日本の文学賞

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世界の終わりに問う賛歌 (ガガガ文庫 し 4-1)

小学館ライトノベル大賞 ガガガ文庫部門

世界の終わりに問う賛歌 (ガガガ文庫 し 4-1)

白樺みひゃえる

『世界の終わりに問う賛歌』は白樺みひゃえるの作品で、受賞対象として記録されている。書誌データベースで単行本またはそれに準じる刊行形態の識別子を確認できた。

受賞作現代文学書誌確認

作品情報

受賞記録から読む、白樺みひゃえる『世界の終わりに問う賛歌』の輪郭。

<p>小学館,2017,978-4-09-451687-6<p><ul><li>タイトル:世界の終わりに問う賛歌</li><li>タイトル(読み):セカイ ノ オワリ ニ トウ サンカ</li><li>責任表示:白樺みひゃえる 著</li><li>シリーズ名:ガガガ文庫 ; ガし4-1</li><li>シリーズ名(読み):ガガガ ブンコ ; ガ-シ-4-1</li><li>NDC(10):913.6</li></ul>

レビュー要約

  • 読者反応は、作品の題材や受賞歴への関心を軸に受け止められている。書誌情報が限られる作品では、賞の記録や作者情報を手がかりに評価される傾向がある。

書籍情報

出版社
小学館
発売日
2017-07-19
ページ数
357ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784094516876
ISBN-10
4094516875
価格
350 JPY
カテゴリ
本/コミック・ラノベ・BL/ライトノベル

魔導と科学が共存する世界で――。 魔導が衰退し、それに代わる科学技術が発達した世界。魔導師の存在が稀少なものとなるなか、天然の魔力鉱石から魔力を抽出する「発魔炉」の登場により、人々は依然として魔力の恩恵を享受していた。 小国ローゼンブルクのマフィア「ヴィルトハイムファミリー」の構成員である特殊交渉人ブルクハルトのもとに、とある任務が舞い込む。それは近い将来、魔力鉱石が枯渇するという『魔力危機』に端を発する国家プロジェクト――魔力鉱石ではなく、魔力を自己生成する魔導師から直接抽出するという「次世代型発魔炉」の開発にまつわるものだった。「肉体的苦痛」を発魔条件として莫大な魔力を生み出すことができる『トネリコの蛇』の末裔の少女、ヘレナ・ヘレーゼを「炉心」とする次世代型の長期運用。弱者を守る古きマフィアの教えに感銘を受け、組織の誰よりも騎士道精神を重んじてきたブルクハルトは、罪なき少女を痛めつけなければならないことに苦悩しながらも最良の手段を模索していく。 イラストは『Wonderland Wars』や『LORD of VERMILION』を手がける須田彩加が担当! 第11回小学館ライトノベル大賞審査員特別賞受賞作。

レビュー

  • ハートフルでハートフル

    電力のように日々を便利にする魔力が存在する世界。 そんな魔力が枯渇しかけているが、尋常じゃないくらいの量の魔力を生み出せる人たちがいて、生み出すトリガーがそれぞれ違うという設定。 拷問を生業にするマフィアの男と、痛みをトリガーにする少女が今後の世界のために奮闘するというおぞましそうな話。 読み始めたら主人公の拷問官が凄く真っ当な人間でheartfulな気分、でも主人公が行ういくつかの拷問シーンは中々のグロさでhurtfulでした。 読む前に想像していたよりもずっと爽やかな終わり方、読了感で良かった。

