日本の文学賞

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最後の冒険家

開高健ノンフィクション賞

最後の冒険家

石川直樹

『最後の冒険家: 太平洋に消えた神田道夫』は、石川直樹による開高健ノンフィクション賞の受賞作。

社会と記憶

作品情報

『最後の冒険家: 太平洋に消えた神田道夫』は、石川直樹による開高健ノンフィクション賞の受賞作。

『最後の冒険家: 太平洋に消えた神田道夫』は、石川直樹による開高健ノンフィクション賞の受賞作。

書籍情報

出版社
集英社
発売日
2008-11-21
ページ数
214ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784087814101
ISBN-10
4087814106
価格
999 JPY
カテゴリ
本/文学・評論

「どうやって生きのびるか。それが最大の課題だった」太平洋横断飛行に挑戦する彼らの生き方は、なぜわれわれの心を揺さぶるのか。北太平洋に消えた熱気球冒険家・神田道夫と過ごした4年半の記録。第6回開高健ノンフィクション賞受賞作。

高校時代にインドを一人で旅して以来、世界中を旅するようになる。2001年世界七大陸最高峰登頂の最年少記録を塗りかえた。02年早稲田大学を卒業。 写真集&個展『THE VOID』により、さがみはら写真新人奨励賞、三木淳賞受賞。 本作で、第6回開高健ノンフィクション賞を受賞。

レビュー

  • 最後の冒険家

    石川直樹さんの良書の一冊

  • それは著者の謙虚がなせた発言で真意ではないと断言したい

    このところ高野秀行や角幡唯介の本を読む機会が多い。いわゆる冒険家と言われる方々だ。本書も 角幡が書いた書評を読んで知り、読了したところだ。 本書では、しかし、著者は自身を冒険家だとは思わないし、冒険家になりたいとも思っていないと断言 している。北極点から南極点を人力踏破し、世界7大陸最高峰を登頂した著者が、自身を冒険家としない という話だ。その理由として自身に行為の主体性が欠けているからだと解説する。その潔い反省力が本書に おける著者の冷静な視点につながっている。著者が描き出す主人公との距離感は、ある意味非常に 冷静と言える。 著者が巻末で言う通り、空間としての冒険というものは限界を見せている。グーグルアースで地球を 隈なく見ることが出来る時代にあって、空間的な未知の世界は極めて限定されてきたと 言って良い。 ただし、著者はそれでも冒険というものが可能であると主張している。主体的に「険を冒す」という所作は 実は身の回りにもいくらでも可能ではないかと強く主張している。そこには著者の「冒険」への熱い思いが あり、本書の主人公への限りない敬慕の念が込められている。「日常における少しの飛躍、小さな挑戦、新しい一歩、 そのすべては冒険なのだ」という著者の言葉がそれを端的に表している。著者が「冒険家になりたいも思わない」 と言っていたと紹介したが、それは著者の謙虚がなせた発言で真意ではないと断言したい。

  • 彼の作品で珠玉

    いろいろ読んで好きだがこれは何度読んでも面白い 一度なくしたので再度購入

  • 冒険とはなんでしょう?

    冒険とはなんでしょう? 現状に満足せず、これまで誰も成功したことのない何かに挑戦することでしょうか。 他人には簡単な事でも、自分にとって困難な事に挑むことも冒険でしょうか。 そうであれば、人が成長するには冒険が必要であり、人類は進歩するには、未踏の冒険家が必要です。貴方は、どんな冒険に挑んでいますか? 何に挑戦していますか? きつい問いです。でも何にも挑戦しなければ、つまらない人生です。 地球にはもう冒険できる場所がないと言われる。そんなことはないと思う。まだまだ,人類が挑戦すべき課題は多い。将来の人類の存続のために,挑戦すべき難しい課題に挑むのも冒険だ。 この本は,自らも冒険家である石川直樹が,気球で太平洋横断を目指した神田道夫について書いた本です。 途中までは,二人で太平洋を横断するつもりだったようだ。 残念ながら,大部分の挑戦は失敗に終わる。冒険家の多くは,冒険の失敗で命を落とす。日本を代表する植村直己も最後は,マッキンリーで行方不明になった。それが宿命か。太く短いのが冒険家の人生か。 自分の選んだ冒険に挑むのか,人に頼って安定した日々を送るのか。いずれにしても人生には限りがある。 石川直樹は,日本を代表する若い冒険家,写真家。

  • 没入

    一気読みしました。 神田さんや熱気球については全く予備知識がない状態からの読み出しでしたが、ひとつひとつ丁寧な説明がありましたので十分に付いていくことができました。石川氏が神田さんから学んできた過程より記されているからでしょうか。素人ながら知識が広がりました。先入観がなく、却って良かったのかもしれません。 新田次郎や山野井泰史もそうですが、丁寧な描写から深い没入感を感じられます。その没入感ゆえ、波間への不時着のくだりはなかなか応えました・・・一緒に吐きそうでしたよ。 最後のシーンはまさにドラマティックです。ちょっと泣いてしまいました。 全体に素晴らしい光景にストーリー性が加わりますので、映画化にも耐えうるかも知れません。 他の方々のレビューも的を得ているように思います(なぜかトップレビュワーが多いですね)。たくさん「参考になった」を付けておきました。 文庫なので仕方ないですが、せっかくの石川氏なのだからもうちょっと写真を見たかった。星四つで。

  • 冒険とは何か、考えるきっかけになる本

    なんでああしたのか、と長く疑問に思っていましたが、あの冒険家の思いが窺える、とても良い本でした。冒険とは何か、リスクをどう考えるべきか、考えさせられました。

  • 開高賞受賞作

    山や極地、辺境の冒険本はよく読んでいるが、空の冒険の話。 熱気球冒険家神田道夫さんの物語である。 神田さんと著者が熱気球で海上に不時着するところから話は始まり、神田さんとの出会い、気球冒険の世界などが綴られている。 2度目の太平洋横断の挑戦を著者は断り、植村冒険賞受賞者の安東さんも断っているが、さらに断った新聞記者というのが当時埼玉の朝日新聞記者だった角幡唯介さんらしい。 素人目から見ても無謀だったと思うんだけど、何が神田さんを駆り立てたのだろう……。

  • 冒険と無謀の狭間で........!

    単行本のカバーに映し出された、錆びた一台のカメラ。 著者、石川直樹氏が、熱気球冒険家:神田道夫氏と 熱気球による太平洋横断の冒険に挑み、途中、度重なる アクシデントで冒険を断念。 海上を彷徨い、九死に一生を得た際、共に冒険をしたカメラで ある。そのカメラを乗せた気球のゴンドラが、地球を一周し、 4年の歳月を経て、日本の悪石島に流れつき、ついには、 著者の手に帰りつく。 その経路に、思いを馳せる時、驚きとその奇跡に.... 胸が熱くなる。 その間、再度、単独での気球による太平洋横断に挑み、 神田氏は、消息不明となる。 もはや、素人目にも、2回目の挑戦は、石川氏との一度目 の失敗が生かされておらず、無謀にさえ思えてくる。 無謀なる冒険に駆り立てられるその心情心理を思う時、 これは、「冒険家の宿命なのか!」と思えてくる。 人間ドキュメントとしても心に残る作品です。

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