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原節子の真実

新潮ドキュメント賞

原節子の真実

石井妙子

『原節子の真実』は石井妙子の作品で、受賞対象として記録されている。書誌データベースで単行本またはそれに準じる刊行形態の識別子を確認できた。

受賞作現代文学書誌確認

作品情報

受賞記録から読む、石井妙子『原節子の真実』の輪郭。

<p>新潮社,2016,978-4-10-340011-0<p><ul><li>タイトル:原節子の真実</li><li>タイトル(読み):ハラ セツコ ノ シンジツ</li><li>責任表示:石井妙子 著</li><li>NDC(9):778.21</li></ul>

レビュー要約

  • 読者反応は、作品の題材や受賞歴への関心を軸に受け止められている。書誌情報が限られる作品では、賞の記録や作者情報を手がかりに評価される傾向がある。

書籍情報

出版社
新潮社
発売日
2016-03-28
ページ数
304ページ
言語
日本語
サイズ
14 x 2.3 x 19.7 cm
ISBN-13
9784103400110
ISBN-10
4103400110
価格
2489 JPY
カテゴリ
本/文学・評論

第15回新潮ドキュメント賞受賞! 小津との本当の関係、たったひとつの恋、経歴の空白、そして引退の真相…… 伝説を生きた女優の真実を鮮やかに甦らせた、決定版の本格評伝。 その存在感と去り際、そして長き沈黙ゆえに、彼女の生涯は数多の神話に覆われてきた。 真偽の定まらぬままに―― 3年以上の歳月をかけ、埋もれた肉声を丹念に掘り起こし、ドイツや九州に痕跡を辿って浮かび上がったのは、 若くして背負った「国民的女優」の名と激しく葛藤する姿だった。 未公開のものも含め、貴重な写真を多数収録。 ≪目次≫ まえがき 原節子と会田昌江 第1章 寡黙な少女 第2章 義兄・熊谷久虎 第3章 運命との出会い 第4章 生意気な大根女優 第5章 秘められた恋 第6章 空白の一年 第7章 屈辱 第8章 孤独なライオン 第9章 求めるもの、求められるもの 第10章 「もっといやな運命よ、きなさい」 第11章 生きた証を 第12章 それぞれの終焉 第13章 つくられる神話 あとがき 会田昌江と原節子 主要参考文献

1969(昭和44)年、神奈川県茅ヶ崎市生れ。白百合女子大学卒、同大学院修士課程修了。約5年の歳月を費やして『おそめ』(新潮文庫)を執筆。綿密な取材に基づき、「伝説の銀座マダム」の生涯を浮き彫りにした同書は高い評価を受け、新潮ドキュメント賞、講談社ノンフィクション賞、大宅壮一ノンフィクション賞の最終候補作となった。著書に『日本の血脈』(文春文庫)、『満映とわたし』(岸富美子との共著・文藝春秋)などがある。

レビュー

  • Best summary of Hara Setsuka

    Such a thoughtful and well written account of Setsuka’s life. She was the reluctant movie star of her generation who stuck by her principles and beliefs. This book takes you on that journey, carefully considering the reasons for her decisions along with accounts from players who were there. Her life was surrounded by controversy but mainly news created by the hungry media looking for explanations of why she was single or left the industry so suddenly. The author thoughtfully and respectfully covers these topics and you are left thinking Masae san would have liked her perhaps. Who knows but it is a good account of an important actor in Japan’s history

  • 日本映画史のミステリー

    たまたま原節子主演の映画「麦秋」を見る機会があり、また生家が近所だったことから興味が湧いてきて購入しました。筆者が女帝を書いた石井妙子さんだったこともあり、膨大な資料を研究して本人の人物像や引退に至るまでの葛藤が描かれた秀作と思います。

  • おもしろい

    女優としては成功したが失った物が多く引退するまで大変だったのではないだろうか?

  • 原節子さんの生き方

    原節子さんのことを知りたかったので、この本を購入しました 著者の石井妙子さんは大量の資料を読み解き、取材し映画とその時代の背景も 併せて書かれていることが興味深いです 文章が丁寧で読みやく充実していて、次々とページをめくってしまいます 原さんが女優を途中で引退したことや半世紀も隠棲したこと 自体が生き方として、感銘を受けました

  • 原節子の真実?

    「最後まで自分が満足できる出演作に恵まれなかった。彼女自身がそうありたいと願った意志が強く、運命を切り拓いていく力強いヒロインは日本映画界のなかに登場しない。日本社会が、そのような女性を求めておらず、また実社会にも存在しなかったからでもあるのだろう。」という筆者の視点は面白く、それは原節子の内に秘めた想いだったのかもしれない。ただ、その1点に向けて原節子の評伝を集約していく書き方には、「原節子の真実」というよりは、「石井妙子氏が読み解いた原節子」という感じがする(まあ、そういう読み物なのでしょうが・・・)。ドキュメントというよりは、その場に居合わせたかのように、登場人物の会話を書き綴る小説のような、断定的な文体には、「真実」といわれると違和感があった。小津安二郎とその母親の関係を、息子を溺愛する母親の一言ですませてしまう乱暴さも、個人的は許容しがたい。これを読む人に、それが単純な真実と思ってほしくないように思う。たくさんの文献にあたり、熱意を込めて書き上げた評伝だとは思うが、筆者の思い入れ(思い込み?)が強くて、なんだか原節子の口を借りて、石井妙子氏が自分の思いを語っているようにも思えた。この本では、原節子が小津監督の作品に冷淡だったことが強調されているが、それが真実だったのだろうか?もし、そうだとしたら「麦秋」や「東京物語」の名演は何だったのだろう。まあ、それは意に染まない役柄でも見事に演じて見せる原節子のプロフェッショナルとしての名優の証明であるのかもしれないが・・・。