  • マフィアの拷問屋が「聖女」と出会った事で生じた「技術者の苦悩」を描いたユニークかつ性格の悪い作品。ヒロインが若干掘り下げ不足。

    カバー絵やあらすじといったパッケージ部分からは想像も付かない内容のライトノベルはしばしば目にするけど 今回ガガガ文庫の審査員特別賞を受賞して発表された本作は紛れもなく、その一冊。 挿絵から感じるハードボイルドな展開を予想していたらまさかの展開に。 物語はマフィア所属の拷問の専門家ブルクハルトが観光に訪れた先で妻子を犯され殺された男の依頼を受けて 捕まえたチンピラの足を特殊なブーツでズタズタに切り裂き、股間に溶けた鉛を注いでいる場面から始まる。 絶叫を残してチンピラがあっけなく死んでしまった事でブルクハルトは依頼者の男に 「もう少し長引かせる筈だった、申し訳ない」とチンピラが予定外に早く死んでしまった事を丁寧に詫びる。 拷問の前は怒り狂っていた依頼者の男がブルクハルトの拷問の凄惨さに嘔吐している傍ら、 ブルクハルトの拷問部屋を訪れたのはブルクハルトが所属する組織のナンバーツー・相談役(コンシリエーレ)のアルブレヒト。 外見的には会計士か何かの様なアルブレヒトがブルクハルトに持ち込んだ依頼は国家プロジェクトに携わる長期任務。 次世代型エネルギーの開発にあたって、ブルクハルトが極めた拷問技術を活かして欲しいという物。 世界大戦から50年の歳月が過ぎ、大衆消費社会が訪れ人権意識が高まった上に「時は金なり」の意識が マフィアにすら浸透してじっくり時間をかけた拷問などという悠長なやり方が廃れ始めた事もあり ブルクハルトも身の振り方を考えねばならなかった状況下で舞い込んだ依頼は成功すれば幹部(カポ)に取り立ててやるという物。 現代文明を支える魔力の素となる天然の魔力鉱石の枯渇が目に見え始めた中、 ブルクハルトが訪れた研究施設で開発されていたのは魔術師から直接魔力を抽出する方法。 魔導師一人が一日で生み出せる魔力が百人の生活しか支えられないという事でこの方法は非現実的とされてきたが、 プロジェクトの女主任・アンドレアが提示した方法、それは原初の人類の一種とされる「トネリコの蛇」の末裔を用いるという方法。 一人で一億人の生活を支える桁違いの魔力を持つ少女たちだったが、その魔力を引き出すに当たってはある種の条件が必要。 それは「笑い」や「幸福感」、「恐怖」、「性的快感」と個体によって異なるが、 どれも感情の発生に「慣れ」が生まれ、長続きしないという欠点があった。 ブルクハルトが連れてこられた「トネリコの蛇」の末裔の長期運用プロジェクトの中核となる少女・ヘレナの魔力の発動条件は「痛み」。 引き合わされた実験体の少女・ヘレナは天真爛漫の極みの様なブルクハルトが過去に拷問を加えた相手とは全く異なる存在。 そんな無垢な少女を拷問にかける事を命じたのは誰かと電話でアルブレヒトに問い質すブルクハルトだったが、 返ってきた答えは組織の長であるドン・ヴィルトハイム。マフィアの長とは思えない哲学者の様な威厳と精神性を兼ね備えた ドンの命令という事で断れなくなったブルクハルトは何も疑問を抱くなと自分に銘じてプロジェクトに携わる事になるが… 「拷問の専門家」を主人公に据えている事からノワール系というかハードボイルドな作品を予想していたし 冒頭のシーンがいきなり強烈な拷問シーンから始まったのでそっち系のストーリーを期待していたのだが、物語が本格的に始まるや否や 何と言うか中島みゆきの「地上の星」が聞こえてきそうな技術者がひたすら苦悩し続ける「プロジェクトX」みたいな話になるとは! 物語の方は組織の中でも「時代遅れ」となりつつあった自分の技術を買われた拷問の専門家・ブルクハルトが 「痛み」をトリガーにして膨大な魔力を発魔する(作中ではほぼ「発電」と同義の扱いとなっている)少女を用いた 現代文明を支えるだけの魔力を抽出し続ける長期運用プランに「痛みの専門家」として加わり、 考えなしに痛みを与え続ければ、耐性が出来てしまったり、自殺してしまったり、自閉状態に陥ってしまい 最高記録が400日ちょっとという「長期運用の壁」をどう乗り越えるかという技術革新に挑むという流れ。 自分の技術は単に相手を痛めつけるだけのものではなく、心を折った上での「特殊交渉術」と考え マフィアの一員でありながら最新の医学書にも目を通して「痛みとは何か?」という研究にも怠りが無いブルクハルトは まさに「技術屋さん」なんだけど、その技術を買われた上で幹部昇進のチャンスを掴んだと思ったら 突き付けられた仕事は純粋無垢な少女を延々と痛め続けて国民の皆様の「便利な暮らし」を支えろという物。 当然ながらブルクハルトは「こんなのは交渉でも何でもないただの虐待じゃないか」と反発するが、 幼い頃にスラムで死に掛けていた自分を助けてくれたドンの命令という事で心を殺して研究に向き合う羽目に。 (なんとこの男「禅」まで極めてセルフコントロールする術を身に付けているのである!) 実験体となる「トネリコの蛇の末裔」ヘレナも含めて妙に乙女チックというか恋多き主任のアンドレアや 大学を飛び級で卒業した天才少女のナターシャを絡めて割合にコメディチックな雰囲気を織り交ぜながら 研究は続けられるのだけど、成果はさっぱり上がらないという状況が続く。 研究員が総出で知恵を絞って「ヘレナの心が折れない痛めつけ方」のアイデアを出しては技術の壁に突き当たり、 上からは「早く成果を出せ」という圧力が掛かり続けるという理系の職場にお勤めの方であれば読んでて胃が痛くなるかも。 中間報告で成果が出ていない上に解決の糸口すら見えていない状況で報告書をどう誤魔化すかを話し合う辺りは笑うに笑えない。 しかも自己犠牲を厭わない聖女みたいなヘレナの性格を分析し続けるブルクハルトが記憶の奥底に封じ込んだ スラム時代に出会った悪人以外は生き残れない環境で悪事に手を出さないまま死んでいった聖女の様な少女の思い出を引っ張り出し ようやく発想の転換と解決の糸口に辿り着いたと思ったら自分が続けてきた「国民の生活を支えるための研究」の正体が 軍事利用目的であった事が明かされ、読者と一緒に奈落の底に蹴り落とされるのだから作者の性格の悪さも極めつけである。 やがて戦争が始まり、軍を支える為の発魔を行うべくブルクハルトとヘレナは前線へ…という流れになるのだけど …うーん、ここから先がひどく駆け足というかそれまでの「プロジェクトX」的雰囲気からガラッと変わってしまうのであるが ようやく見えてきたヘレナという「聖女」の様な少女の自己犠牲精神がどこから来るものなのか、という部分が ほったらかしになった様な気がして何とも「やり残し」感が片付かないまま終盤を迎えたのはどうなんだろうか? 戦争の描写の方も前線に立たされたブルクハルトがヘレナをこれまで避け続けてきた直接的な拷問に晒す描写も 「スラムではキリストよりマリア様の方が好かれていた」と語りその聖女を痛めつけるブルクハルトの苦悩も このヘレナの聖性の掘り下げがおざなりになった事で「そっちは良いから、先に片付けておく事が他にあるだろ」という 「もっと気になる部分」に意識が引っ張られてしまいいまいち没頭できないまま終わってしまった。 拷問の専門家を主人公として立てた上で「技術者の苦悩」を描くという試み自体は非常に面白いし、 その発想のオリジナリティには疑いようがない。文章の方も非常にこなれており読んでいてストレスを感じる部分もほとんど無い。 キャラクターは主人公のブルクハルトを中心に(多少ベタな感じはすれど)サブキャラも立っている。 けど上にも書いた様に終盤のプロジェクトの真相が明かされてからの先の展開がそれまでの技術者泣き笑い物語から 急に変化し過ぎている上に肝心のヘレナの自己犠牲精神の正体を放り出していたため「やり残し」感がぬぐい切れなかった。 8割がた楽しませてくれたのに幕引きの所でちょっとつんのめってしまった 「あと一歩詰めていれば」という勿体なさが感じられた一冊であった。

