日本の文学賞

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橘の家

三島由紀夫賞

橘の家

中西智佐乃

『橘の家』は中西智佐乃の小説である。庭の橘の木に救われた少女・恵実が、木の力を媒介して妊娠を望む人びとに頼られるようになる一家の物語を描き、第38回三島由紀夫賞を受賞した。

生殖と家族女性の身体信仰と搾取

作品情報

橘の木の力を媒介する少女と、子を望む人びとをめぐる家族の物語である。

『橘の家』は、妊娠をもたらすと信じられる橘の木と、その力の媒介者とされる恵実を軸に、子孫繁栄という価値観や、他者の願いを引き受けさせられる女性の不均衡を描く。2025年に新潮社から単行本として刊行された。

書籍情報

出版社
新潮社
発売日
2025-06-26
ページ数
160ページ
言語
日本語
サイズ
18.8 x 12.8 x 2 cm
ISBN-13
9784103551126
ISBN-10
4103551127
価格
2090 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品

庭のその木は、人の生殖に力を与えるという。人類の業を抉る三島賞受賞作。 幼い頃に2階から落ちたが庭の橘の木のおかげで助かったことがある恵実。以来、木の力を恵実が媒介するという噂が流れ、子どもを望む人々が大勢家を訪れるようになった。自分にすがる彼らの気持ちに戸惑いながらも役割を果たす恵実だったが、そのことが自身や家族に暗い影を落とし――子孫繁栄という常識を揺さぶる問題作。

レビュー

  • 男性には理解しがたい価値観

    なんだろうこの不思議な小説は。妖力を持つ橘の木に支配され崩壊していく女の人生。分類的にはホラーなのだろうか?しかし、禍々しいことが起きるわけでもないし、子供を授けるという恩恵をもたらすだけの存在であり恐ろしいわけではない。とはいえ、この木のために家族の人生がボロボロになっていくのもまた事実。木が恐ろしいというよりも、女性に課せられた出産という役割が恐ろしいのかもしれない。出産をめぐる女性の苦しみは、女性でないと理解できないものなのだろう。 物語は、昭和から現在にいたるまで 50年ほどの女の半生を描いており、女が幼児である昭和から始まるのだが、巻頭に時代の説明がないため、昭和であることを理解せず 現在を舞台にする小説と思い込んで読み進めてしまった。なんとも古臭い価値観だな~と違和感を持ちながら読んでいくと、中段に入ったところで バブル崩壊などが言及され、ようやく過去が舞台と気付かされた。いつの時代の話であるのか、冒頭で明らかにしておくべきだったと思う。

  • 男性に読んでほしい

    中瀬ゆかりのブックソムリエで紹介されていたので、読んでみた。アマゾンのレビューでは評価は低く、散々に言われているが、私はそれほど悪いとは思わないし、結構面白かった。最初の数10ページで、「何だ、オカルトの本か」と少々胃のあたりが重くなりかけ、読むのを止めようかと思ったが、読み進むに連れて引き込まれた。 今では子供ができる、できないは医学的に正確に判定できるし、不妊治療も結構進んでいるので、子供を望めば子供を持てると思われている。しかしそうであっても、子供ができない人はやはりいて、神や占いにすがる人(女性)は沢山いる。橘の木を拝み、主人公にお腹に手を当てもらえれば子供を授かると言われれば進んでお金を払うだろう。子供ができないで悩んでいる人は読んでみて欲しい。男性に是非読んでほしい。不妊は女性だけの問題じゃない。

  • 出来の悪い小説

    非常に出来の悪いオカルト的な小説で、何が言いたいのかもよく分からないし、文章がうまいというのでもなく、なんで三島賞を受賞したのか分からない(もっとも三島賞にはそういうのが多いので、なるほど三島賞らしいとも言える)

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