作品情報
新田次郎文学賞で注目された、山崎光夫の個性がうかがえる作品。
『藪の中の家 芥川自死の謎を解く』は、新田次郎文学賞の受賞作として知られる作品である。ノンフィクション文学、自然文学の領域で読まれ、題名が示す世界や問題意識を通じて、作者の表現の特徴に触れられる。
書籍情報
- 出版社
- 文藝春秋
- 発売日
- 1997-06-01
- ページ数
- 261ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784163530208
- ISBN-10
- 4163530207
- 価格
- 2361 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論
胃腸病、神経衰弱、不眠症、痔など業病に悩まされた文豪最晩年の生と死の実相を、主治医・下島勲の日記など医学的側面から照射する
レビュー
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文学
とても興味深く、読み進めることが出来ました。
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ファン必読の書
一般に、人格形成は、その人の生い立ち、家庭環境によるところが大きいとされています。芥川竜之介は、複雑な家庭環境の中で育ち、その影響を多大に受けたものと思われます。芥川さんのファンで、彼について少しでもより多くのことを知りたいと思われている方々にとって必読の書と言えます。私は、芥川さんは、優秀なるがゆえに孤独だったのかなと思っていましたが、文士のみならず、文化人の友人も多く、医者との交流も盛んでした。更には女性との交際も盛んで、友人が多かったようです。本書のメインテーマは、自死の謎を解くことで、推理小説の様に、核心に向かって読者を引きずり込む力を持っています。私の個人的な推測ですが、芥川さんは、その生涯を通じて「死の恐怖」と闘っていたのではないかと思います。一時、キリスト教に救いを求めたようですが、宗派の違う親族に反対されて叶いませんでした。
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あっけない
芥川龍之介は「ヴェロナール、ジャール」といった睡眠薬で自殺したとされていた。しかし、睡眠薬中毒だった芥川が、致死量の睡眠薬を入手しえたのか。芥川に興味のある人は一読の価値はあろう。ただ、芥川の主治医の日記を入手して精読するわりに、そこには真相は書いていない。既に刊行されている宇野浩二と小島政二郎の本で、「青酸カリで自殺」という記述を見つけるだけである。単にこれまで国文学者が怠慢だっただけではないのか? という気もする・・・。
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一読の価値あり♪
1927年(昭和2年)7月24日、芥川龍之介自殺!!当時は致死量の睡眠薬に よるものと言われていた。だが、主治医の日記の中に驚くべき真相が隠されていた。 著者がたどりついた結論とは?新田次郎文学賞受賞作品。 「致死量の睡眠薬を芥川龍之介はどこから入手したのか?」 素朴な疑問が、さらにさまざまな疑問を呼び起こす。芥川の死因は当時新聞に書かれて いた通りなのか?著者は未発表の主治医の日記を丹念に読み、やがて真相にたどり着く。 それにしても、芥川が自ら命を絶つまでになしたこと、その用意周到さには驚かされた。 準備を進めていく彼の胸中にあったものはいったい何だったのだろう。もはや死ぬことで しか癒すことのできない精神状態とは?今まで知らなかった芥川龍之介の一面が見えて くる。もし、著者が主治医の日記を発見しなかったら、真相はいまだ闇の中だっただろう。 その執念には頭が下がる。芥川という一人の人間を知る上でも貴重な作品だと思う。 一読の価値あり♪
関連する文学賞
- 新田次郎文学賞 第17回(1998年) ・受賞