岬の蛍
『岬の蛍』は、佐藤 洋二郎による刊行形態が確認できる作品です。受賞時期の文学・評論・児童文学・ミステリなどの文脈の中で評価された作品として位置づけられます。
受賞作文学作家性
作品情報
『岬の蛍』は、佐藤 洋二郎の創作や批評の特色が表れた受賞作です。
『岬の蛍』は、佐藤 洋二郎の作品として賞の対象になった一作です。物語、批評、詩歌、児童向け作品など各賞の分野に応じた表現を通じて、刊行当時の読者や選考者に強い印象を残しました。
書籍情報
- 出版社
- 集英社
- 発売日
- 1998-07-06
- ページ数
- 216ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784087743364
- ISBN-10
- 4087743365
- 価格
- 477 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論
鈍い光を放つ蛍は、あの人の生まれ変わりなのか。墓の移設工事の音が老婆に、封印した過去を甦らせる…。男と女たちが積み重ねたかけがえのない歳月をうつす作品集。第49回芸術選奨文部大臣新人賞受賞作。
レビュー
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田舎での人生
『魚灯』『神威岬』そして表題作の3中編が収められている。いずれも田舎での生活、いやむしろ重みをもたせて人生と言った方がいいか、それが描かれている。 『魚灯』は、何気なく「いさりび」と読んでいたら、途中に「ぎょとう」とフリガナが振ってあった。東京に住んでいた主人公が故郷島根の田舎に引っ越す。恋人もそこへやってきて一緒に住み始めている、という状況。恋人の父親が訪ねてきて、3人の語らいが中心になる、しんみりとした話だった。 その余韻を残したまま『神威岬』を読み始めたら、これは同じく島根を舞台にしていても、日本海の厳しさ、荒々しさが感じられた。神木を切り、舟を造って行う昔ながらの儀式が、迫力を持って描かれる。 表題作はだけは75歳のお婆さんの一人称形式で、九州の方言が独特な味を出している。このお婆さん、かなりわがままで、ちょっと自己満足になってしまっているのではないかなと思えるところもあったが。