作品情報
プロメテウスの火をめぐり、男たちの孤独な企てが始まる。
新潮ミステリー倶楽部で刊行され、のちに改訂増補版も出た長篇。原発を「神の火」と見立て、制御された文明の象徴へ人間がどう挑むかを描く。
レビュー要約
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初期作らしい硬い情景描写と社会的な主題が評価される一方、内面描写を期待する読者には重く映ることもある。緊迫した設定を支持する声が目立つ。
書籍情報
- 出版社
- 新潮社
- 発売日
- 1996-08-01
- ページ数
- 525ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784106027475
- ISBN-10
- 410602747X
- 価格
- 3514 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論
Amazon.co.jp: 神の火 (新潮ミステリー倶楽部) : 高村 薫: 本
レビュー
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分かりやすいといえば分かりやすい・・・
旧版を図書館で借りて読み(原発をネタにした社会派小説でかなり難しかったのですが)日野のキャラクターがカッコよくて 何度も読み返し、あまり深く考えずに改訂版を購入しました。 正直、ここまで違うとは思っていませんでした。改訂版はスパイ小説でした。 旧版が書かれたころは冷戦が確実に社会情勢として存在していたので、その辺りも含めて大幅改稿されたのだと思います。 旧版では分かりにくかった主人公のスパイとしての活動や、黒幕の江口との関係も細かく書かれていて かなり分かりやすくなっていました。話としてはとても面白いと思います。 ただ、個人的に日野のキャラクターは旧版のほうが良かったです。 奥さんが殺された後の独白を読んでちょっとうるっと来たんですが、改訂版ではその部分がすっかりなくなっていました。 主役の島田も、旧版では初恋の人に似ているという理由で、必死にロシア人の青年を助けるという表現がなくなっていて 終始淡々としていた感じがします。 できれば旧版を再版して欲しいです・・・・!
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非常に良い
頼まれ物でしたが、商品が届き非常に良く満足されておりました。
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平和を大前提とした、「神の火」
原発やスパイなど、資料の読み込みやその(物語への)生かし方は凄いが、 小説として「これで良い」とは思えない。 読後に『レディ・ジョーカー』のような達成感が、ない。 「緻密」な描写も「缶詰1つ食った」とか「穴を掘って埋めた」とか、微に入り細に入りすぎ。不要なものが整理できていないように感じられた。 ★3つは、一応中間ということにはなるのだけれど、かなり否定的なニュアンスも込めた結果だ。 「翻弄された、それぞれの人生」を描いた小説の出来としては、褒められたものではないと思う。 とはいえ、 「福島」以来、『原子炉の蟹』など、原発絡みの本を幾つか読んでみたが、やはり、高村氏の知識・理解は飛び抜けている。 新聞などの識者談に登場する機会が多かったのも、納得。 この『神の火』は90年代の作品だが、こうした「告発」がありながら、僕らの社会は何も変えて来られなかった。 その結果としての「FUKUSHIMA」であることを、改めて認識させられた。 「神の火」がどの程度管理できるものか、 想像してみるには良いテキストであると思う。 その上で、原発が日本海側に林立している状態の恐ろしさを、認識してもらえれば… 発表から20年を経た今、世界情勢の変化もあり、事態は悪い方に向かっている。 たとえ稼働させずとも、原発は効果的な攻撃対象となり得る。 そんなことを考えながら読んだ。 『神の火』は今なお、一読する価値のある小説だと、僕は思う。
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