作品情報
非公開の合意議事録を含む運用の歴史から、協定の実態を描く。
中央公論新社の中公新書。2019年刊行のノンフィクション。
書籍情報
- 出版社
- 中央公論新社
- 発売日
- 2019-05-21
- ページ数
- 263ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 11.2 x 1.1 x 17.4 cm
- ISBN-13
- 9784121025432
- ISBN-10
- 4121025431
- 価格
- 924 JPY
- カテゴリ
- 本/社会・政治
日米地位協定は、在日米軍の基地使用、行動範囲、米軍関係者の権利などを保証したものである。在日米軍による事件が沖縄などで頻発するなか、捜査・裁判での優遇が常に批判されてきた。冷戦崩壊後、独伊など他の同盟国では協定は改正されたが、日本はそのままである。 本書は、日米関係と在日米軍の戦後70年の軌跡を追う。実際の運用が非公開の「合意議事録」で行われてきた事実など、日本が置かれている「地位」の実態を描く。
山本章子 1979年北海道生まれ.一橋大学法学部卒.編集者を経て,2015年一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了.博士(社会学).沖縄国際大学講師などを経て,18年より琉球大学専任講師. 専攻・国際政治史.著書に『米国と日米安保条約改定――沖縄・基地・同盟』(吉田書店,2017年.日本防衛学会猪木正道賞奨励賞受賞)、『米国アウトサイダー大統領――世界を揺さぶる「異端」の政治家たち』(朝日選書,2017年)
レビュー
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日米地位協定とは具体的に何なのか
米軍による事件や事故がある度に、言われる「地位協定」が何か、改めて理解出来た。政府は「地位協定」を「沖縄基地問題」にすり替えて来たが、それだけでなく、第二次世界戦後80年にもなろうとしている現在でも、米軍専 用の空域が日本の空に存在する。どれも国民にオープンされずに来た結果だ。いつまで独立国として恥ずかしいこのルールの下で生きていかねばならないのか、悔しい限りだ。
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沖縄及び本土各地に駐屯する米軍について、あまり報道されていな情報
当然のように沖縄及び本土各地に駐屯する米軍についてあまり積極的には報道されない事を知ることができた。日本の報道は政府の圧力の影響を受けていると見られ、政府も必要情報を公表している場合にも非常にアクセスがしにくい状態にしているため、書籍で情報を補う必要があると感じる。
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国民不在、未だに
49ページ 岸vs池田勇人、河野一郎、三木武夫 52ページ 西部警察ばり、1958年9月西武新宿線狙撃事件・乗客一名射殺。 104ページ ベトナム戦争時代 沖縄住民を「ベトコン(ゲリラ)」に見立てる。 最近、扶桑社から、自衛隊員は基地のトイレットペーパーを「自腹」で買うという単行本が出たが 既にあっぷる社の自衛隊もし戦わば、自衛隊ここまで暴露(バラ)さば殺(バラ)される等で 米軍のゴルフ施設が建設される際に、ついでに基地のトイレが改修されるなどの為体は発表されている。 以前のヘリ本体墜落とはいかないまでも、ヘリの窓が落下!? 交通事故での、日本人泣き寝入りなどの現状は、一切改善されていない。 全ては、この近代史の暗黒部分に端を発する。 昨今、米国は、ネオナチ・ドランフ(本名)になって、鉄クズを売って、日本無力化(再占領化)を推進している。 そして、条約の改正問題は、単なる金銭の問題へとすり替えられている。 本誌は、ここで購入時本年5月の発売にもかかわらず、版元品切れで。コンビニ払いで中国から来るより 時間がかかって届いた代物だった。 苦労してでも、必ず入手すべき、必読の書。 そして今は、この問題を発生させた岸の孫の時代である事を忘れてはならない。
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日米地位協定に関心を持つには良いのでは
結論は議事録にあるとのことでしょうか。 私は憲法9条にあるのではと思いました。 官僚と政治家の無能さがわかりました。
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日米地位協定について知りたければとりあえずこれ1冊あればよい
