日本の文学賞

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チューリップの誕生日

すばる文学賞

チューリップの誕生日

楡井亜木子

書籍情報

出版社
集英社
発売日
1992-12-01
ページ数
205ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784087728903
ISBN-10
4087728900
価格
53 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品/日本文学

ひょんなことで女性ロックバンドのメンバーになったユーリ。ライブとリハの日々に疲れ、普通の生活感覚を見失うが…。女子高生ミュージシャンの日々の想いと旅立ち。第16回すばる文学賞受賞作。

レビュー

  • 綺麗でした

    楡井さんの文庫3冊購入。大きな袋にバラバラに入って郵便で届く。袋の中で3冊がぶつかりあったのか、1冊だけ数ページ折れが出来ていて少し悲しかったです。本事態は3冊共に綺麗です。3冊まとめてコンパクトな袋だとなおよかったです。

  • 16歳のプロベーシストの日々

    ベースを始めたばかりの16歳の女の子・ユーリがバンドを組んだ経験もなく、いきなりプロのレディースバンドのオーディションに合格しプロのメンバーと対等に演奏をこなしていっちゃうあたりは何年も陽の目を見ないミュージシャンにとってはバカヤローな内容だが・・・。(笑)現役高校生でありながらテストや出席日数などの義務ばかりをまっとうするのが精一杯のプロのミュージシャンとして大人であることを要求され続ける毎日は相当ハードである。高校生、16歳であることを回りも自分も次第に自覚できなくなり、ライブがはけた後の居酒屋でのミーティングや打ち上げはすでに日常。そして深夜に帰宅するのは定職をもたないやさぐれ男が一人暮らしをしているしがないアパート。男はやさぐれ者だが、決して心根は悪くない。半同棲状態の女ミュージシャンが、実は早熟なだけの16歳の女子高生と知るやいなや彼女を部屋から追い出す。いい加減に生きている男でも子供に手を出してはいけないという彼なりの基準がある。追い出すのは彼なりの優しさでもある。ユーリにその優しさは届かない。部屋を出る間際「あたしが16歳なのは、あたしのせいじゃないよ。」と言ったユーリの絶望的な言葉がひどく切ない。

  • 現実性の欠けた同棲生活の物語

    主人公ユーリは中三から高一で,プロのロックバンドでベース奏者を務め,学校にも何とか通っている.高校に入った時に男と酒とタバコを自分に許す.バンドの練習には,ライブハウスに家より近い所に住んだ方が楽だと思っていたら,まさにそのあたりで十歳以上年上の男に出会う.そのまま同棲生活を始めるが,本当の歳がばれてしまって破局.という話だが,どうも納得できないところが多い.相手の男はどうも正業に就いているとは思えないし,風呂に入らなくても平気.私が女の子なら,いくら男が欲しくても,こんな汚くて臭い相手は第一優先でご免だけど何故平気なのか判らない.大体男の一人暮しが不潔なのは常識でしょうに.この不自然を目立たなくするために,生活から匂いを完全に排除し,男の魅力についても殆ど触れられないのは却って不自然.男を知らない人が完全な空想として書いたのではなかろうか,と邪推したくなる不気味な作品.

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