作品情報
『ヒデブー』は、斧田のびるによる「きらら」文学賞の受賞作。
『ヒデブー』は、斧田のびるによる「きらら」文学賞の受賞作。
書籍情報
- 出版社
- 小学館
- 発売日
- 2008-02-21
- ページ数
- 256ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784093862028
- ISBN-10
- 4093862028
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品/日本文学
超アッパー系☆コミカル・ストーリー! ヒデブー(山本英夫)は、『ダイ・ハード3』の「ハゲのくせに二日酔いのランニング姿のままごっつ走り回ってる、 タフな」ブルース・ウィリスに感化され、上京を決意。熱い男ヒデブーは東京で何が出来るのか…!?
レビュー
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磊落さがある
大阪の鶴橋で叔母さんの焼き肉屋を手伝うヒデブー(山本英夫)。 新世界だったら私、行ったことありますけど、その新世界も出てきますが、鶴橋は コリアンタウンでこてこての大阪であるらしい。 幼い頃に両親を亡くし、叔母さんに育てられたヒデブー。 ヒデブーは22歳だ。しかも、店を手伝う形だが充分に経済的には独立している訳 である。 そして、この年代で一番考えるのが童貞であることが恥ずかしいという事。 父母の乗った原チャリ(ロケットエンジン付き)から牽引してもらっていたテープ を父に切られるという夢を見たヒデブーは、行きつけのカフェバーで見た『ダイ・ハ ード3』に刺激を受けて、自分もタフな男になりたいと思い立ち、東京行きを決意す る。 結局、パラサイトでない自活する男になりたいという願望、そして、童貞を捨てた いという願望なのだ。 叔母さんに餞別をもらって、自分の有り金も持って東京に出ていく。 大阪に観光に来ていたミチオとモエというカップルにくっついて深夜バスに乗って 行く。 ミチオの家に居候で転がりこんだり、クミという、モエの友達のところにまた居候 したりして、雨露を凌ぎながら、原宿で露天の商売を始める。 ミチオがモエに振られるというエピソードが、この物語りの一つの核になっていて、 そこで、ヒデブーが宥めたり突き放したりというエピソードがあり、ヒデブーとミチ オの人間観というものも描かれている。 しかし、全編ヒデブー目線で書かれているので磊落な人物として面白いのだが、東 京での一人暮らしは、実は、こんなに簡単に他人の家に居候させてもらったり等とは いかない。そういう身でありながら、ミチオの性格を責めるヒデブーの方が、客観的 に見るとずれている。だけれども、そういう展開にしないと弾けた楽天的な明るさと いうのは提供できないものかも知れない。 若い内は、思いっきりやりたいことをやったら、それが一番よい。その弾けた青春 が描かれていて、読んでいて楽しかった。 私も、一回目の家出は、吉川晃司主演の『すかんぴんウォーク』という映画を見て 東京に出ようと思った訳だから、ヒデブーも似たような動きをしている。 会話文の対句法の間に、主人公の心の動きを表す独白が長く挿入されていて、やっ ぱりこの作品はプロレベルのディテールが盛り込まれた書き方をされていると思っ た。 三人称と一人称が地の文で入り乱れているが、それが不自然でない。 ミチオとモエの別れ話の席に偶然通りかかったヒデブーが店で居座るのは普通考え てもミチオに誤解を招くので止めるのが普通だが、モエの誘いを断れずにその場に残 る。はあ、やはり、同じ書き手としては、ミチオとモエの別れの詳細を読者に伝えよ うと思うと、地の文がヒデブー目線で書いているので、ヒデブーを同席させないと描 けないということがある。その苦心が分かる。 主人公が童貞を捨てるまで後少しという処で唐突に物語りが終わるのも、心憎い演 出だ。 文体に慣れると病みつきになる語り口で、面白い小説だ。
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うーん。なんだかなあ・・・
大阪のミナミ。テレビなどで見かけるこの辺りは、最近話題になったくいだおれ太郎の町。 それよりまだディープな通天閣界隈。しかし、この作者はこの町のことをどれだけ掴んでいるのでしょうか?なんだか頭の中にあるイメージだけで書いたような・・・ それにこれは作者のせいではないでしょうけど、1ページに文字を詰め込みすぎ。 ページ数を削るためなんでしょうけど、読みにくいですねえ。 最後になりますが、ストーリーそのものが決定的に面白くない。
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勢いがある
数ページを読んで、本を閉じようかと思った。主人公の日常生活がだらだらと描かれていて飽きました。 しかし途中から魅力的な人物も出てきてテンポ良くストーリーが進みます。 主人公ヒデブーが常に前向きでエネルギッシュなのは良いのですが、大阪出身の私でも辟易するほどコテコテの文章なので大阪が嫌いな方にはお薦めできません。 自分が何をしたいかわからない、毎日がつまらないと感じている方は読んでみても良いと思います。 なにか人間の素のエネルギーみたいなものがじわっと湧いてくると思います。 まだまだ発展途上の作者の今後に期待。
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- 「きらら」文学賞 第2回(2008年) ・受賞