作品情報
三島由紀夫賞で候補となった、黒川創の『もどろき』。
『もどろき』は、黒川創による作品。三島由紀夫賞の対象作として、作品の構想や語り口が評価された。読者は、文学賞, 人間, 物語を軸に、受賞当時の文学的関心をたどることができる。
書籍情報
- 出版社
- 新潮社
- 発売日
- 2001-02-01
- ページ数
- 160ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784104444014
- ISBN-10
- 4104444014
- 価格
- 1760 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品/日本文学
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レビュー
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「懐かしい」文学性をもつ作品
抑制された緊密な文体で、静かに語る、その語り口に魅了された。 久々に、いい小説を読んだと思わされる、「懐かしい」文学性をもつ作品だった。 ある程度、実体験がつづられているだろう本作は、作者自身と思われる主人公一家の歴史が物語られる。 祖父、父、母、そして主人公の私のそれぞれが、それぞれの頑なさを捨てきれず、「やりきれなさ」を抱えながら、 何かにこだわり偏執して生きていく様は、上っ面をなぞるように生きてしまう私の胸にずしっと重かった。 自転車に編愛を寄せた祖父。 市役所を定年まで勤めた後、哲学を学び、そして自死した父。 他者との愛情の交換に、いつも空回りする母。 そんな「はみ出し者」たちが、この世界のどこかで、ひっそりと孤独を甘受しながら 生きていた時代のことを想った。 物語の中盤で挿入される言葉が、一番心に残った。 P101 「好きなように生きることは、どこかで、いたるところで、横車を押しつづけることである。 ひとは、いつか自分で、そのことにケリをつけなければならない。」
関連する文学賞
- 三島由紀夫賞 第14回(2001年) ・候補