作品情報
寺の静寂のなかで、孤独と情念がゆっくりと牙をむく。
少年僧の孤独と凄惨な情念を描き、直木賞に輝いた表題作を『越前竹人形』と併録した新潮文庫版が流通している。紙版・電子版とも確認できる。
レビュー要約
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閉ざされた寺の空気と少年の孤独を重ねる重厚な描写が高く評価される一方、情念の濃さに息苦しさを覚える読者もいる。
書籍情報
- 出版社
- 新潮社
- 発売日
- 1969-03-24
- ページ数
- 352ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 14.8 x 10.5 x 2 cm
- ISBN-13
- 9784101141039
- ISBN-10
- 4101141037
- 価格
- 781 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論
少年僧の孤独と凄惨な情念のたぎりを描いて、直木賞に輝く「雁の寺」、哀しみを全身に秘めた独特の女性像をうちたてた「越前竹人形」。
レビュー
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まごうことない名作
「雁の寺」 舞台が殺生を禁じる寺であるだけに、恐ろしさが募る話である。 慈念・慈海・里子―皆それぞれに孤独である。 だが、師匠の慈海は酒食をそして女色をむさぼる。一方、弟子の慈念は腹が減れば池の鯉を捕まえて食べざるを得ない。生き延びるためやむをえない行為であったろう。慈念は全く孤立無援の存在である。自分しか頼れない。究極の孤独感。レイモンド・チャンンドラ―風に言えば『灯台のように寂しい』という存在である。 彼が行った行為の動機を作者は語らない。肩透かしを食らった感じである。 唯一、「松の葉陰の子供雁と、餌を含ませている母親雁の襖絵」から、母親雁の部分を慈念が破り取った描写だけである。3人はそれぞれに寺を去り、雁の襖絵だけが残った。 仮に寺が人の世だと解釈すれば、諸行無常、次々と人や事物は移り変わっても、寺=人の世が消えることはないと言えないだろうか。 「雁の寺」は4部作となっている。本作以外はあまり取り上げられないが、慈念のその後は気になる。 「越前竹人形」 なんと哀しい物語だろう。 途中で、おぼろげながら結末が予想され、べージを繰るのが辛くなったが、最後が気になり一気に読了した。玉枝の最後は予想を超え、実に哀しく寂しい最後だった。活字が本当に胸に突き刺さってくるように感じる描写である。 水上氏の作品は、これが3作目だが、こういう作品を書く人とは知らなかった。 他の作品にも興味を持ったが、今ではその多くを古書で入手するしかないようだ。氏の作品が書店ですぐ買える時代でなくなったことは残念だ。再刊が望まれる。 谷崎潤一郎が『越前竹人形を読む』との一文を寄稿したそうだが、さもありなんという感じだ。 心に残る名作である。 水上氏の文章は淡々と描かれているのだが、文字の向こうに登場人物の姿が見えてくるようだ。 喜助と玉枝―二人の人生が交錯した短いが大切な年月。竹人形は二人を静かに見守っているーそんな情景が浮かんでくる。 余談だが、雁の寺の慈念と本作の喜助の容貌が似ている。常人とはいささか異なる容貌の人物を登場させた意図は何であったのだろう。
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共に暗い内容
雁の寺は屈折した気持ち、越前竹人形は一途な気持ちが表現されていて共に面白かった。 友人に勧めたが同様な感想で好評であった。
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良好な状態でした
以前に購入した事が有ったので、本箱を探したのですが、見つかりませんでしたので、改めて購入した次第です。
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竹人形が切ない!
言葉が美しい、自然表現に涙。
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無し
問題無し
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雁の寺も越前竹人形も傑作です
「雁の寺」も「越前竹人形」も大変感動しました。どちらも悲劇ですが、そうなることが当人たちには幸せな道だったのではないのかと思います。
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金閣炎上との関わり
三島由紀夫の“金閣寺”、水上勉の“金閣炎上”を読んでいて“雁の寺・越前竹人形”の題材もそのあたりにあるということを知りました。水上勉の障がい者に対する身の寄せ方に興味を持ちました。
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本の状態が良かった。
速やかに手配していただき、満足しています。賞を取った小説でしたので ワクワクしながら読むことができました。
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