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魚のように (新潮文庫)

坊っちゃん文学賞

魚のように (新潮文庫)

中脇初枝

姉が家を出たあと、弟である語り手が水辺を歩きながら家族のほころびと姉への思いをたどる青春小説。危うい友情、孤独、家庭の痛みが、みずみずしい感覚で描かれる。

青春家族孤独水辺

作品情報

家族からこぼれ落ちた少年の水辺の歩みが、青春の痛みを静かに照らす。

『魚のように』は中脇初枝のデビュー作で、坊っちゃん文学賞受賞作として知られる。新潮文庫版には表題作に加えて「花盗人」を収録し、家庭の中に居場所を失った若者たちの孤独と、そこから外へ歩き出す切実さを描いている。

レビュー要約

  • 若い感性でしか捉えられない危うさと痛みを描いた点が評価されている。家族の欠落と姉弟の距離感が、短い物語に強い余韻を残す。

書籍情報

出版社
新潮社
発売日
2015-07-29
ページ数
161ページ
言語
日本語
サイズ
14.8 x 10.5 x 2 cm
ISBN-13
9784101260419
ISBN-10
4101260419
価格
591 JPY
カテゴリ
本/文学・評論

ある日、高校生の姉が家を出た。僕は出来の悪い弟でいつも姉に魅かれていた。バラバラになった家族を捨てて僕も、水際を歩きながら考える。姉と君子さんの危うい友情と、彼女が選んだ人生について……。危うさと痛みに満ちた青春を17歳ならではの感性でまぶしく描く坊っちゃん文学賞受賞作(「魚のように」)。ほか、家庭に居場所のないふたりの少女の孤独に迫る短編「花盗人」を収録。

レビュー

  • 青春がフラッシュバックしました。

    私が高校生の頃、作者である中脇初枝さんが坊ちゃん文学賞をこの作品で受賞され、NHKでドラマ化もされました。私とほぼ同年代で、こんなにもみずみずしい感受性を持たれた方がおられるのだなあと、感動しました。

  • 慣れない言葉に戸惑いましたが

    最初,慣れない言葉に戸惑いました. 非常に読みやすく,みずみずしいという言葉がよく合う本だと思います. 2つの作品が収められています. 1つは表題にもなっている魚のように. 2つ目は花盗人. あとがきにもありますが,この時だからこそ書けた本なのではないかと感じました. 共にさらりと読める作品に仕上がっています.

  • ロリコンも満足。

    主人公の姉。 少女の行動が。 衝撃的でした。 せつない感じがしました。

  • 何かあったら『魚のように』

    つらい事が自分の身に起きると必ず手にとる本です。高校3年の夏に購入しました。読む度に自分の何かが抜け落ちて、純粋というか、そんなものに近づいていくような気がします。手垢が付いてだいぶ汚れてきたので同じ表紙で同じハードカバーがほしいです。

  • 濁流をさかのぼって

    『魚のように』です。 『17歳の鋭く透明な感性が描く、一瞬の夏の光景…。話題の新人デビュー作。第2回坊っちゃん文学賞受賞作。』 小さくかわいらしいハードカバー本で読みました。四万十川のほとりを舞台とした地方文学賞から出た純文学作品。ページ数も少ないので、あっさり読めます。 物語的にはそれほど大きな流れはありません。というか、冒頭でいきなり「姉が失踪した」という結末が示されていて、そこから主人公の弟が姉の行方をさぐるというもの。現在と過去が並び立つように語られ、その中で姉と友人の「君子さん」の関係が描かれていきます。 ストーリーがほとんど無いといっていいので、文章による雰囲気を味わう作品です。だからこそ純文学といえるのかもしれません。 よく言われることですが、17歳の感性が瑞々しいです。年齢を重ねたら重ねたなりの文章にどうしてもなってしまうものですので、17歳の時にしか書けない等身大のきらめきがある、ということなのでしょう。 だから、時に未熟な文章があっても笑ってスルーできるのではないでしょうか。 主人公の弟の心が妙に繊細に思えるのは、17歳女性である作者が最も投影されたキャラだからなのでしょうか。 随所に挿入されている線画のイラストが世界観にぴったりマッチしていて、作品の雰囲気を上手く引き立てています。★4。

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