作品情報
さまざまな人生がふと交わる瞬間に、寂しさと温かさが同時に立ち上がる。
川端康成文学賞受賞の表題作を収めた江國香織の短編集。老若男女の人生が行き交う場所、思い出を抱える女性、異なる視点を持つ相手と過ごす時間など、日常的でありながら少し不思議な物語が並ぶ。
レビュー要約
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複雑な人間関係を静かに描きながら、ほろ苦さと温かさが残る短編集として紹介されている。
書籍情報
- 出版社
- 新潮社
- 発売日
- 2012-09-28
- ページ数
- 216ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 13.7 x 2.1 x 19.8 cm
- ISBN-13
- 9784103808091
- ISBN-10
- 4103808098
- 価格
- 1540 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論
Amazon.co.jp: 犬とハモニカ : 江國 香織: 本
レビュー
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現実の切り取り方がセンス高く、文句無き一冊
ひさびさに彼女の短編集を手に取ったが 「新潮」誌に載るにふさわしい純文学としての質と 現代アメリカの短編にも似た、エッジの利いた 現実の切り取り方がセンス高く、文句無き一冊。 『抱擁、あるいはライスには塩を』のような 西欧風の長編も、もちろん大好きなのだが これはこれで、このちょっとした軽さがたまらない。
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江國ワールドの集大成。
彼女はどんどん進化する……たとえ彼女にとって「前進」が不得手なものであるにせよ。
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偶然に居合わせた人々の人生ドラマの短編集。好いよ!
空港の国際線ロビー。母親と旅行した花音(かおん)はへんな男の子から眼を離せずにいる。正確には男の子の家族が騒々しく目立つためだが“そういったあれこれは、でも勿論男の子のせいではない、と花音は思う。子供には、家族が選べないのだから”。 スキーを教える社会人ボランティアとして日本に来たアリルド、ロンドンに暮らす娘家族に会いに行った寿美子ら、普通の人々の様々な人生の一片を鮮やかに切り取り描いた受賞表題作”犬とハモニカ“等6編が収録されている。あなたはどれがお好きですか?
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分量を間違えて、味の薄いお吸い物
初めて読む作家だった。かなり売れている作家とは思うが、些か期待外れ。 「犬とハモニカ」。幾人もの登場人物が、自分の人生の一端を示しながら、飛行 機という同じ乗り物の中から出てきて、少しだけ人生が絡まる。何か引っかかる ようなことは、離婚を切り出された男性のこと。なぜこういう登場人物が必要だ ったのかが分からない。読後感は「ニューヨーカー短編集」と同じ。洒脱なよう に描いているつもりだろうが、味わいが薄すぎる。おそらくこの短編の構成には 時間をかけたのだろうが、今一つ感心しない。すぐに消えてしまう余韻の弱さ。 「寝室」。不倫をしている夫の気持ちがまるで表現できていない。妙に醒めてい るような、現実感のない、理屈だけでいきているような主人公。悲しさや切なさ を表現したかったようだが、リアリティがなくテレビドラマまがい。最後はその 「オチ」のなさに呆れた。 あとの短編もどうにもピンとこない短編。どうにも離婚の危機だの、不倫だの と書いてはいるが、基本的な「筆力」が弱いのではないかと、つい失礼なことを 感じてしまった。特に男性を主人公としている時は、監督が指示する通りにしか 踊れないような、そんなお人形さんの舞台を見ているよう。 源氏物語に題材を取った「夕顔」は、途中にはさまる、妙に口語体で書かれた「 和歌」が逆に興趣を削ぐ。何のための宮廷文学の模倣なのか、私にはよく伝わらな い。 川端賞受賞の作品を始めとして「珠玉の短編集」とあるが、「あまり出汁のきい ていないお吸い物」めいたものしか感じず、後味がほぼない。 惹句には「人生の意味を感得させる」「偶然のぬくもりか、ながく心に残った」と あるが、こう感じる人も多いのだろうか。 読む人を選ぶ短編集ではないだろうか。ストーリーとしての面白さと言うより も、小説の持つ微かな匂いに敏感な人には向いているだろう。 残念ながら私には(もう感性が鈍磨しているのか)どうにも評しがたい短編集。 あと何冊か読まないと、作者の良さは分からないだろう。 辛口すぎるかもしれないが、☆は、☆☆のみ。
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空気の色を見事に描き分けられた短編群。
江國香織 初めての方へ 本作は短編集なので 著者の魅力を手軽に味わうことができる点でオススメ。 ただ 古典の現代語訳である特殊な作品も入っているので 直木賞作品の『号泣する準備はできていた』あたりから 江國香織の【みずみずしい】【オシャレなものが沢山出てくる】と言われる文体に触れていくのが より良いかと思います。 江國香織 好きな方へ 表題作は一年に一本の短編にしか与えられない川端賞を取っており 出色です。 一つの場所に留まった視点から 行き交う人を描いていく筆致が 爽やかな風を頬に受け流すように気持ち良いです。 また 源氏物語第四帖の夕顔を江國流に訳した「夕顔」は貴重な作品です。 ただ あまりに有名な古典のためか 原文に縛られ気味で 江國流の味はそれほど出ていません。 あと 男性視点で書かれている作品に 村上春樹を意識してるかのような 内省的セリフが多いと感じました。この点は個性が感じられずマイナスな印象を受けました。
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どこにでもある「孤独」
六篇の短篇集です。 それぞれ全く違った設定の物語が並びます。 特に、後半の二作品「夕顔」と「アレンテージョ」は、雰囲気を異にします。 でも、それぞれに共通していることもあります。 それは人間の「孤独」という事でしょう。 例えそれが長年連れ添った夫婦だとしても、或いは非常に気心の知れた恋人通しであっても、あくまで各人は一人一人別の人格であり、それぞれが「孤独」であるという事です。 互いに知り抜いており、すべてを知っていると思っていても、どこかに行き違いはあり、完全には解っていないという事でしょう。 だからこそ、別れは突然やってくるし、言われた方は、その意味を理解できないのです。 夫婦として何十年一緒に連れ添っていても、詰まる所、人は「孤独」という事でしょう。 でも、この連作は決して「暗い」感じはありません。 むしろ、美しい文章で「さわやかさ」さえ感じます。 テーマの深刻さに反して、心地良い短篇集でした。
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やっぱり江國さん
ホリーガーデンとか神様のボートとかがすごく好きで、昔大ファンでした。 文章がすごく綺麗で女性らしいんだけど、どこか物語に狂気みたいなものがうっすら漂っている感じ ここ10年くらいは、なぜだかその独特な世界がどうしても重くて書店で新刊を手にとっては買わずにいる、という感じでした。 久々に時間潰しに本を探していて、なんとなく気が向いて買ってみましたが、 1日で読んでしまいました!やっぱり好きです!! ストーリーというよりも、それぞれの人生のある点を切り取った描写がサラッと流れるような短編ばかりで素晴らしかった!
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楽しみました
個人的好みでいうと、表題作と「寝室」は好み。 「おそ夏…」と「アレンテージョ」は空気感が好みじゃない方。 「夕顔」「ピクニック」が中庸といった所でした。 概ね楽しみました。
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