本書はたった256ページの新書でありながら、口絵に「日本本土の米軍施設・区域」と「沖縄本島周辺の米軍施設・区域」の地図、巻末付録に「沖縄県による日米地位協定見直し要請」「日米地位協定」「日米安全保障条約」、巻末に「日米地位協定 関連年表」を配し、日米地位協定の前身である日米行政協定の成立から現在までの歴史的経緯を追い、いわゆる「思いやり予算」の現状を暴き、米軍地位協定の国際比較を行い、日米地位協定の意義と問題点を余すことなく明らかにして見せる。 本書によれば、在日米軍がいまだ占領軍であるかの如く気儘に振る舞い、治外法権を謳歌できるのは、協定自体の問題もさることながら、”密約”とも言える合意議事録に端を発している。 しかも、米軍は合意事項を守らず自由に振る舞い、日本政府も基本的にそれに異議を唱えることはない。我々の税金を湯水のように使っている「思いやり予算」についても協定に何の定めがあるわけでもなく、都度の政府間合意に基づくものに過ぎない。要は問題は協定そのものというよりその運用にある。 では、なぜ日本政府は唯々諾々と米軍の膝下にいるのか。 「NATO加盟国間の相互防衛の義務を負っている国と、それと義務を負っている日本の間で地位協定が異なるということは当然あり得る」という安倍政権の見解がヒントになる。 コロナ禍を経た今ならわかる。所詮、思考停止し現状維持を続けるための言い訳に過ぎないと。今、変える気がなければ、たとえ”NATO加盟国間の相互防衛の義務を負っている国”になっても何も変わらず奴隷のままだろう。我が政府は日米地位協定の問題を「沖縄基地問題」として矮小化して逃げ回っている。 本書を読めば基礎的な知識が得られる。政治家が国防だの愛国だのと言うと鼻で嗤って落選させるのが吉であることがよくわかる。
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中身が濃いです
オミクロンの拡散で図らずも再注目されている地位協定ですが、 その締結経緯や内容の理解に最適の書籍であると思います。 思いやり予算、合意議事録の問題点もよく分かります。 米軍施設地図、経費推移グラフ、略年表、協定・安保条約本文が 入っているのも有難い。やや卒論みたいに淡々と記述されている 新書ですが、中身が濃いので結構読了までに時間を要しました。
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これはすごい本ですよ
日本はアメリカから真の独立をするしかないと思います。それが私たちの幸せにつながります。
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期待したい研究者のコンサイスな一冊(東京で活躍してほしい)
何事についてもいえることだが、現在見られる政治問題には、問題化するに足る背景がある。背景には発端・受容・展開・定着など様々なフェーズがあり、時系列がある。我々が議論をする際のエチケットとして知らなければいけないことは、問題固有の歴史である。原因の追究も、議論のスタートラインも、全ては「背景を(できるだけ正しく)知ること」から始まるといってよい。某芸人のように、感情や直観を入り口にする方法で米軍基地を問い質すことも悪くはない。しかし、この世界を牛耳るエリート層の主知主義的な世界と同じ土俵で相撲をとるためには、単なる知名度やレジスタンスは情報の拡散はできるが、問題解決への有効性とコストパフォーマンスが実際乏しい。その意味で、期待していても、この国も動かなければ、日米関係の深化も発展も望むことはできない。本当に必要なことは、一人一人が倦まず撓まず膨大な知識を摂取し、時系列を揃えて、エビデンスを的確におさえながら事象を理解すること。そこから、我々の主張を構成することができるのだ。 「日米地位協定」は、「日米安保条約」研究でこれから第一人者となっていくであろう著者が、「あまりに難解」(「あとがき」)と漏らすほど、容易ならざる対象である。評者のような、東京生まれ東京育ちの凡庸な庶民がいくつかの書籍をちょろっと掻い摘んだくらいでは到底理解が及ばないわけである。筆者はこの問題に携わり続ける中で、我々には想像もできないような苦悩や葛藤を経験したのであろう。そのことは、行間から読者に伝わってくる。 だが、それも一つの「生みの苦しみ」であろう。結果として、素晴らしい本が世に出ることとなった。 本書のいう、日米地位協定の問題の本質は密約に近い日米合同委員会の「合意」と、その「合意」をことごとく無視する連中(関心をお持ちの方には、ご想像できるはず)にあるという指摘は、核心をついている。その他、いい指摘は枚挙にいとまがない。地位協定に関するアメリカ側の姿勢や、トランプ大統領の施政方針との絡み合いの中で地位協定がどう位置づけられているか、エビデンスを提示した上で、明らかにしている。本書の有用性は、極めて高いものといえる。今後の日米関係や地位協定に関する様々な議論の、基準的な本となるのではないだろうか。 読後感も、味わい深いものとなっている。ぜひ、一度通読してその深みを味わってもらいたい。
関連する文学賞
- 石橋湛山賞 第41回(2020年) ・受賞