――。 孤独を抱えたふたつの魂が奏であう〈ひと夏の、永遠の物語〉。まばゆくきらめく、エバーグリーンな青春小説が誕生!
レビュー
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最高の一冊
弱い立場の子どもたちが、どのようにして人生の困難を乗り越えていくのか というテーマが描かれています。 本書は、凪良 ゆうさんのような、ひたすら自己憐憫にひたるような作品ではなく、 自分で自分の生き方を決めて、自分の人生に責任を持つことを訴えています。 自己憐憫は心地よいですが、自分に責任を持つことはとても辛いです。 ですから、読む人によっては苦痛を感じるかもしれません。 「つらくても、自分の人生に向き合って生きていこう」 そんな信念がある人には、この作品はぶっ刺さると思います。 また、「自分の人生は自分のものだと分かっているけれど、 行動に移すことができない」方は勇気をもらえると思います。 ぜひ、ご一読ください。
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何度でも友達になる
閉塞的な空気感の漂う町、暴力的な父親、家出した母親の記憶。そんな世界に颯爽と現れたナタリー・クローバーと主人公ソフィアは何度だって友達になる。 中学入試に出題される可能性があると思い購入しました。 ファンタジー色が強く幼いソフィアの視点から描かれた作品なので、重い主題に反して、悲壮感よりも異世界味を帯びた雰囲気の方が印象に残ると思います。物語の序盤、文体や世界観の説明は好みが分かれるかもしれませんが、中盤から終わりにかけてのナタリー・クローバーの言動や、ソフィアの成長は思わず目を見張るものがありました。
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記憶をなくす、一生の友だちとの出会いが人生を変える
「壊れていないなら直すな」が、モットーの灰色の霧の町チェリータウン。その空気を吸うと、自分の体の中も灰色に澱んでいきそう。諦めを悟りのように身に纏ったソフィアはただその日をやり過ごすように生きていた。けれど、そんな日常に差し込む光のようにナタリーが現れる。「記憶をなくし、毎週生まれ変わる」友だちとの出会いが、ソフィアの心に変化をもたらす。虐待をするようなひどい親も、それだけではない面を持ち合わせていることも描かれていて、それでも自分の人生を掴み取るために、立ち上がらなければならない時がある、立ち上がることができるという希望を感じられた。
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