対馬の海に沈む
『対馬の海に沈む』は、窪田新之助が長崎県対馬市のJA職員の死と巨額横領疑惑を追ったノンフィクションである。日本一の営業実績を持つとされた職員が海で死亡した事件を起点に、JAの共済事業における営業ノルマの構造と、金をめぐる人間関係を取材する。
作品情報
対馬のJA職員の死と横領疑惑から、組織の構造と金をめぐる人間模様を追うノンフィクション。
長年JAを取材してきた著者が、対馬で起きた職員の死亡と不正金融疑惑を取材した一冊。関係者への取材を通じ、個人の疑惑だけでなく、共済事業の営業ノルマと組織のあり方を描く。
書籍情報
- 出版社
- 集英社
- 発売日
- 2024-12-05
- ページ数
- 328ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 13.4 x 2.8 x 19.4 cm
- ISBN-13
- 9784087817614
- ISBN-10
- 408781761X
- 価格
- 2310 JPY
- カテゴリ
- 本/ノンフィクション/思想・社会/労働問題
2024年 第22回 開高健ノンフィクション賞受賞作 JAで「神様」と呼ばれた男の溺死。 執拗な取材の果て、辿り着いたのは、 国境の島に蠢く人間の、深い闇だった。 【あらすじ】 人口わずか3万人の長崎県の離島で、日本一の実績を誇り「JAの神様」と呼ばれた男が、自らが運転する車で海に転落し溺死した。44歳という若さだった。彼には巨額の横領の疑いがあったが、果たしてこれは彼一人の悪事だったのか………? 職員の不可解な死をきっかけに、営業ノルマというJAの構造上の問題と、「金」をめぐる人間模様をえぐりだした、衝撃のノンフィクション。 【選考委員 大絶賛!】 ノンフィクションが人間の淋しさを描く器となれた、記念すべき作品である。 ──加藤陽子 (東京大学教授・歴史学者) 取材の執拗なほどの粘着さと緻密さ、読む者を引き込む力の点で抜きん出ていた。 ──姜尚中 (政治学者) 徹底した取材と人の内なる声を聞く聴力。受賞作に推す。 ──藤沢 周 (作家) 地を這う取材と丁寧な資料の読み込みでスクープをものにした。 ──堀川惠子 (ノンフィクション作家) 圧巻だった。調査報道の見本だ。最優秀な作品として推すことに全く異論はない。 ──森 達也 (映画監督・作家) (五十音順・選評より) 【著者プロフィール】 窪田新之助 (くぼた・しんのすけ) ノンフィクション作家。1978年福岡県生まれ。明治大学文学部卒業。2004年JAグループの日本農業新聞に入社。国内外で農政や農業生産の現場を取材し、2012年よりフリーに。著書に『データ農業が日本を救う』『農協の闇』、共著に『誰が農業を殺すのか』『人口減少時代の農業と食』など。
レビュー
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パーフェクト!
題材のニュースバリュー、丁寧な取材、多面的な考察、客観的でブレない第三者視点、簡にして要を射た文章、よい本です。
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傑作
著者の執念を感じる
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JA関係者は必ず読むべき本
とてもよく書かれている。 関係者を実名で出すあたり、著者の気合の入れ方が半端ないことが伺える。 私は親族にJAで働く人がいる。その人もL・Aだった。 ノルマの過酷さは噂以上のもので、本人もその家族も負の影響を受けている。 この本を読んでその人のことを思い出した。 巨大な組織ゆえの杜撰さ、巨大な組織ゆえのトカゲの尻尾切り。 そして、「自分は関係ない」と言いきる恩恵を受けた島民達。 彼らは今も笑って暮らしているのだろう。 だけど、心の片隅には自分も詐欺の一端を担っていたという負い目はあるはず。 その負い目を生涯抱えながら生きていく辛さは、果たして贖罪となり得るだろうか? この件をきっとJAは揉み消すだろう。 なかったことのような組織編成が今も脈々と行われていると思うと、一定層が声高に言う「JA解体」もやむを得なし、と感じずにいられない。 自死を選んだ主人公は、最期に何を見て、何を思いながら海に沈んだのか。
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すごい
すごい本だった。
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村社会に利用された末路が悲しい
村社会に利用された末路が悲しい
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読後感はすっきりしませんが一読をおすすめ
丁寧な取材に基づく事実が抑制された筆致で書かれています。 閉ざされた地方のコミュニティでの取材は(著者は特には言っていませんが)さぞかし大変だったろうと推察します。 欲にまみれて神輿に乗る者、おこぼれが欲しくてその神輿を喜んで担ぐ狡猾な人々…結局は地方の閉ざされた地域社会でよく聞く話です。 決して対馬に限ったことではありませんね…。 読んでいて暗澹たる気持ちになりますが、読み物として大変楽しめました。 一読の価値アリです!
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バリューブックス推薦図書
バリューブックス推薦図書。面白くないはずありません。ノンフィクション好きはぜひ。
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心に迫って面白かった
農協内部の闇が描かれているのと、同時に、人間の心の闇もラップして描かれており、自分にもその闇があると思うと、少し気が重いが面白い本であった