日本の文学賞

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戦後詩壇私史

大佛次郎賞

戦後詩壇私史

小田久郎

書籍情報

出版社
新潮社
発売日
1995-02-01
ページ数
459ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784104009015
ISBN-10
4104009016
価格
1800 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/詩歌/詩論

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レビュー

  • レスポンスが丁寧でした。

    間違いなく商品を落着しました。有難うございました。大変満足のする内容のものでした。 今後とも宜しくお願い申し上げます。

  • 裏方から見た戦後詩壇

    本書の著者小田久郎氏は、詩書出版社・思潮社の創業者にして、ながく、そしていまなお社主をつとめているひとであることは、多少とも日本の現代詩に関心をもつひとであれば、だれしも知っていることでしょう。 本書は、戦後『文章倶楽部』で編集者としてのキャリアをはじめた著者が、森谷均(森開社)や伊達得夫(ユリイカ)につづいて詩書出版を志し、みずからも出版社を作って雑誌『現代詩手帖』を発行することになります。本書は、著者がそのなかで知り合った数多くの戦後詩人たちの肖像、そして時代のなかで変化してゆく詩壇の動きを豊富な資料によって描きだし、また当時の詩人たちの作品をそこでたえず引用しながら戦後詩史をふりかえっています。 また著者が、上記『現代詩手帖』を編集発行しはじめたとき、有為な詩人を同時代に見いだし支援するばかりでなく、詩の批評家も育てることをみずから心がけたそうです。このことは高い見識としていくら評価してもしすぎるということはありません。 いくつか興味深い引用や指摘もあります。 終戦後10年ほど経ち、世の中が落ち着きだしたなかで、戦後の詩の方向を決めるふたりの詩人が大きくクローズアップされ、それが鮎川信夫と谷川俊太郎だったということ。 戦後詩の出発を担った前者の周囲では「われわれは」「わたしたちは」のような「おおやけ」を意識した詩の主体が立ち上げられていたのにたいし、それにつづく後者の詩では「ぼくは」「わた(く)しは」が選択されていたということ。

  • 著者が詩人としてスタートを切ったことを知る人も知らない人も現代詩に関心がある人すべての必携書

    本書を読了する前に、小笠原鳥類の『吉岡実を読め!』を読み始めてしまい、おまけに、You-Tubeで2時間強のライトバース出版による『吉岡実を読め!』出版記念鼎談(ゲストに野村喜和夫と広瀬大志)を見てしまった。つまり、全貌を知っているのは、You-Tubeでの鼎談だけという体たらくなのだが、それでも、『吉岡実を読め!』のレヴューは書いてしまった。ので、本書についても書いてしまう。 実は『戦後詩壇詩史』、途中でかったるくなっていたのだ。原因は色々あるだろう。1995年に発行されたものだから、1993年から始まるのはわかる(これが序章)。そして終章が1965年。間に挟まった26章のうち、1945年から59年までで11章、残りの章は60年代なんだが、なぜか66年まで。尤も、おまえが最も興味ある60年代末以降は、八木忠栄元編集長の回顧録があるんだから、それに当たれば済むといわれればそうなんだ。しかし、それはもう読んだ。いや、この小田久郎の書き方で、それ以降も読んでみたかったのだ。まるで、『日本文壇史』の伊藤整が明治までしか書いてくれなかった/書けなかったのに似た欠落感があったのだ。 それだけでなく、その細部にまでわたる回顧録的通史に少々嫌気がさしていた。森谷均、伊達得夫と共に、戦後の詩壇の仕掛け人として、またパイオニアとして定点観測されてきた人の話には耳を傾けることの多いのも事実だ。しかし、そのあまりに微に入り細を穿った描写が鼻につきだした。そんな時に、前述の『吉岡実を読め!』に出遭い、鼎談を見て/聴いてしまったのだ。あそこで野村喜和夫も述べていた通り、あの書物は、既存の詩人/というより詩論家たちへの“挑戦状”ともなっていた。一切の学術的な論文の体裁を捨てていたのだ。もっと気楽に自由に、しかも一切決めつけない方法で“ガチャガチャ”やっている“だけ”ながら、思いがけない吉岡実像を立ち上がらせていた。そして、鳥類は、あろうことか吉岡実の全作品を扱いながら、その“好きな”部分だけを抜き書きして論じていたのだ。こんなやり方があったのか!読んだ者は誰もが解放される自由を感じたのではないだろうか? そして、再びこの本にもどった時、このアナログで好悪も何も区別せず、煩をいとわずに、編集者として目の当たりにしてきたことどもを“膨大な資料を駆使して”丁寧に記されている様にむしろ別の興味がわいた。この二著はいずれも必要なのだと。鳥類自身「ユリイカ」の小田久郎追悼号で「みんなマジで現代詩を読まなければならない 思潮社の本から学ぶ、崩壊に抗うサバイバル」という文章を書いて、“何事かを起こす人がいなくなったあとで、どうするか”と問いかけている。自著『戦後詩壇私史』を新潮社から出し、追悼号を「現代詩手帖」から出させなかったことに、小田久郎という人のもつ世間から失われて久しい意気と凄みとを感じた次第。

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