日本の文学賞

← 受賞作品一覧に戻る
狩りりんぐ! (ガガガ文庫)

小学館ライトノベル大賞 ガガガ文庫部門

狩りりんぐ! (ガガガ文庫)

森月朝文

刊行時に『狩りりんぐ!萩乃森高校狩猟専門課程』へ改題された学園コメディです。ゲームの狩猟に憧れる少年が、現実の狩猟専門課程で過酷な実習と仲間に出会います。

狩猟学園コメディ

作品情報

りあモンっ!は、受賞時の評価点を手がかりに作品世界へ入っていける一冊です。

刊行時に『狩りりんぐ!萩乃森高校狩猟専門課程』へ改題された学園コメディです。ゲームの狩猟に憧れる少年が、現実の狩猟専門課程で過酷な実習と仲間に出会います。 受賞時題名から改題され、ガガガ文庫で刊行された。

レビュー要約

  • 刊行情報と紹介文からは、受賞時に評価された題材の明確さと読み進めやすい構成がうかがえる。人物や状況の輪郭を追いやすい点が読みどころになっている。

書籍情報

出版社
小学館
発売日
2012-07-18
ページ数
296ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784094513509
ISBN-10
4094513507
価格
1 JPY
カテゴリ
本/コミック・ラノベ・BL/ライトノベル

リアルに狩りする“狩猟系"学園コメディ! ゲームの勇者に憧れて「リアルでもモンスターをハントしたい! 」と、俺・鈴鹿翔馬が入学したのは、日本初の狩猟専門課程がある萩乃森高校。新しい人生の始まりだぜ……と思いきや、いきなり初日にクマに襲われるし、実習は体力勝負のサバイバルだし、ゲームと違ってリアルの獣ハントは、とんだマゾゲーだ! 可愛い女の子、愉快な仲間、そしてなぜか不思議な幼女に囲まれて送る、獣だらけの学園コメディー狩猟生活!? さらば、まともな人生よ! 第6回小学館ライトノベル大賞・ガガガ大賞受賞作。

レビュー

  • 読者に前提知識を要求する

    狩猟者や農業者には受け入れが良さそうで、他方で狩ることでバランスをどうにかとっていることを知らない人たちには安易に狩るなという批判を呼ぶだろう。 続編よりもリメイクして、なんなら特例扱いか何かで散弾銃だけ持たせた設定(先生だけライフルとか)にして銃猟を描くともっと読み手は増えるのではないか。

  • バランス

    他のレビューでも触れられているが、実業高校系のラノベやコミックが、育てる大変さや、その苦労が報われ無いかもしれない切なさを描いているのに対して、狩猟の大変さや、自分の手で命を奪う事の葛藤に着目したのは、良いと思います。 只リアルな部分とラノベ的のバランス兼ね合いが、新人さんだけに今一かと(ボウガンの矢のスタン機能とか、女先生の持つライフルの種類等、グルカナイフってマニアぽいが)。 リアルな今の日本の狩猟について、簡単に知りたいなら、「山賊ダイアリー」(イブニングKC2巻迄)辺りが、コミックなので解り易いと思います。 2巻目があるなら、今回スルーされた周辺事情(先生が普段なぜ和服?野生動物増殖と熊の神様の関係)、あるいは学校と狩猟両面で新キャラの登場とか期待します。

  • 狩猟という題材を生かし切れていなかった

    作者が後書きで書いてあるとおり、賛否両論ある作品だろう。まず熊やイノシシや鹿を簡単に殺してしまって良いのかどうか。この問題は現代社会でも深い問題なので、ライトノベルとしてはやはり手に余った印象を受けた。 熊やイノシシや鹿が農作物を荒らすから、もっともっと彼らを殺さなくては、という思考は短絡的すぎて読者の共感を誘いにくい。そもそも動物が山から出てきて人間の畑などを荒らす原因は、人間が森林を破壊しているのが原因とも考えられているわけで……と、まあ考えていくと難題にぶち当たっていく。 キャラクターなども中々魅力的だったのだが、狩猟という題材や、表紙絵の熊の神様の存在などがあまり上手く描かれていなかった。 読み終わった感じたのは、やはり宮崎駿作品の「もののけ姫」はすごかったなということだった。

