月桃夜 (新潮文庫 と 28-1)
奄美の風土と記憶を背景に、月桃の花が印象的に立ち上がる幻想小説。
作品情報
奄美の風土と記憶を背景に、月桃の花が印象的に立ち上がる幻想小説。
奄美の土地と記憶を背景に、月桃の香りが立ち上がるような幻想的な物語。
書籍情報
- 出版社
- 新潮社
- 発売日
- 2022-11-28
- ページ数
- 384ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 15.1 x 10.6 x 2 cm
- ISBN-13
- 9784101043524
- ISBN-10
- 4101043523
- 価格
- 737 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/SF・ホラー・ファンタジー
「愛しい妹よ。この世の終わりで逢おう。」 決して結ばれてはならないふたりの、切なすぎる愛。 ファンタジーノベル大賞を受賞した、幻のデビュー作。 薩摩の支配下にあった奄美。孤児のフィエクサは、父を失った少女サネンと兄妹の契りを交わす。砂糖作りに従事する奴隷のような身分の二人だが、フィエクサは碁を習い才覚を発揮、サネンは美しい娘に成長。しかしサネンが薩摩の役人から妾に所望され、過酷な運命が動き出すーー。濃厚な花の匂いの中、無慈悲な神に裁かれる禁断の絆。魔術的な魅力に満ちたファンタジーノベル大賞受賞作。
レビュー
-
少女マンガが好きだった女性は絶対好きだと思う。
狙いだろうけど、漢検?って思うくらいの漢字とか奄美独特の言葉とかが読み辛い。ファンタジーなのに奄美の史実に基づいた所とかも重い。 ただ、面白かった。Amazonから届いて一気に読みました。 奄美大島で育った私には、匂いや湿度、木々の息づかいも体感しながら読みました。元ちとせさんの唄声が今もグルグル回ってます。 是非、読んでみてほしいです。
-
ファンタジー?恋愛?と、いうよりも歴史ものとして読む
ファンタジーノベル大賞はクセもの揃いの名作が多い。本作はそのなかでは比較的読みやすかった。 文庫化の帯の文句は「この世の終わりで、きっとおまえを抱いてやる」あらすじでは「禁断の恋物語り」 これだけ読むと直球ど真ん中の恋愛ものかと思ってしまうが、違う。 ストーリーの大部分は奄美の緻密な歴史と、そこに生きる人々と風土の描写にさかれている。 この部分がこれでもか、と言わんばかりに書き込まれている。 ファンタジーノベル大賞だからファンタジー一辺倒というわけではない。 帯に書かれているような恋愛のみを期待すると肩透かしを喰う。 だからと言って面白くないのか? と問われると否だ。少々のファンタジーと兄妹の禁断の愛。 そして歴史風土描写が重なりあってかなり面白い物語りとなっている。 難をあげれば現代のふたりよりも、過去の二人の物語りが格段と面白いという点。 それとラノベちっくな文庫からでているが、内容は(得に過去編)かなり重いのでご注意を。
-
哀しい愛の物語
女性ならではの、細やかな感情が盛り込まれた佳作。あまりにも哀しすぎる話なので、読んでいて辛かった。したがって、ストーリーは好きとはいえないけど、山の神のフィエクサに対する母性――それゆえの厳しさであるとか、言葉の軽くなった現代だからこそ、その重みが大切なのだという作者の強く、はっきりした主張には大変同感した。惜しむらくは、兄妹の罪…というには中途半端なことである。思いだけで(あるいは未遂行為のみで)裁かれなければいけないとしたら、あまりにも酷なのではないか。綺麗すぎてドロドロに至らないのは、この作品の品をよくしているが生々しさには欠けると思う。まあ、始終ファンタステックな空気で統一する必要性があったのかもしれないが。 文章自体はこの賞の受賞作にしては読みやすく、場面転換も無理がなかったことがよかった。沖縄言葉も興味深く読ませてもらったし。ただ、もう少し漢字を考えて欲しかったなあ。とくに植物名はカタカナにできなかったのだろうか。沖縄言葉と同じカタカナ表記でよかったのに、と思う。 ラスト、茉莉香が生き抜こうと必死でカヤックを漕ぐ動機――「兄を貪る」ということ――が、私には多少違和感があった。「兄を貪」った後で、今度こそ自分の足で生きていけるだろうという未来が、そこにはまだ見えなかったから。まあ多分、そうなるということで。
-
期待を裏切らない大賞受賞作
日本ファンタジーノベル大賞の大賞受賞作である。 一気に読んだ。 この賞の受賞作は読むのに苦労する作品が結構ある。 良く言えば枠にとらわれることがない、悪く言えば一般受けしないマニアックな作品が多いからだ。 ごく普通の読書人にはちょっとハードルが高い。相当の読書家でないと作品の面白さがわからないことがある。 が、この作品は一気に読めた。 けれんのない、物語性の豊かな作品である。 舞台は200年前の奄美大島。そこに現代の奄美の海上を漂う少女と鷲の語りが交わる。 琉球は歴史の授業に出てきても、奄美については習ったことがない。 こんな過酷な歴史があったのだ。 その時代に生きた兄妹の愛。 理不尽な世の中を生きる人々の生。 人の弱さ、狡さ、悲しみを見事に描いている。 物語の最後で語られる言葉は、そこまで読み進んできた者の胸に深く刺さる。 「おまえも一粒の椎だ」 この本を手に取り、この言葉の意味をぜひ知って貰いたい。 この言葉を必要としている人が、現代にも多くいるはずだ。 読書の喜びを存分に味わわせてくれる物語だと思う。
-
大変な力作
出だしはどうもピンとこなかったんですが、奄美大島での話になってからはぐいぐいと引き込まれました。兄と妹が主人公ですが血のつながりはありません。 江戸時代の奄美大島は薩摩藩の圧政に苦しめられていました。その中で琉球の独自の文化が守られています。感動の大作で涙なしには読めません。女性にもってこいの話だと思えました。
-
胸に迫る人間物語
独特の世界をもち、今後がすこぶる楽しみな新人作家が現れました。 神話と現実の間を巧みに行き来する、ファンタジーとしての出来映えに関心が奪われがちですが、実は人間の「孤独」をテーマとした、胸に迫る人間物語です。絶望的な運命から解き放される幻想を抱いては、踏みにじられるフィエクサの哀れに、涙せずにはいられません。
-
死んでもその愛に縛られ続ける。ん。ファンタジーだな(笑)
夜中に目が覚めて読み始めたら朝まで一気(笑) 200年前の奄美大島の兄妹(血のつながりはないけど神に誓った兄妹)の、 お互いを想う気持ち故の苦しみ。 そして、 現代の自分のために兄が苦しんで死んだということで成仏?できない妹の、 屈折した兄への愛。 結構どろどろしたことが満載なのだけど、ただ「切ない」 哀れといえばいいのか、それだけ執着できる相手を見つけられたことを幸せと思えばいいのか・・・ 「鳴いて血を吐く」もそうだけど、愛をつきつめたら人間死ぬしかないのよね。 で、死んでもその愛に縛られ続ける。 ん。ファンタジーだな(笑) しばらく遠田 潤子さまを追いかけてみましょっと。 アマゾン中古で150円+送料250円 大変にお買い得でした♪
-
冬雷がスゴく面白くて
冬雷がスゴく面白くて、デビュー作品という本作品を期待して手に取りましたが、私には相性が悪かったです。島の話のつまらな過ぎた。次の作品に挑戦です。