日本の文学賞

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文政十一年のスパイ合戦: 検証・謎のシーボルト事件

日本推理作家協会賞

文政十一年のスパイ合戦: 検証・謎のシーボルト事件

秦新二

『文政十一年のスパイ合戦』は、秦新二による文芸春秋から刊行された作品で、日本推理作家協会賞で評価された。題名が示す対象を軸に、著者の関心と時代背景を読ませる一作である。

受賞作日本推理作家協会日本文学

作品情報

『文政十一年のスパイ合戦』は、日本推理作家協会賞で選ばれた秦新二の作品である。

『文政十一年のスパイ合戦』は、秦新二の仕事の中で日本推理作家協会賞の対象となった作品である。1992年に文芸春秋から刊行された一冊として、作品名に掲げられた主題を中心に、人物、社会、歴史、記憶などを読み解く内容を持つ。

書籍情報

出版社
文藝春秋
発売日
1992-04-01
ページ数
318ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784163462707
ISBN-10
4163462708
価格
2369 JPY
カテゴリ
本/ノンフィクション/歴史・地理・旅行記/歴史/日本史/近代以前

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レビュー

  • これは、スゴい!

    資料を丹念に当たって 事実関係を調べていくと、 こんなに物事が見えてくるなんて…! 作者は、 きっと面白くてたまらなかったでしょう。 現行の翻訳を定説としてしまわずに、 原本を直接当たるというシンプルさが 如何に重要かと改めて思い知らされました。 こういう事が教科書に反映されれば面白いですが…。 教科書は、 当時の建前を未だに史実として教えているわけで、 それでは歴史の勉強が丸覚えになってしまうのもわかります。 久しぶりに イキイキとした人物の息吹を感じたし、 現代に繋がる本当に生きた、 参考になる、と思える内容でした。 昔の人はわからないのではなくて、 やっぱり、とても納得できたし、 いつも人は面白いと思いました。 現代の社会派ドラマを見ているように、 スリリングです。 そして、これが歴史上の出来事なんて。 日本人も結構やるな、と感想を持ちました。

  • 何で最後の最後で謀略史観に

    来日から江戸参府、スパイ疑獄、そして追放処分まで、日本におけるシーボルトの足取りを克明にたどったノンフィクションであります。 ……と、ここまでの検証だけなら立派なシーボルト研究入門書でした。 ところが、問題なのは事件の「奥」。 何で最後の最後で謀略史観になっちゃうんですか。 いえ、スパイ疑獄なんだから、何らかの謀略があるのは分かります。 けれども、ここで開陳される結論にはずいぶんな飛躍があるのではないでしょうか。シーボルト事件がすっかり説明できるようにはとても思えません。 通説通り、スパイ行為が問題になったという解釈の方がすんなり納得できてしまえるようではいけません。安易な謎解きは墓穴のもと。ああ、地道な検証に徹していてくれたなら。

  • 最高機密

    今も昔も、つまりは人間が事件を起こすのだと言うことだ。最後に鍵を握るのは人間でしかないのだ。国家の最高機密である地図でさえ、個人的な考えで持ち出されるのだ。 防衛なんてモノも、所詮はそれを扱う人間の質に尽きるのだ。シーボルトがもう一度来日できたことからしても、やはりのど元過ぎれば熱さは忘れられるのだろう。

  • バカにはこの本の価値が解らない。ほんとにもったいない!!

    新品を五円とは御縁のしゃれ? 開く途中で、未読の品(売れ残り放出品?新品か?)であることに気付きました。文春文庫本?とどちらにするか迷ったが、オリジナルと見なし購入。著者もまじめのようで、一安心。実史料から掘り起こした文言には力がある。 事実のみ知りたいのでそこら近所の、単なる法螺吹きの作文屋、作家先生を避けていたので、好都合でした。既存リビューの中には書きっぷりが面白くないのでつまらないと不平をいう向きもあるが、(中身を最後まで見なくとも)これは逸品と言えます。2/3ほど通読し、「逸品」の判定は的外れで無いことを知る。業者も数年前詐欺に遭った、USAのAMAZON出品者と違い日本のは安心です。尤も馴れぬ横文字でガンガンクレームし、米AMAZONにRefundさせたが、後日、カード情報悪用の被害をカード会社の監視報告で知る。余分なことだが、皆さん注意を!

