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赤の円環 (C・NovelsFantasia す 1-1)

C★NOVELS大賞

赤の円環 (C・NovelsFantasia す 1-1)

涼原みなと

円環の名を持つ世界観の中で、閉じた運命とそこから抜け出そうとする意志を描くファンタジーです。新人賞特別賞らしい、設定の密度と勢いを備えています。

ファンタジー運命異界

作品情報

赤の円環(トーラス)は、日常の手触りの中に異界の気配が差し込む物語です。

C★NOVELSファンタジアの一冊として刊行された作品です。赤い円環という象徴を軸に、登場人物たちが閉じた構造の中で選択を迫られていきます。

レビュー要約

  • 短い形式の中で不穏な余韻を立ち上げる点が評価されている。説明を抑えた語りが、読後に想像を広げさせる。

書籍情報

出版社
中央公論新社
発売日
2009-07-01
ページ数
235ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784125010823
ISBN-10
412501082X
価格
1 JPY
カテゴリ
本/文学・評論

Amazon.co.jp: 赤の円環 (C・NovelsFantasia す 1-1) : 涼原 みなと, 山下 ナナオ: 本

レビュー

  • 独特の世界観。

    あらすじを読めば分かりますが、すごく独特の世界観です。 その世界の謎を解き明かす、というようなストーリー。 ですが、解き明かすといっても、「一部だけ」というような印象でした。 受賞作品なので、応募時に枚数規定に阻まれて全部書けなかった可能性を考慮しても、「うーん....」と思ってしまいます。それが分かって、その世界の人たちにとっては良かったけど、読者としては不満足。 物語の「中」ではなく、読んでいる「外」のことも考えてほしい。 他の方も書いておられるのですが、古代人がなぜあの仕組みを作ったのか、という動機が書いていないことが、一番気になりました。 あ、他の方と言えば。流星群とのかかわりは、「大気中の水分を運んでくる」とかいうものだったのではないでしょうか。 世界観に重点を置きすぎて、心理描写が杜撰なのも欠点。 いえ、してあることにはしてあるんですが、こう、緊迫さというか、切羽詰まった感というか。 共感が得られるようなシーンも作ってほしかったですけど、あまり感情移入できませんでした。 発想力はいいので、もっとほかの面も磨いてくだされば、申し分ない作品ができるのでは。何だかんだ言って嫌いではないので、期待しています。 最近、涼原さんは新刊を発売されていないので、少々残念。ぜひ、書いてください。お待ちしています。

  • 世界観「は」いい

    受賞作ということで、勉強の意味もあって読んでみました。謎が深まる感じや独特な世界観はよかったのですが、そこで生きるキャラクターがどうにもステレオタイプというか……。とても瀬戸際な世界の現状を目の当たりにしたのに、彼らがそこで感じたことや危機感が読者にとっては薄いのです。喩えるなら、大河ドラマの主役を役者でも何でもない素人にやらせるような感じです。成長はおろか変化すらしない登場人物達は、読み手にとってストレスです。 私は、「話を通してキャラクターは必ず成長しなければならない」というような意見ではないですが、なにがしかの変化はして当然だったと思うのです。それがなかったため、ラストは感動するようなシーンにもかかわらずとても中途半端な読後感しか得られませんでした。

  • ラスト以外は大満足

    ネタバレ有り。 冒頭から造語の嵐だったので、 このレーベルの迷作「契火の末裔」の悪夢を思い出しましたが、杞憂でした。 造語やオリジナルの諺、独特の世界観の説明が出てきますが、 説明や散りばめ方が上手く、特に混乱する事無く頭に入ってきます。 主人公は平均的な男性よりも背が高く、男勝りな女フィオル。 その相棒になる男は、頼りない、甘っちょろい感じのお坊ちゃんキリオン。 その他の登場人物も魅力的で、登場人物同士の掛け合いを見ているのが楽しい。 (欲を言えば、メインの登場人物以外の出番をもっと増やして欲しかった) 地味目の話なので好みは分かれるでしょうが、 私は文章、世界観、キャラとも好みでした。 特に主人公にいきなり子作りを迫ってきた衛士。あの残念さ具合がたまりません。 ただ色々好みだっただけに、結末には不満が残りました。 キリオンは結局最後までこれと言って見せ場がなく、最後は父親&実家頼り。 滅びゆく世界を救うための壮大な旅をしているのだと思っていたのに、 ラストが一時的な救済にしか見えませんでした。 人が一人殺され、主人公は家を放火されているのに、 それを命じた人物の罪がうやむやになっている事もそう。 竜樹の落胤についてだとか、古代人がトーラスと塔を造った目的、 流星群と水源の関係等に謎が残り、登場人物たちの関係も消化不良の感が否めません。 まだ語り尽くされていない気がするので、 続編の構想があるのならぜひ読みたいところです。

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