作品情報
語られてこなかった救援者たちの姿を、歴史の中から拾い上げる。
ナチス政権下で潜伏ユダヤ人を救援したドイツ市民の実像をたどるノンフィクション。公刊書と具体的な事例を重ね、忘れられた救援者たちの営みを明らかにする。
レビュー要約
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潜伏者を支えた人々の多様な動機を、具体的なエピソードで掘り起こす点が評価されている。戦時下でも他者を信じる連帯の存在が印象に残る。
書籍情報
- 出版社
- 新潮社
- 発売日
- 2023-05-25
- ページ数
- 288ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 19.1 x 12.8 x 2 cm
- ISBN-13
- 9784106038990
- ISBN-10
- 4106038994
- 価格
- 1925 JPY
- カテゴリ
- 本/ノンフィクション/歴史・地理・旅行記/歴史/その他
第27回 司馬遼太郎賞受賞! 潜伏ユダヤ人とドイツ市民の〈知られざる共闘〉を描く。 ナチスが1943年6月に「ユダヤ人一掃」を宣言した時点で、ドイツ国内に取り残されたユダヤ人はおよそ1万人。収容所送りを逃れて潜伏した彼らのうち、約半数の5000人が生きて終戦を迎えられたのはなぜか。反ナチ抵抗組織だけでなく、娼婦や農場主といった無名のドイツ市民による救援活動の驚くべき実態を描き出す。 岡典子(おか・のりこ) 1965年生まれ。桐朋学園大学音楽学部演奏学科卒業。筑波大学大学院一貫制博士課程心身障害学研究科単位修得退学。博士(心身障害学)。福岡教育大学講師、東京学芸大学准教授などを経て、筑波大学人間系教授。専門は障害者教育史。著書に『視覚障害者の自立と音楽 アメリカ盲学校音楽教育成立史』(風間書房)、『ナチスに抗った障害者 盲人オットー・ヴァイトのユダヤ人救援』(明石書店)。
レビュー
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人間性の存在の想像から事実へ
大戦中、ユダヤ人を命がけでかくまったドイツの人たちを、一括して「やばいドイツ人たち」とカテゴライズすることは、こうした勇気ある人たちへの、無視と、逆評価という二重の冒瀆になることを肝に銘じようと思わわされます。 そういう人たちもいただろうという想像はできても、本当にこういう人たちがいたことをきちんと紹介することは、特に相手に対して疑心暗鬼、カテゴリー化的な見方の進む現代、とっても意義のあることなのです。ロシアにもウクライナ侵攻に反対する人はいます。イスラエルにもガザ侵攻に反対する人はいます。いるけど、その存在は表に出してもらえない、あるいは、自ら名乗り出られない。ですから、われわれは「人間というものに対する健全な信頼」をなくしてはいけないわけで、そこに、こうした本のおかげでかろうじて踏みとどまることができるのです。 フロムやホルクハイマーの分析に「もれる」こうした人たちがいるからこそ、「人間はやっぱりいいもんだ」と勇気をもらえるのです。
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時代を超え伝えられるべき書籍の一つ
この書籍はCOTEN RADIO(古典ラジオ)で知りました。多くの事例が、丁寧に、記載されており、人間の善性について、深く考えさせられました。研究者らしい抑えたトーンでありつつ、一般向けに内容をかみ砕いて説明している文章にも好感を持ちました。いつに時代においても、「正しい」と信じたことを行う勇気について想いました。小生にとって、間違いなく、今年のベスト書籍です。本書籍は、人間がより良い世界を生み出すため、時代を超え伝えられるべき書籍の一つと考えます
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コテンラジオのシンドラー編でお薦めされてた本。『シンドラーに救われた少年』に続いて『沈黙の勇者たち』も読んだ。
2万を超すドイツ市民がユダヤ人を支援したと言われている。自分が生き延びるのも難しい中、自分に出来る精一杯の行動を取った人がいる。密告しあう中、他者を信じて生き延びた人がいる。 追い詰められ、余裕を失うにつれて、社会は全体主義へと傾斜し、人々は多数者の側に身を置き、少数者を異端視する。いつの時代でも、どの国や集団でも起こりうる事象。
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読むべき名著
食い入るように読んだ。 我々が忘れてはならない歴史。 忘れてはならない大切なもの。 未来を拓く、伝えるべきこと。 読みやすい文章と誠実な筆者の思想もあって、久しぶりにページをめくる手が止まらなかった。
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極限の状況で人を助け、人を信じることができるか
ゲシュタポによる監視と、市民による密告の横行。ユダヤ人はこれまでの仕事を奪われ、日々強制収容所に送られていき、その後どのような運命を辿るのかは、ドイツ人も薄々わかっていた。食料も配給となりドイツ人も自分の暮らしを守ることに精一杯であった中、危険を冒してユダヤ人を匿った人々のネットワークがあった。支援者には、反ナチを明確に志向している人々もいれば、隣人への親切心から行動したごく普通の市民もいた。 「戦火や密告に怯えながら、それでも「自分にできる精一杯の」行動を探ろうとした人びと」の群像を描く本書で、極限状態に置かれたユダヤ人とドイツ人が、ごく僅かな可能性を信じてどのように行動したのかを示す。人は環境に応じてどこまでも残酷になれるしいつでも人を裏切れる。それでも人には希望と良心を捨てない強さがある。感動的な、だがその無名の英雄の物語を読んで感動に浸っているだけではだめなのだと思わせてくれる、強靭な本だった。
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人類には救いがあった
ナチの時代と現在に相違はない。自分に正直に生きていくための裏付けになりそう。
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多くのことを考えさせられた
「unknown heroes」とか「random acts of kindness」などのタイトルがついた動画を Youtubeで観ることがある。監視カメラやスマホによって偶然撮られた、赤の他人に対する 人々の親切な行動を集めた映像だが、これを観ると気持ちが明るくなり、人間も捨てたもんじゃないと 素直に感動する。 本書を手に取った理由の一つに、そのような感動を期待してのこともあったが、もちろんその善意は お年寄りの手を取って横断歩道を渡してあげるなどといった、偶発的、一時的なレベルではなかった。 戦時下、独裁者によって弾圧の対象になっている人々を助けるということは、並大抵のことではない。 文字通り命懸けの、長期にわたって覚悟の要る意志的な行為である。その一方で、ユダヤ人を救った ドイツ市民の胸中には罪悪感や葛藤などもあったことが記されており、100%善意の塊であった わけではないことが分かる。それはそうだろう、守るべき家族や職務があれば、誠実な人こそ 安請け合いできないはずだ。そうした中、勇気を振り絞って困難な道を歩いた人々がいたという事実は 銘記に値する。 さて、自分ならどうするか。
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こかの文献から一部を要約して切って貼ってしたエピソードばかりです
今、ホロコースト関連の書籍を色々と読んでいますがこれはこれまで読んだ中では一番のハズレでした。いろんな具体例をばらばらにただ述べていくだけで、しかも述べるといってもこの作者がどこかの文献から一部を要約して切って貼ってしたエピソードばかりです。司馬遼太郎賞って知らないけど、こういう本が受賞するものなのか。ある程度優秀な高校生の自由研究論文とかで書けそうな内容でした。 ホロコースト関連の書籍でいえば実際の生き残りの人が書いた本の翻訳本のほうが何倍も面白いです。この本を手に取る方が何を求めているかによると思いますが、私には良さが全く分かりませんでした。
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