  • 著者の力量

    評伝、特に亡くなってからそれほど経っていない人物の評伝は、生々しく、ともすれば 死者に敬意を欠いた、暴露的なものになりかねない。本人が自分のことをほとんど語って いなかった場合はなおさらだ。 だから、私生活がベールに包まれていた伝説的女優の評伝である本書には、ある種の 危惧を抱いていたのだが、読み始めてすぐ、それが杞憂だと分かった。 丹念な調査に基づき、本人への最大限の敬意を忘れずに書き上げられた本書からは、 原節子という人の姿が多面的に浮かび上がってくる。著者の力量は大したものだ。 私的な感想としては、世界的に評価の高い小津作品に彼女自身は思い入れがなかったと いうことが興味深かった。小津作品で求められる女性像に本人は不満があったようである。 自身が切望してやまなかった役はついに演じることなく、彼女は表舞台から姿を消す。 だが、今日もなお色あせず、世界中で愛される小津作品での彼女を見るとき、皮肉なことに、 女優としての原節子を最も理解していたのは原節子本人ではなく、やはり小津安二郎だったのでは ないかと感じられてならない。 本書を読み、原節子が一躍有名になるきっかけとなった日独合作映画「新しき土」に興味を持った 方には、是非、松岡圭祐著「ヒトラーの試写室」も併せて読まれることをお勧めしたい。こちらは、 「新しき土」の特撮を担った日本人に焦点を当てたものだが、非常に興味深く、スリリングで面白い 作品である。

  • 素敵なドキュメンタリーです。

    映画会社が使ったからなのか「永遠の処女」という 原節子のキャッチコピーはなにかそぐわないなと思っていました。 原節子は体型からも顔つきからもバンプ女優が似合うと思います。 著者は本人に会えませんでしたが 原節子に関する資料を丁寧に紐解いて書かれており、 とてもおもしろかったです。

  • 伝記かくあるべし。

    6年ほど前の新潮社刊ムック「原節子のすべて」を今年になって から読んで、おひとりだけ異様なテンションの寄稿者がいるなあ、と 気になり続けていたのが石井妙子氏でした。しかもお若いのです。 不勉強のため、それまでお名前を存じ上げなかったのですが 成程、先述の2012年刊行の原さん関連本所収の短編原稿は、 2016年刊行の本書の原型でもあったのですね。 この本、凄いです。どう凄いって…例を挙げると、ジャン・ ルノワール監督と原さんの義兄・熊谷氏がパリで会ったけど、 その仲介が川添紫郎さんでしたよ、というのが約10行で終了。 こんなエピソードがあれば、読者は「ほう…」と思いつつも ジリジリしながら10頁は読まされるのではないかと思います。 ジュリアン・デュヴィヴィエ監督なんて、わずか2行!マジか! だからと云って叙情性に欠けるわけでは決してなくて、 「まえがき」と「あとがき」の美しさ…。石井氏は、 小説も書けと周りが煩いに違いない。書いてね(笑)。 筆者の石井氏は本書刊行当時、1969年生まれの47歳。 ファンブックでもなく、暴露本でもなく、余計な修辞や 賛辞を排したうえで、まさに書き手の筆力とバランス感覚の 卓越したミックスの上に成り立った「原節子の真実」です。 読んでいるうちに、原さんが伝説的女優であることとか、 出演作の数々とか、徐々に後景に退いていきます。 筆者の自己主張が強いのではない。寧ろ、弱いくらい。 それなのに、読者は凛として咲く2本の白百合を前にして いるかのような気持ちになってきます。 「自分が調べたこと、知っていること」をダラダラ並べても、 それは伝記ではない。これから石井氏の他の作品も読みたい。 御本人が映画好きなのか、原さんが好きなのか、ちょっと 判らないのもなんだか不思議で言及しておきたい魅力です。 伝記って、作家と彼(または彼女)の距離も重要なのね…。 「ファンであることを相手に悟られるな」は大切だけれど、 とても難しいことでもありますから。 で、巻末記載の参考文献の数が半端ない…。真面目な作家さん なのでしょうねえ。今後とも、ますますのご活躍を祈念致します。 唯一納得できないのが、原節子さんの表紙写真ですけど。なんか、 80年代のアイドルのブロマイドみたいな雰囲気ですよ? 本文中にも登場する「ライオンのイメージ」なのでしょうか。

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