  • 欲を言えば狩猟についてもっと描写が欲しかったが、面白かったです

    とある高校生が架空の高校の狩猟科に入学して、実地で狩りをお勉強するお話です。 マニアックな狩猟ウンチクや具体的な狩猟テクニックなんかの知識を期待していましたが、そっち方面の描写は少ないです。 フィクションに突っ込むのは野暮でしょうが、趣味ではない狩猟の実習なのにフィールドサインも読まず適当に歩いてるの?素人のチームが7日で15頭もシカが獲れるもんなの?イノシシって鶏小屋を荒らすの?高校生男子の6倍以上の体重のイノシシって巨大すぎない?猟銃は撃つ直前まで弾を装填しちゃダメじゃなかったっけ?未成年だけでイノシシ狩りに行かせるの?など疑問も湧きます。 あくまでフィクションなので特殊クロスボウで狩猟すること自体は気にならないのですが、当たれば大型獣でも卒倒させるというライフル以上にストッピングパワーがありそうな強力な飛び道具を良しとするなら、素直に小口径の散弾銃・スラグ銃でも持たせてあげればよいのでは、とも思ってしまいます。海外では監督者がいれば、28番の散弾銃で子供でも狩りができるという話を聞いたことがあります。 批判めいたことをダラダラと書き綴りましたが、主人公が努力したり失敗したり悩んだりと、いかにもな少年主人公であり、個人的には好感が持てました。 ちゃんとクマやイノシシの恐ろしさを描いたり、山歩きやしとめた獲物運びのキツさに触れているのもいいですね。ここら辺はリアルなのではないでしょうか。 これまでライトノベルはいくつか読みましたが、主人公がどんな行動を取ろうとも一方的に正しく、相手が一方的に悪いとする極端な文脈の作品が多い印象を受けました。 それに対して、この作品は害獣被害を紹介して狩猟は必要な事だという立場を取ってはいますが、主人公に好意的に見える神様少女が実は動物側の視点に立っていたり、イノシシに怪我させられた少女が「自分も狩りをしてる以上、怪我を負わされてもフェア」だとしているなど、動物側にも一定の理解を示しています。

  • 続巻が待ち遠しい

    なかなか続巻予定がでない・・・ 鳥獣被害を題材にしたことで賛否両論あるようですが、 しばしば人が獣にぶっ殺される事件が実家付近で起きている者としては、題材的に全然ありです。 いのちだいじに と言うは易いが、自然は残念なほどにガチですから。 当然、命を奪うって楽しいことじゃないわけで、 主人公はガキっぽいながらもその問題に葛藤しますが、 終盤の「不思議な幼女」との会話が、それまでのゆる〜いやり取りから一転したり、 最初の狩りでとんでもない世界に跳び込んでしまった事を主人公が理解する箇所など、 普通の小説では、何十ページも無駄に小難しく表現する箇所をさらっと描けるのは、 ラノベの強みだと思いました。 「小鹿物語」とかから続く不変のテーマですね。ラストシーンが良かったです。 キャラも魅力的で、皆の外見や何やらから、詳しく語られない出身地や実家の職業なんかを 想像するのが楽しかったです。 続巻出たら即買いします。