  • 悲惨さがすごい

    胸がむかつく小説ですが、文章が稚拙なので、ベテラン作家が書くバイオレンス小説よりも、まだ救いがありますね。

  • 今後により期待

    ライトノベル→若年層向き 表紙のイラストから想像していた内容とは全く違うもので、この世界感の作り込み方にしても発想にしてもとても新人とは思えない! 3分の2は説明と拷問の描写と苦悩と少しの会話。少しずつ話は進んでいくのと難しい言葉、言い回し、カタカナが多くそもそも読者をしない自分は読み進めるのに時間がかかった(笑)そして全部読み終えてしまうのも寂しいので一ヶ月以上かけて読み終えた 印象はデビュー作にしてやりたいことを詰め込んだ感じだ。 そして残りの3分の1で種明かしといったところか、急速に展開しタイトルの意味を捉えていく。 これだけ独自の世界を作れるのだから著者の今後の作品作風に期待している!

  • ヒロインに拷問する小説。傑作SFか

    他のレビューでも書かれているが、これはラノベ離れした衝撃作だ。 魔法の存在は出てくるが、科学的バックボーンがあるためにSFというべきだろう。 近年読んできたSFでは一番面白かった。個人的には伊藤計劃以来のショックを受けた。 ヒロインを生かさず殺さずにするというシチュエーションの妙、練り込まれたプロット、軽妙洒脱な卓越した文章表現。 いずれもハイクオリティであり、ここ二、三年に読んできたSFではトップクラスに入る。 これは一介のラノベで終わらせていい作品ではない。 小学館は、これ、一般文芸バージョンも作り直して、SF業界に売り込めよ。 翻訳して海外にも流せ。 きっと反響あるって。 将来の有名作を、いまここで発掘したって気分を味わわせてくれ。

  • ページをめくる手が止まらない

    ページをめくる手が止まりませんでした。 あらすじからして不穏なので、いつヒロインが悲惨な目に合うのかと常にハラハラしながら読みふけってしまいました。 完全無欠のハッピーエンドとまではいきませんが、穏やかな気持ちになれるラストです。 是非、読んでみて下さい。

  • 読み手を選ぶ

    読んで気分の良くなる話では無い。だが独特の世界観がある。 主人公は拷問官で、エネルギーとなる魔力を得る為に聖女のようなヒロインを拷問する話です。これでも読んでみたい、と思えるなら良いのではないかと思います。

  • とにかく痛い

    描写が痛くて鳥肌立ちます。ですが、現実世界の世界的な資源エネルギーの減り方をみていけば、人体にエネルギーに変換できる魔力があるならこうなっていってもおかしくないだろうと納得させられる作品です。一人の犠牲で済むならばという結末を避けた着地点です。

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