日本の文学賞

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神狩り (ハヤカワ文庫 JA 88)

星雲賞

神狩り (ハヤカワ文庫 JA 88)

山田正紀

人間が神に挑むという大きな構図を、言語・認識・超越の問題として組み立てた日本 SF の代表的な短編。哲学的な緊張感が、星雲賞短編部門の受賞作としての存在感を支えている。

SF言語認識

作品情報

神の言語を追う知性が、人間の限界そのものに踏み込んでいく。

山田正紀の初期代表作。神を超越的な絶対者ではなく、情報と言語の問題として捉え直し、人間の知性が到達できる地点を問い詰める。

レビュー要約

  • 壮大な発想と論理の緊張を評価する声が目立つ。結末の余白を魅力と見る読者もいれば、物語としての完結感に物足りなさを覚える読者もいる。

書籍情報

出版社
早川書房
発売日
1976-01-01
ページ数
243ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784150300883
ISBN-10
4150300887
価格
187 JPY
カテゴリ
本/文学・評論

Amazon.co.jp: 神狩り (ハヤカワ文庫 JA 88) : 山田 正紀, 佐和 誠: 本

レビュー

  • 私はコレであきらめました。

    学生時代SF作家にあこがれていた。だが本書を読んであきらめた。作者の山田正紀は23歳だという。 正直、自分とたいして歳が変わらない作者との差がどれぐらいあるのか解らなかった。100年たっても同じものは書けない。 そう思った。 連想コンピューター、機械翻訳、記号論理学。翻訳機が手のひらサイズになり部分的にせよ人工知能が人間の能力を凌駕するような 時代になってはさすがに登場するアイテムの古さは否めないが40年前にこんなものが書けたことにやはり驚嘆せずにはいられない。 ツッコミ所はいろいろある。主人公の愛する女性が霊魂になっても明確な意思を持って主人公を守れるなら妨害者を殺害したところで 何の意味がある?妨害者も肉体を失ってもまた誰かに憑依して同じことを続けるだけだろう。 宇宙に出れば進化の階段を登れると考えるのもいかにも70年代的な発想だ。 だけどやっぱり自分には100年たっても同じものは書けないと思う。星5つ。

  • 思弁的に過ぎる。

    気鋭の若者が書いたのだということが、読むだけで知れるSF小説。 どうにも思弁的な書き口が気にかかるが、それを苦にしない人には問題ないと思う。 面白いかと訊かれれば、尻切れトンボの感が強いため、微妙だと答えたい。 現実味こそないが、登場人物は生き生きしている。 趣味としての哲学が好きな人なら、一読してみては好いのではないだろうか。

  • 題名(タイトル)負けの本。

    導入から前半部は面白い。 しかし話の壮大さを予感させながら 中盤以降は尻すぼみ。 狭い限定された人間関係の中で話が終わってしまい 前半に感じさせた壮大さは微塵もない。

  • 残念な出来

    神という存在を認めるのに、13重の関係代名詞と2つの論理記号しか持た ない言語の存在を前提としていますが、それだけで神を認めてしまうの は強引な気がします。 特に、その言語の解読は不完全なものでしかなく、推測に過ぎないため 論拠としては弱いと感じました。登場人物が死んでいく理由も「神」の 一言で片付けられるのは、ちょっと勿体無い。 神が見えるという霊能者の存在を付加しても、その存在を認めてしまう のはやや無理があると思いました。 主人公が科学者であるなら、安易に神を信じるのではなく、もう少し理 論の通った存在証明が欲しかったです。 また「高次元の存在である神に人間のロジックが当てはまるとは限らな い」とあるのに、作中の登場人物は神を人間と同等に扱っている点も気 になりました。 作品のテンポは非常に良い。しかし、逆に言えば描写不足ともいえる。 特に言語学や哲学に関する専門用語の説明が不足していたので、その点 はもっと説明がほしいところでした。 全体として読みやすい作品であるが、謎が謎のままで完結していない点 と、あとがきを読むと不快になる点は大きなマイナスであろう。

  • この時代が良かったです

    複雑すぎるSFが増えてきた昨今です。 セカイ系とか呼ばれるものが流行って以降、旧来のSFファンは置いて行かれたような気もしていました。 今再読してみても、やっぱりこの時代のSFって良いですね。 設定、語り口なども大事かもしれないですけど、まずは起伏があって面白い物語が読みたいです。

  • デビュー作、というのがすごい

    随分、大物を見逃していたのだなーと痛感している。 最初に手に入っちゃったのが「見えない風景」という短編集で、そちらも十分満足したんだけど、次はやっぱデビュー作でしょうと思って読んでみた。 はっきり言って、こっちが好み。本読みとしては「言語」をここまで操ってもらうと、もうネコにまたたび状態。「神」という概念も、異端審問なんかが大好きで比較的そちら方面を読むのだが、とても新鮮だった。続編があるというので、楽しみである。 贅沢を言えば、目玉の表紙の方が欲しかった(笑)。

  • なかなかのSF

    ハードというわけでもなく、普通に読める。神という存在に対し、言語学という立場からアプローチしていく、という方法論がまず素晴らしい。 だが、後半の展開は少しあっさり。言語学をつきつめていく、もうちょっと高尚というか、学問的な戦いでせまっていってほしかった。

  • 神とは論理を超えた存在か?

    20年ぶりくらいで再読しました。 細かいストーリーは忘れていましたが、再読した今回も期待に違わず楽しむことが出来ました。 本作品が時代によって風化せず現在も読み継がれている理由は、いろいろあると思いますが、一つは「神」という存在の根拠作りが巧みであったことだと思いました。2つしか論理記号を持たない、13個の入り組んだ関係代名詞を駆使する言語を駆使する存在。人間の論理可能なレベルを超えた存在として、「神」を定義づけることによって、テクノロジーがいくら進歩しても到達不可能な存在としての神の姿が読む人に時代を問わず強い印象を残すのではないでしょうか。

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