オニキス (ハヤカワ文庫 JA シ 8-1)
過去を書き換える物質マナをめぐって、記憶保持装置のモニターとなった男が、変わり続ける現実と向き合う。時間改変と記憶の揺らぎを軸にした短編集。
作品情報
過去を書き換える世界で、記憶だけが手がかりになる。
第1回ハヤカワSFコンテスト最終候補作を表題作にした短編集。マナという物質によって過去が書き換えられる世界を観察するため、由良芳雄は記憶保持装置のモニターとなる。表題作のほか、奇妙な異世界や進化の幻視を描く複数の作品を収めた、時間SFの短編集としてまとまっている。
書籍情報
- 出版社
- 早川書房
- 発売日
- 2014-02-07
- ページ数
- 318ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784150311483
- ISBN-10
- 415031148X
- 価格
- 149 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/SF・ホラー・ファンタジー
マナという物質により過去が書き換えられる世界を観察するため、由良芳雄は記憶保持装置のモニターとなるが―― 改変される現実と思いもよらぬ結末を描く、第1回ハヤカワSFコンテスト最終候補の表題作、 自室の混沌と秩序を反映したミニチュア異世界が重ね合わされた男の日常「神の創造」、 他人には見えない類人猿の進化を幻視する男の困惑「猿が出る」など、 現代性と普遍性と奇想を兼ね備えた5篇収録のデビュー作品集
レビュー
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面白い作品揃いだった。
面白い作品揃いだった。特に「オニキス」は印象深い物語だった。 刻々と分岐していく世界。私達には感知できないそれらの世界はきっと存在している。 どの作品もそう感じさせてくれた。
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素晴らしい着想です。
表題作はじめ4本のSF短編と、1篇の旅行小説?で構成された著者初の短編集。それぞれ好みはあろうかと思いますが、特に表題作『オニキス』が持つ、P.K.・ディックを想起させる斬新な着想は、秀逸です。また、旅行小説『満月(フルムーン)』は、アジアへのバックパック旅行が好きな人なら、共感を持って楽しめると思います。作者の処女作ということもあり、説明的なセンテンスが多い点、よく読むと気になる表層的な形容詞の使い方、猿の進化や海水熱帯魚の種類の一部にみられる考証の甘さなど、小説技術的に気になる点もなくはないのですが、作者の表現のみずみずしさには好感が持て、楽しく読むことができました。今後が非常に楽しみです。
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これからの活躍にも期待しております
職場で話題になりましたので購入しました。 普段は本といえば参考書しか読みませんので、詳しい感想については控えます。 下永様のこれからの活躍にも期待しております。 令和5年度右斜め前より
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もう少し早くこの作品に出会っていたら良かった
正直なところ、期待なんかしていなかった。 しかし、読んでみたら、ストーンと衝撃が走った。 なんだ、この自由な感じ。 数多くあったはずの代替世界を、無意識的に無視して継続されがちな現存世界において、下永聖高の作品には、代替世界の存在をしっかりと浮き彫りにしつつも、結果として時間と空間という二つの要素が、劇的な出会いによって実を結んだ、この現存世界を、ひたすらに、一所懸命生きていこうとする、いわば、代替世界を意識しながら、現存世界とポジティブに付き合っていく為の、完璧なレシピが詰め込まれている。 もうすこし、早く、この作品に出会っておきたかった。 彼の第二作品に期待するばかり。 ほんとに凄いと思う。
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知識、考察が決定的に不足している
アイデアには多少面白いものもあったが、医学、生物、言語、歴史等に関しての知識、考察が決定的に不足しており話のリアリティを殺いでいる。適当に調べて出てきた事柄を大して理解もせずに、作中に使用しているのだろうと感じた。なぜ自分のよく知らない題材を取り上げてしまったのだろうか?話のオチも陳腐でがっかりさせられるものが多く、せっかくのアイデアが昇華するということが無い。 辛辣で申し訳ないが、このレベルの作品がSFコンテストのいい所まで残ったということが意外であり、残念に思う。
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ぜひ次も読みたい
『第1回ハヤカワSFコンテスト』で最終候補作となった表題作を含む全五篇の作品集です. その表題作は一篇目.何気ない通勤風景からの始まりにスッと中へと入り込める印象で, ちょっと詰め込みすぎに思える部分もありましたが,それも三編目あたりからは落ち着き, デビュー作にありがちな粗なども目立たず,最後までスムーズに読み進めることができます. また,二つの篇で共通の設定を用いるも,くどさのないほどほほどの繋がりが却ってよく, 旅を描く最後の篇では物語の終わりをも漂わせ,感傷的な空気が心地のよい余韻を残します. どの篇も粒ぞろいで楽しく,ぜひ二作目も読みたいと期待をさせられる作品と作家さんです.
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最初は立ち読みのつもりが・・・
最初は図書館で立ち読みのつもりが、おもしろくて、ついつい購入となりました。表題作が、見たことのない世界観で、とてもおもしろかったです。何気ない日常の描写から、さりげなくSF的世界へ導かれていき、最後まで一気に読みました。この作者は追っていきたいなあ、と思います。
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表題の「オニキス」がありきたりで……
「こんな世界を作ってみた」みたいな感じがぷんぷんするだけで、物語としての楽しさが少しもなかったです。 まるでyoutubeに掲載される「歌ってみた」系と同じというか、オリジナリティというよりも、 器用に真似して見せたような書き方と、矛盾を多くはらんだ物語にはSFの可能性も感じられずにガッカリしました。 頭の中の論理ばかりで血が通ってません。 理系大学生が講義中に妄想するような話の域を出ていない。 これならもう少しページ数を増やして、マンガ原作にした方が質が上がるのではないでしょうか。
関連する文学賞
- ハヤカワSFコンテスト 第1回(2013年) ・最終候補