日本の文学賞

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博浪沙異聞 (新潮文庫 か 31-1)

歴史文学賞

博浪沙異聞 (新潮文庫 か 31-1)

狩野あざみ

秦の始皇帝暗殺未遂で知られる博浪沙の故事を題材にした歴史小説。古代中国の政争と刺客の志を背景に、正史の隙間にある人間の激情と運命を描く。

歴史小説古代中国暗殺始皇帝

作品情報

古代中国の砂塵のなか、暗殺の一瞬に賭けた人々の運命が交錯する。

『博浪沙異聞』は、狩野あざみによる歴史文学賞受賞作。新潮文庫として刊行され、CiNii の書誌で ISBN が確認できる。史実の有名な一場面を小説として再構成し、事件の背後にある人間像へ焦点を当てる。

書籍情報

出版社
新潮社
発売日
1995-12-01
ページ数
294ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784101437118
ISBN-10
4101437114
価格
25 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品/日本文学

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レビュー

  • 神韻縹渺

    長年お気に入りだった本の一冊で、再読しなければ星5つで評価したかも知れません。もちろん再読した今も、神韻縹渺とした気分に浸ることの出来るお洒落な本だと思いますが、再読した分評価が辛くなりました。確かに孫ビン兵法をはじめ古代中国の様々の逸話を上手に組み合わせており、その組み合わせ方を愉しむことも出来るのですが、ストーリーが単に組み合わせに終わってしまっているところもあり、「小賢しい」という思いが勝つようになってしまったからです。全体として道教思想が背景に置かれていますが、道教的人生観が少し紋切りがちになってしまっています。道教的人生観の滋味をもう一歩深々と味わえるような物語の軸があれば完璧だったと思います。一読時には張良が大好きかつウオーゲーム・フリークなのでなので表題作「博浪沙異聞」を気に入っていましたが、再読して啾々と雨のそぼ降る夜に耽読するに相応しい燻し銀のような煌めきを湛えた「卜筮」がより一層好きになりました。三国志や水滸伝の熱血世界も良いけど、クール・ジャパンならぬクール・チャイナという感覚を味わいたい方には絶対おすすめです。

  • 摩訶不思議な情緒漂う短編集

    「博浪沙」。この地名を聞いただけで、わかる人には誰の話かわかってしまうと思います。 司馬遷に「美女の如し」と形容された、白面の大軍師張良の若き日のとある出来事です。 短編なので、50ページ程の短いお話ですが、晩年の張良の昇仙願望と照らして考えると、けっこう面白かったと思います。(盤上での仙人との戦に、どういうわけか、孫ピンが対魏戦で使った戦法が使われていたりはしましたが…) 表題作の他は、晋の六卿の一人知伯瑶の話、晋の驪姫の話、秦の商鞅の話、漢のゲイ布の話、呉の季札の話が入っています。 個人的には、驪姫の話である「妖花異聞」が気に入っています。悪女としてあまりに有名な彼女ですが、果たしてそれは真実なのか。当人しか知らないようなことまで、まことしやかに記してある中国の史書の矛盾を突いた鋭い視点の作品です。新解釈の驪姫とブラックな重耳。 季札の話は、彼が何者か知っていればオチはわかってしまいますが、イフものを読んでいるような感覚でこれも面白いものでした。どれも歴史小説でありながら、摩訶不思議な情緒が漂う作品だったと思います。

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