作品情報
ハガキ職人カタギ!は、受賞記録と書誌確認から輪郭を整理できる風カオルの作品である。
ハガキ職人カタギ!は、風カオルによる作品で、投稿文化を中心に読める。受賞作としての記録を起点に、単行本化または刊行情報が確認できる場合はその書誌識別子を採用し、確認できない場合は雑誌号や別資料の番号を流用せずに整理した。
レビュー要約
-
反応は作品の題材と語り口に向けられている。設定や問題意識を評価する読みがある一方、公開情報が限られる作品では書誌的な確認を優先して慎重に整理した。
書籍情報
- 出版社
- 小学館
- 発売日
- 2014-11-11
- ページ数
- 189ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784093863964
- ISBN-10
- 4093863962
- 価格
- 257 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論
抱腹絶倒!新感覚青春ユーモア小説誕生! 第15回小学館文庫賞小説賞受賞作。2014年注目の大型新人鮮烈デビュー!イマドキの若者の生態にスポットを当てた、新感覚青春ユーモア小説。 広島県在住の高校二年生、高木正広は、筋金入りのハガキ投稿オタク。そんな高木は、今日もネタ帳とにらめっこ。クラスの女子は気味悪がって近寄ってこない。でも、そんなことは全く(全くでもないが・・・)気にならない。厳選したネタを、深夜のラジオ番組「大公民館」に投稿することが、高木の使命なのだから。昼間は、うだつの上がらない高木だが、深夜ラジオでは、ちょっと名の知れたハガキ職人。ラジオネーム・ガルウイング骨折として、全国のラジオリスナーにその名を轟かせている。このまま、好きなことだけをして、広島の片隅でひっそり暮らしていたい、そんな高木の願いもむなしく、東京で開催されるハガキ職人ライブにゲスト出演することに。高木の運命の歯車が少しだけ狂い始める・・・。 【編集担当からのおすすめ情報】 既存の小説とは違うにおいがしました。主人公・高木はオタク、友達はたった一人、彼女はいない・・・なのに、なんでこの主人公は、幸せそうなんだろう?みずみずしい感性がなくては書けない、イマドキの新しい青春小説が出てきました。笑いをこらえるのに必死になりながら読了。とにかくハッピーな気分にしてくれる1冊です!
レビュー
-
ラジコに親近感
面白かった。 クスリと笑えるポイントもたくさん。 私はたまにラジオを聴く程度ですが、ハガキ職人の存在は知っていたのですごく楽しく読めました。 ハガキ職人てこんな感じなのかなぁと想像しながら。
-
爆笑というよりは 「あるある」と共感したりや腑に落ちたり
自分にはとてもフィットした小説でした。 ただまったくラジオを聴かない人に自信を持って勧められるかというと悩むところです。 キャラクターの描きかたの淡白さがハガキ職人の世界を際立たせていて 自分にはすごく面白かった。 ただ、ラジオやハガキ職人に興味がない人に読ませるにはキャラが立ってないと 感情移入する相手が居なくて読み進めてくれないかもしれない。 大好きなラジオ番組なのにリアルな友達には勧められないような まさに「深夜ラジオ」そのもののような小説です。 出てくるキャラクターの人間関係の繋がり方も 相手に踏み込まない微妙な距離感が「ラジオ好きそう」でリアルでした。 そして突出して変な人が出てこないのも。 主人公が何か起きる前に回避するので何しろ劇的な展開はありません。 だからこそちょっとした変化にグッときてしまいます。 作中のネタ部分の「笑える」という面白さに関しては 自分の脳内に居るパーソナリティーの誰に再生させるかによって 全然違うと思うので評価はしません。 自分だったらあの人だな…と勝手に口調をあてて楽しみました。 それよりも一つのお題に対するそれぞれのハガキ職人の発想の仕方の違いを 考察するところとか、 ハガキ職人ってどういうことを思ってネタを送っているのか どうして急にネタを送らなくなってしまうのかとか 内面を描いた部分がとても面白かったです。 文化祭の後 微妙に主人公の内面が変化して とある「嫌な相手」に対するモノローグがあるのですが そのシーンでなんだか泣いてしまいました。 ハガキ職人リスペクトが詰まった、いい本でした。
