作品情報
山田正紀の『ゐのした時空大サーカス』は、受賞歴とともに読み継がれるSF小説。
山田正紀によるSF小説。時空をめぐるサーカス的なイメージで、奇想と物語性を結びつける。
書籍情報
- 出版社
- 中央公論新社
- 発売日
- 1989-10-01
- ページ数
- 218ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784120018701
- ISBN-10
- 4120018709
- 価格
- 873 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論
Amazon.co.jp: ゐのした時空大サーカス : 山田 正紀: 本
レビュー
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もう一つの時間をテーマとした作品
「チョウたちの時間」で時間をテーマとしてから10年、もう一つの時間をテーマとした作品がこれである。しかし、SF的な本格時間テーマは、このあとすぐ出た、宝石泥棒IIであろう。それでも、時間はSF作家としては避けて通れないテーマであり、この時期、時間について関心があったことが分かる。
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幼い時の旅回りサーカスの記憶が蘇る
事故によって母船から遭難した人達が、母船に一人残ってシグナルを発信し続ける“G”を探して30億年を放浪する、それがゐのしたサーカス。 我々人類には本来時間を移動する能力があるのに、それをいつの間にか自ら封印してしまった、というのです。 このベース設定からするとSFなのですが、ドラマとして描かれているのは中年男の悲哀と、記憶です(なにしろ時間テーマのSFだから)。 ある種、神テーマSFともいえなくもありませんが、本作でのそれはおまけ程度。 作者は本作で中年男の断章と、旅回り芸人(三流サーカス団)の没落(=時代の変遷)を描きたかっただけで、時間テーマはそれだけでは売れないから入れた要素ではないでしょうか……? とはいえ、それにしては時間に関するSF的思弁は興味深すぎます。 つい作者の才能が溢れてしまった、というところでしょうか。
関連する文学賞
- 山本周五郎賞 第3回(1990年) ・候補