作品情報
伊藤計劃の『ハーモニー』は、受賞歴と刊行形態を手がかりに読まれる作品である。
伊藤計劃による『ハーモニー』について、単独の単行本・文庫・短編集として確認できる資料を優先し、掲載誌や雑誌号の識別子は除外した。受賞作そのものを対象に、刊行状況と書籍としての同定可能性を中心にまとめている。
書籍情報
- 出版社
- 早川書房
- 発売日
- 2014-08-08
- ページ数
- 400ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 10.8 x 1.7 x 15.8 cm
- ISBN-13
- 9784150311667
- ISBN-10
- 4150311668
- 価格
- 1045 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品
21世紀後半、〈大災禍(ザ・メイルストロム)〉と呼ばれる世界的な混乱を経て、 人類は大規模な福祉厚生社会を築きあげていた。 医療分子の発達で病気がほぼ放逐され、 見せかけの優しさや倫理が横溢する“ユートピア"。 そんな社会に倦んだ3人の少女は餓死することを選択した―― それから13年。死ねなかった少女・霧慧トァンは、世界を襲う大混乱の陰に、 ただひとり死んだはすの少女の影を見る―― 『虐殺器官』の著者が描く、ユートピアの臨界点。
伊藤計劃 1974年10月東京都生まれ。武蔵野美術大学卒。2007年、『虐殺器官』で作家デビュー。同書は「ベストSF2007」「ゼロ年代ベストSF」第1位に輝いた。2008年、人気ゲームのノベライズ『メタルギアソリッドガンズオブザパトリオット』に続き、オリジナル長篇第2作となる『ハーモニー』を刊行。第30回日本SF大賞のほか、「ベストSF2009」第1位、第40回星雲賞日本長編部門を受賞。2009年3月没。享年34。2011年、英訳版『ハーモニー』でフィリップ・K・ディック賞特別賞を受賞した。
レビュー
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超面白い
SFでもあるけどそれ以上に青春小説。百合と言い張る者も居よう。
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<title>生政治からの逃走、或いは、進化論的帰結</title>
虐殺器官を読了後に本書を読みました。非常に面白かったのでレビューします。 ①文体についての感想。 <recollection:protocol> まず、形式が面白い。 本文は、etml(html言語に近い創作された記号)によって、感情などのメタデータを日本語に与える形式で記述されている。それが、読者に与える影響と小説全体を成立させるための「動機」を、計算した上で用いられている点に妙味がある。 つまり、それらは、単なる修辞学的な意味で使用されているのではなく、多重な意味を込められた一つのprotocolとして機能している点に注目されたい。 また、一般的な意味での文体については、明晰さとレトリックが上手く中和しており、リーダブルであるため、読者を選ばないように調整されているように感じる。 英語訳でも出版されているようなので、頑張って読んでみようかと考えている。日本語との相違を知りたくなる。それぐらい、興味深い。 </recollection> ➁予め知っておくとより楽しめそうな知識について列挙。 ※都度、wikiで調べるのもありだが、予め仕込んでおくと間断なく読める。 <list:refference> <ref:伊藤計劃氏著の「虐殺器官」。文章の所々に「虐殺器官」のスパイスを感じる。> <ref:古典的なsf小説についての知識。1984年、すばらしき新世界など。> <ref:有名なアート作品についての知識。chim↑pom、マーク・ロスコなどの現代アートが多い印象。> <ref:生物学の基本的な知識。進化論や細胞生物学など。また、脳科学や認知科学なども多少しっていると 楽しめそう。> <ref:ポスト構造主義などの現代思想。フーコーなど思想の概要を知っているだけでも良いと思う。> </list> ➂読後感。 ※以下、多少のネタバレあり。 <consideration> 虐殺器官でも感じたが、伊藤計劃氏の基本思想は、「物質としての生物の進化」を究極に突き詰めた先にあるように思われる。本書の巻末で読めるレビューにも記載されているが(どうやらこのレビューは電子版では読めないらしい。ミァハのように紙で読もう。)、これら二冊の小説は、論理的に科学的に帰結されることを突き詰めた先端部分で書かれているようで、しかもそれは「それ以上でもそれ以下でもない」事実として受け止めるような冷静な意識の元で書かれているように思えます。 例えば、それぞれの小説のテーマである、言語や意識は、生物進化の帰結として、たまたま生じた形質と認識されている点が共通している。自然淘汰によってもたらされた人間の形質に、現代テクノロジーによって環境改変された地球を与えるとどうなるかという思考実験としての物語。 物語は、ある種の悲劇性をもって受け止められがちだが(普通に読めばディストピア小説にカテゴライズされるだろう小説)、本当は何らの意味性も与えられていないただの「記録」としても読めるように設計されている。実験の結果の記述なのだから当然だが、少しメタ的に想像しないとその見方はできないかもしれない。etmlを使用して、感情をむりやり惹起することが意図されていたりする設定などがその手掛かりになろう。 また、本書においては特に生政治としてのディストピア要素が強く意識されているように思える。 我々は法律がなくても他人にマスクを強要したように、健康でいることを強要する。しかもそのやり方が、どこまでも科学的、物質的であるところが余計にディストピア感を増幅させる。ご存じのように、現代社会は、既にお互いのメタデータをネットを介して調べることに慣れている。人事部が人材をSNSでフィルタリングすることが当たり前だし、友達の位置情報を共有することで安心するコミュニティも存在する。 小説との違いは、プライバシーの定義や常時アクセス可能かどうかなどの様式の相違にすぎない。 こういった要素が現代の我々にデジャヴを惹起させるが故に、他人事とは思えない物語として受け止められやすいのではないかと愚考する。 いずれにせよ、ただの物語として消費させまいという意志が働いており、その思惑が上手く読者に作用しているからこそ、「ハーモニー」は名作として認知されているのだろうと思う。現代社会の論理的帰結としての物語だからこそ、現代人のこころを揺さぶらずにはいられない。 </consideration>
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良かった
SFが好きな人は、好きになれる本です。
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良い
良い状態でした。
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A very happy online shopping
A gift for my son and he is happy with it. I am satisfied with this online shopping.
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現代のディストピア
現代の技術や価値観を延長した様な、人によっては楽園とも地獄とも取れる世界観の描写が特長。1984年などの一昔のディストピア小説とは異なったまた別の息苦しさが堪らなかった。
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娘から〜
高2娘が作家さんのとってもオシでして購入代行しました。
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よい
SFが好きな人、興味がある人にはおススメです。 読みやすいのであっと言う間に読めます。
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