-
「爆笑」まではいかず。
帯に「必ず笑えることをお約束します」とあったが、コアな笑いで、爆笑まではいかなかった。青春小説としては、まずまずだが、「青春デンデケデケデケ」には及ばない。作者は大分在住とか、地方色のある小説で頑張ってほしい。
-
ラジオ世代には懐かしい気分になります
深夜ラジオを聴きまくってた世代。40代〜30代後半には懐かしさを覚えるかなと。 お話も読みやすいですし、ちょこちょこ出てくる音楽やアニメ、漫画などサブカル的内容にもニヤリとさせられました。
-
上品というか爽やか淡々さん。
SNSは使うも、自己承認欲求少なく、無趣味で淡々とハガキ職人する主人公。クラス内でも地味な彼に青春イベントが色々と起こり始めるが、取り乱すどころか赤面もせず、かといって逃げるわけでもなく、年齢なりに淡々とこなしていく。途中の葛藤も思慮深く、自身を割り切っているというか、上品。ギラギラなし。最終章に情熱の片鱗を見せつけるが、深追いしない作風も爽やか。 舞台は田舎、地味な環境、題材はハガキ職人でも爽やかで否定感がなく、さらっと一日で読みました。読後感も良いです。続編期待。 成瀬ブームなので高校生モノを読んでみたのですが、タカギはアタリでした。
-
ラジオ好きに贈る青春小説
主人公が「あ〜、ラジオ聞いてそう」って感じで何ともリアル。青春時代に深夜ラジオ好きだった身としては何とも言えず共感してしまう作品でした。 ひたすらハガキ職人としての物語という軸にブレがなく、ゴリ押しの恋愛要素もなく(ほんのりありますが違和感が無い)、クスリとくる小ネタも多い。 青春小説ではありますがとにかく嫌味もクサみもなく、どんどん読んでしまう小説でした。 クライマックスの爽快感、読後のしみじみとした充実感、とても好きな作品です。 次作も出ている様なので、読みます。
-
ハガキ職人タカギ!の感想
久しぶりに良い作品に出会えました。 何気なく手に取り、あまり期待せずに読み始めたのですが、あまりの面白さに一気に読んでしまいました。 ラジオの投稿コーナーにネタを送るハガキ職人という、かなりニッチなところを題材にしましたが、ラジオの独特の世界が細かく描かれており、新しい世界を見ることができました。 ラストの少しせつないところが、また何とも言えない、いい味を出していました。
-
足りない日々から湧き上がるもの
『ハガキ職人』とはあるものの,ネタだのライブだのどこかお笑い芸人のようでもあり, かと思えば,好きなものに対する向き合い方や挫折に恋(?)と,こちらは青春ど真ん中. そのため,ハガキ職人の部分に期待をしていると,肩すかしとなってしまうかもしれません. とはいえ,方言や寂れたスーパー,二両の電車など,都市部とは違う足りない景色が, 深夜ラジオに没頭をする少年や,悶々と苛々が重なる日々にうまくハマっている印象で, 傍から見ればくだらなく,それでもプライドはあり,かとっいって馬鹿にはなり切れずと, 迷い込み,言い訳と自己嫌悪を繰り返す主人公に,何とも言えない切なさと共感を抱きます. ただ,長い時間を切り取っていく構成が,いささかぶつ切りのように映ることがあり, 全てを見せると冗長になるのかもしれませんが,やや消化不良の思いがあったのも確か. また,radikoやSkypeなど,話の『外の部分』の解説が目立ったのも少し気になりました.
関連する文学賞
- 小学館文庫小説賞 第15回(2014年) ・受賞