  • シーボルト研究に絶好の書

    本書は、タイトルに似合わず、シーボルト事件の真相を検証した、一級の研究書である。 巻末の参考文献も多く、しかも筆者がオランダ語にも精通していることは、現地(オランダ、インドネシア) における文献探索において、きわめて有利であり、それだけ新しい歴史的事実の発見に 功を奏しているように思われる。

  • トンデモ本です

    刊行当時、専門家から芳賀徹先生に電話があって、トンデモ本だからサントリー学芸賞とかやらないように、と言ったというが、推理作家協会賞をとってしまった。シーボルト事件をネタに推理小説を書いた、というならいいが、史実として書いてしまったらトンデモ本たるを免れない著作である。

  • 幕末情勢と幕府の奥がわかる研究書

    一見、創作小説のような題名に期待していなかったが、完全に白旗状態。事実は小説よりも奇なり、と言うが、その最たる例だろう。 巻末に資料一覧があるし、本文にも逐一引用元を示しているが、実際に調べた量はこれらの百倍以上と推定される。それらを時間の流れとともに人の関係を結びつけながら、言語と地域の壁を越えて繋ぎ合せられる人は著者をおいて前にも後にもいないだろう。淡々と書いているところが猶のことその背景となる調査量の凄さを伺わせる。 当時の資料を日本のも含めて全て現代語訳が付されている。丁寧な仕事ぶりである。 シーボルト事件そのものには全く興味がなかった(今も事象としては興味なし)。知っていることと言えば、高校の日本史の授業で教わる程度のもの。千島や樺太は基本的に日本の領土だと思っているので、そこを探検した間宮林蔵やその師匠の1人最上徳内を調べてきた過程で読んでみることにした。 これがとんでもない。 一般には林蔵の隠密の話などが話題になるぐらいまでで終わりになってしまうが、実はもっと奥があることが本書ではっきりする。しかも、いい加減な仮説や推測ではなく、ありとあらゆる関連文献を調べ尽くして証拠立てている。また、読みながら当時の幕府の統制の仕組みや状態も理解できる。 では、本書が示したその「奥」とは何か。シーボルトとは何者か。それは、ぜひ自分の目で読んで確かめて頂きたい。他人のレビューで知ってからなんておこがましいことはせずに、これだけは著者のこの努力に敬意を表して自分からアプローチしてほしい。(地図写真を考慮すると文庫より単行本の方がよい) 本書はいろいろな資料をもとに言わば歴史解説書の類の体裁なのだが、読んでいくとそれぞれの発言が生の声で語ってるような推理小説のごとくに展開していて、非常に読みやすい。このような資料研究書のような本を万人受けするようにできる著者の文才にも驚く。 自分としては高橋作左衛門、最上徳内、間宮林蔵の微妙な関係が第三者的視点からいろいろ記述されており、大いに興味を引いた。ただ、時代的には伊能忠敬も記述対象になっていてもおかしくないのに、地図作成者として出てくるだけで一切語られていないのだけはちょっと不思議に思えた。 本書はどういう人に向いているのか。史実をいろいろ確認したい人には絶対読まなければならない文献だろう。これ以前には著者も触れているように呉秀三の作品が定説的文献とされているが、本書はそれにも疑いをかけ、遥かに凌ぐかたちで新史実を挙げている。また、歴史小説や推理物が好きな人にも向いている。歴史の教師も読むべきだろう。冗談ではなく、本書によって教科書で得た幕末の歴史観が大きく変わる。読んで損は絶対にない。しかも、これは創作ではなく歴史上にあった出来事なのだ。 はたして、本書に基づき歴史教科書を書き換えるとしたら、どう記述されるべきなのだろうか。。。

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