球形の季節 (新潮文庫)
金平糖のおまじないが流行る町で、噂が現実を侵食していく。思春期の不安と閉じた世界の息苦しさを描く青春幻想小説。
作品情報
噂は、遊びの顔をして現実へ入りこむ。
新潮文庫で読める長編。町にひろがる噂と、季節の不穏さが重なる。
書籍情報
- 出版社
- 新潮社
- 発売日
- 1999-01-28
- ページ数
- 341ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 14.8 x 10.5 x 2 cm
- ISBN-13
- 9784101234120
- ISBN-10
- 4101234124
- 価格
- 693 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品/日本文学
四つの高校が居並ぶ、東北のある町で奇妙な噂が広がった。「地歴研」のメンバーは、その出所を追跡調査する。やがて噂どおり、一人の女生徒が姿を消した。町なかでは金平糖のおまじないが流行り、生徒たちは新たな噂に身を震わせていた……。何かが起きていた。退屈な日常、管理された学校、眠った町。全てを裁こうとする超越的な力が、いま最後の噂を発信した! 新鋭の学園モダンホラー。
レビュー
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なんの感情もない世界は素晴らしいのか……
20年ほど前の高校の時にこの本と出会って、恩田陸さんにハマりました。 まず表現が凄い。そして、小説の舞台の存在感。この世に存在してるのかと思うほどのリアル感。 登場人物も多いけど、ちぃさな事が後々に繋がってたりして、一度二度読んで分かることも……。登場人物の一人に自分もなってるような感覚、自分も谷津という場所に立っているかのように思えます。 恩田陸さんは凄いですー 学生の、皆経験してる年頃の話なので、どこかで過去の自分や今の自分と重ねるように読める気がします。
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ホラーのようなファンタジー?
amazon内容(「BOOK」データベースより)紹介より以下、 四つの高校が居並ぶ、東北のある町で奇妙な噂が広がった。 「地歴研」のメンバーは、その出所を追跡調査する。 やがて噂どおり、一人の女生徒が姿を消した。 町なかでは金平糖のおまじないが流行り、生徒たちは新たな噂に身を震わせていた…。 何かが起きていた。 退屈な日常、管理された学校、眠った町。 全てを裁こうとする超越的な力が、いま最後の噂を発信した! 新鋭の学園モダンホラー。 * 終わって、何かが始まる気配をみせながら読了。 やけに序盤で谷津という町に固執してるなと説明で感じつつ、 終わってみれば納得する。 でも、こんな終わり方でいいのか、消化不良で、と感じざるを得ない。 ううむ、どう評価つけていいものかわからないので中途半端な星の数。 主人公は誰か、「町」そのものなのか? そこに閉じ込められた若者たち。青春。 ホラーのようで、ファンタジー。 「六番目の小夜子」が脳裏をよぎる。
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ミステリーのように種明かしを期待してはいけない。
「六番目の小夜子」でも似たようなレビューを書いたが、結末から考えてそこに収斂するように書かれてはいない気がした。本作の場合も、ある地方都市の高校生の間で広まった噂話の秘密を探るうちに、というストーリーは面白くグイグイ読ませるのだが、その種明かしを読んでも釈然としない気分になったのは私だけではあるまい。又、登場人物は数多いものの特に魅力的と言えるほどのキャラクターも存在せず、その点でも「六番目の小夜子」より高くは評価出来ない。 それでもミステリアスな謎の提示やこれがどう収束するのかと期待させて読ませる技量は素晴らしい。ミステリのようにスッキリした結末を求めると肩透かしを食うがそれなりの評価は出来る。個人的にはもう少し登場人物を絞った方が良かったように思ったが、一つの地方都市全体を描こうとした意図は感じられた。
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この余韻が恩田ワールドなのかな
はじめは、よく分からない謎に凍りつきつつ引き込まれました。 ですが終盤は、登場人物と伏線、エピソードが多すぎて、まとめきれずに終わった感じ。 噂を流し、実行し、信じさせ、次の噂をまく。繰り返して何がしたいのか。。 もやもやが残ったので、もう一度流し読みをしてみて、なんとなく落としどころを見つけた気がします。 最後にユミがみのりに言っている言葉に全て集約されているかな。 この何とも言えない、読者に考えさせる余韻が恩田ワールドなのかな~と思いました。
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日本の現況を炙り出すような設定
読み始めた最初は単なる学園ホラーかと思い、ひょっとしたら時間の無駄だから読むのを中途でやめようかと思ったが、読み進めるうちに登場人物とその人達が各々別個に体験したこととが有機的に繋がってくるのが面白く、止まらなくなった。 東北の小さな町「谷津」。眠ったふりをしたような町。若者はみんな出ていく。でも、出て行ってから戻ってくる人も何人かいる。絶望的な停滞感。夢も希望ももてない。しかし、その町は古代の原初的なものを所々から吹き出し、ある時人はそこからねじれた異次元世界に吸い込まれ、更に跳んでいく。どちらの世界があるべき世界なのかわからない。 停滞したこちらの世界で自分をすり減らすだけで年老いていくことの閉塞感。かといって何かを守るために頑張るとしてその守るべきものは腐臭を放つ唾棄すべきことどもかもしれない。それでもこの世界を、という想いを示唆するところでこの物語は終わる。 僕もたまに思う。自分が特攻隊員だとして何の為に死ねるか?おそらく、美しい故郷の山や川のため、妻子のため、母のため、父のため、僕にやさしかったすべての人のために・・・などを大義名分にして死ねるだろう。そこで措定されている故郷の山や川は現実的には既にそれほど美しいものではなくなっているかもしれない。僕自身が子供のときに見て接したそれを理想的にイメージしたものの為に死ぬのだ。 そのようにこの世の何かを信じていたい。向こうの世界を措定するのでなく・・・
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良くも悪くも
恩田陸らしい作品です。 設定、登場人物などは面白いのに、ラストが中途半端。 「え、だから、あれは何だったの?」的な感じになりました。 でも、決してつまらない作品ではないので★4つです。
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広がってゆく世界観
地歴研内、学校内…そしてついには どこか眠っている様な空気を纏った『谷津』という町全体にまで 広がってゆくミステリー/世界観が壮大! ラストについては、分かりにくいだとか色々と書かれてますが むしろこれなら、恩田陸の中では分かりやすい方だと思う なんだか、故郷を想い、ふと切ない気持ちに陥りました これが"ノスタルジアの魔術師"と呼ばれる著者の "魔術"たる技なのかもしれません この本から、恩田陸のファンになって 未だに結局は、この本に還ってきてしまいます
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大河小説のプロローグ?
終盤に来て尻すぼみ、という多くのレビューに自分も同意。 なんというか、これからITばりのホラー長編が始まる! みたいなところで終了してしまう。 まさに大長編の序章という感じ。 登場人物が多すぎ、主役と呼べるような人物がいないため感情移入しにくい。 だからと言って群像劇といえるほど各キャラが魅力的なわけでもない。ただ多いだけ。 またそのせいか、視点(小説技術的な意味の視点ではなく、ここではその場面の中心人物という意味)がコロコロ変わって読み辛い。