  • あえて星5をつけよう

    どう考えても表紙が間違っている気がする。 狩り、と言えばモンハンと言うゲームに侵されたラノベ界に出現したリアル狩猟モノラノベ。 主人公・翔馬はゲームで勇者に憧れ、モンスターを狩る事を夢見て、狩猟者(猟師とかハンターとかマタギ)を養成する高校に進学した。 ところが、そこで待っていたのは国内害獣被害年間200億円の現実と、国レベルでの対応が不可能になり個人レベルで対処しなければならない事実。そして熊。 生きる為に、地元を守る為に猟師となるべく入学してきた仲間(四名)の中で翔馬は確実に浮いていた。 まず、何と言っても生々しいシメの描写が素晴らしい。モンハンが薄め、殺して剥ぎ取ると言う行為がギャグにされる現代で、リアルに獲物を殺す描写を入れた事は高く評価したい。正直、この作品を読んだ後に小説のモンハンや狩り要素有りのラノベを読んでもそこに本作ほど濃密な空気を感じる事は不可能だろう。 一方でラノベ的な部分との親和性が取れていないのも事実である。近いテーマの『のうりん』(GA文庫)では敢えてギャグとエロを多めにぶち込む事で農の持つ泥臭いイメージを薄めつつ、メッセージ的な部分をくどくさせない構成を取っている。 しかし、本作では幼女パンツ、お風呂でばったり、特殊な環境と言うお約束な要素を入れているとは言え、どこか馴染んでいない。ヒロインらしきキャラが大怪我して一生ものの傷が残ると言うのも重い。 だが、あえてそんな本作を押そう。 この作品は動物愛護とは別次元の、人か動物、いずれかが生きるか死ぬかの戦いを描いているのである。 ガガガ文庫って本当に冒険的な作品を出すなあ。 余談だが、熊は自動車に轢かれても死なないのは本当。体験済み。

  • 最後の部分が秀逸

    狩猟をテーマにした点はとても面白いと思う。軽い感じの一人称もよかったが、もう少し「獣害」に関して掘り下げてほしかった。近年、山間部で農作物や人が襲われる事件が急増している。里山の人口減、猟友会の縮小なども原因であるが、根本的には人間が開拓した結果、動物たちが住む森林が減少、都市部がすぐそばにあり、人間の出す生ごみを狙う野生動物の出現などの問題が棚上げされている。人に害をなすから駆除に次ぐ駆除ではその種は絶滅してしまうし、生態系を壊すだけ。そういう点を考えれば、ヒロイン?は「熊の神様」ではなく「ニホンオオカミの神様」にした方がよかったかも。 あと熊の神様をエロ本で釣って呼び出すというところは面白かったがもう少し説明が欲しかったかもしれない。序盤にエロ本墓場を出しているのでそれと関連付けることができればさらによかったかもしれない。そもそもこのエロ本は男が見て喜ぶエロ本だよね? 女の子が見て面白いのかな? どちらかというとテンプレになっちゃうかもしれないけど、BL本や方言イケメンのブロマイドとかのほうがしっくりくるような気がする。 さらに中盤、この熊の神様、主人公の部屋に現れる。物音で寮のみんなが駆けつけ、目撃されている。それなのに抱き枕にバケさせてしまうというのはちょっと苦しい。これもテンプレになってしまうかもしれないが修羅場を演出したほうが自然かもしれない。 あと、あとがきでもクロスボウによる猟は禁止されているということを書いている。高校生に猟銃の所持許可は下りないから主人公たちの得物がクロスボウなのだと思うのだが、二年になったらイノシシも相手にするようなことが書かれている。ここでもクロスボウで相手をするのだろうか? 猟銃で撃っても急所にあたらなければ突っ込んでくるって作中で先生言ってたよね? むしろ、ここにこそ虚構を入れるべきなんじゃなかろうか?

  • 面白い&色々考えさせられます。

    最近は萌やらエロやらと、明らかに狙った作品が多い中、この作品はバランスがいいですね。 サービスシーン、萌は一応ありますが、それらはオマケ程度でストーリー重視 害獣駆除という現実的な問題に、非現実な存在を少し加えてライトノベルとなっています。 新作で続きを読みたいと思ったのは久しぶりですね。

関連する文学賞