日本の文学賞

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血潮の色に咲く花は (ガガガ文庫 き 2-1)

小学館ライトノベル大賞 ガガガ文庫部門

血潮の色に咲く花は (ガガガ文庫 き 2-1)

霧崎雀

人に寄生して咲く妖花と、その宿主を狩る青年をめぐるダークファンタジー。救いのために殺すという矛盾を背負った主人公の贖罪が物語の中心にある。

ダークファンタジー寄生贖罪救済妖花

作品情報

妖花に操られる宿主を救うため、青年は恨みを背負いながら狩り続けます。

第八回小学館ライトノベル大賞審査員特別賞受賞作。霧崎雀のデビュー作としてガガガ文庫から刊行され、妖花に支配された人間と狩人の関係を描く。

レビュー要約

  • 宿主を救う行為が同時に殺しになる設定が印象的とされる。暗い世界観と感情の重さを好む読者に届く作品。

書籍情報

出版社
小学館
発売日
2014-05-20
ページ数
326ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784094514872
ISBN-10
4094514872
価格
255 JPY
カテゴリ
本/コミック・ラノベ・BL/ライトノベル

『宿主』救済,それは青年の贖罪だった。 いつの頃からか、この世に現れた人間に寄生する妖花。その花に寄生された人間――『宿主』は頭から花を咲かせるようになる。しかしこれは花の本体ではなく、仮花と呼ばれるもの。おそろしいことに『宿主』は、本体の花を咲かせることこそ己の第一の使命と思うようになり、花の咲くときが来れば、自らそれに適した場所へ向かう。つまり花に操られて行動しているのだ。 花の命を繋ぐこと。それが花と、花に操られた『宿主』にとっての至上命令。 だから『宿主』を殺すことを生業にしているルッカが、憎まれるのは必定。しかし、それはルッカにとって酷く悲しいことだった。救えども、救えども、ルッカは恨みだけを背負っていく。どれだけ拒絶されようとも、ルッカはかつて人間だった頃の彼女たちのためを思い『宿主』を狩り続けていた。 そんなある日、ルッカは街で花を咲かすことと、もう1つの目的をもった『宿主』の少女・リディと出会う――。 人に寄生し成長する妖花の存在する世界。そこで織りなされる『宿主』の少女と妖花を狩る青年の物語。 アニメ『まどか☆マギカ』などで知られる新房昭之監督が選んだ第8回小学館ライトノベル大賞審査員特別賞受賞作。

レビュー

  • ド外道の道理VS人外の道理。読み手に安易な共感を許さない姿勢が良い

    注:本作は主人公に「共感」を覚えないと楽しめない、という方には鬼門の様な作品です。諦めて他作品を当たりましょう 先ず、主人公のルッカは言い逃れの出来ない程のド外道である。彼はある種の「狩人」なのであるが、狩りの対象は少々変わっている 「仮花」と呼ばれる大きな花を頭に咲かせている以外は常人と変わらぬ姿をしていながら「花」に寄生されてそれ以前の人格と記憶を奪われ 「真花」と呼ばれる大輪の花を咲かせる事を目的として全ての行動を操られている「宿主」と呼ばれる存在、それがルッカのターゲットである カタツムリに寄生し、自殺に導くロイコクロリディウム(検索される方は要注意。かなりグロいです)に似てはいるが独立した人格を持つ 彼女たちを狩り、致命傷を与えられて息も絶え絶えになった彼女たちにルッカは「自分の殺しはお前たちにこれ以上の寄生者を増やすと言う 罪を重ねさせない為の救済である」という道理を説く。当然殺される「宿主」たちにとってみればルッカの説く道理なぞ屁理屈に等しい この宿主たちが頭に咲かせている花からは身体能力を著しく向上させる薬物「蜜虫」が精製可能であり、「宿主」を付け狙う裏社会の組織「花狩り」が存在し しかもルッカ自身がその手先として動いているのだからルッカの説く「道理」に説得力など皆無に無いも同然。しかも裏社会の先兵らしくルッカの 「狩り」の手法は外道そのもので数時間前まで顔見知りとして親しく交わっていた「宿主」を罠に嵌めて殺すという人間性なぞドブに捨てた様なやり方を 平然と仕掛け、「何が起こったか分からない」という表情を浮かべる顔見知りの「宿主」たち相手に冷徹に凶刃を振るい、その命を奪うのである 当然、ルッカの説く「道理」は一つも通じず、殺される「宿主」たちは自分を裏切ったルッカに恨みつらみを吐きまくって死んでいくのだが ルッカ自身は自分の「道理」が「宿主」たちに通じる事を信じて疑わないのだから救い難い。実のところルッカには幼い頃に「花」に寄生された義姉を 殺してしまったという過去があり、その過ちを犯した自分に対する許しを得んが為に殺したルッカに礼を言う「宿主」を求めて殺しを重ね続けているという 事実が明かされるのだが…あまりに身勝手過ぎて読んでいて共感する余地はこれっぽっちも存在しない。まさにラノベ史上空前絶後のド外道主人公である そのド外道・ルッカが真紅の仮花を持ち、他の「宿主」たちの人生を観察するのが趣味と公言する少女・リディと出会う事で彼の「道理」は揺さぶられ始める 「花狩り」のターゲットとしてルッカの裏切りに遭いながらその襲撃を見破り、打ち破ったリディは過去を暴く事でルッカの道理が身勝手な許しを得る為の 独善である事をを突き付けた上で「宿主」を、「花」を人間の尺度で測る事の愚かさを説くのである。「花」にとってみれば同じ「花」であっても弱い個体は 間引きの対象に過ぎないというまさに人外の「道理」を突き付けてくるのである 信じ切っていた外道の「道理」を論破され、道を見失った後のルッカが次の道を見つけるまでの流れは少々御都合主義っぽい部分を感じたが、この読み手に 安易な共感を許さない姿勢は昨今の甘さばかりが目立つラノベ界のキャラ造形の主流からは突き抜けた「尖り」を感じさせる物があった。サブキャラクターも 「花狩り」の幹部でクールに見えて実はドロドロとした物を抱え込んだ「黒服」や教会の高僧でありながら神や魂の存在など欠片も信じていないモーリーなど 一癖も二癖もある人物がてんこ盛りで実に独創的かつ魅力的な人間模様が楽しめた クールぶっていてもどこかに人間臭さを持った「なんちゃって悪漢」ばかりが幅を利かすライトノベル界に現れたド外道主人公の物語。安易な「共感」を 許さない尖ったキャラ造形を楽しみたいという方にはお勧め。テンプレートっぽさは微塵もない実に意欲的な新人が現れたものである。今後が楽しみ

  • 雰囲気抜群

    設定とイラストに惹かれ読んでみました ライトノベルらしからぬ表現と文章力でスラスラ読めました 読者と主人公の共感というのは難しそうな作品ですが、 展開や登場人物のテンポの良い会話が楽しめました 気になっている方は買って損はないと思いますよ

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