作品情報
2013年の受賞作として記録される『沈黙のひと』の書誌と作品概要。
『沈黙のひと』について、受賞一覧の記録、国立国会図書館などの書誌検索、および公開されている書籍データを突き合わせて整理した作品情報です。単行本または収録書籍の識別子が確認できた場合のみ bookIdentifiers に反映し、雑誌掲載情報だけで確認された識別子は採用していません。
書籍情報
- 出版社
- 文藝春秋
- 発売日
- 2012-11-28
- ページ数
- 373ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784163758404
- ISBN-10
- 4163758402
- 価格
- 1940 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論
幼い頃に家を出て、新しい家族を持った父は晩年パーキンソン病を患い、最期は口を利くこともできずに亡くなった。遺された手紙や短歌から見えてくる、後妻家族との相剋、秘めたる恋、娘である「私」への想い。父の赤裸々な「生」を振り返ることで、生きる意味、死ぬ意味、そして、家族という形のありようが見え、物語世界に光が差し込んでくる――。 恋愛小説を中心に、濃密な心理描写で知られる作者の新境地ともいえる本作中に引かれた短歌は、亡くなられた作者の実父が実際に詠んだもの。作者の「何か不思議な力が書かせた作品で、私にとっての生涯の勝負作です」との言葉の通り、心の奥底を静かに、深く揺さぶる傑作です。
レビュー
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家族とは
老いていく父、その夫、娘たちのそれぞれの人生のなかで、言葉にできなかった思いとともに自ら家族とは何かを見つめ、問いかける佳作である。
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小池真理子の作品を気にっていっている。
小池真理子の作家としての資質を評価している。勿論、各作品によってニユアンスは異なるのは当然だが作風の良さは充分満足させてくれる。
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親孝行はできるうちにしておこうと思いました
壮絶な内容でした。小池真理子さんのお父さんをモデルにしていますが、まさにお父さんに捧げる一冊ですね。 親孝行はできるうちにしておこうと思いました。
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人が本能のままに生きるということについて
妻を捨て、他の女性に走った一人の男の悲惨な終末に姿を描いた小説である。 父親は、便臭と尿臭の染みついた介護施設の一室で不治の病であるパーキンソン病によって、言葉さえも失い孤独のままに死んでいく。その背後には、父親の本能のままに生きた身勝手な人生があった。。。 いくつかの疑問が残った。 ①父親が走った二番目の女性とも正式に結婚して二人の娘をもうけたのであるが、これらの妻と娘たちに対する配慮が小説の中でなされていない。彼女らは、小説では徹頭徹尾、父親に誠実な配慮を示さない人々のように書かれているが、これはあまりにも一方的な姿勢であろう。本当にそうだったのだろうか?どのようなことであれ、「喧嘩両成敗」というのが人生の実相なのだ。このように書かれてしまった方たちが実在であれば、これはあまりにもひどい仕打ちである。このように書く一方で、筆者と最初の妻は慎ましくもきれいな生き方をしてきたということを対比的に描かれる。これはいかがなものか。父親がなぜ二番目の女性に走ったのか、そのあたりが全く書かれていないのも、明らかに片手落ちであろう。 ②「沈黙の人」というタイトルは、これでよかったのだろうか。父親は沈黙はしていない、最後の最後まで文字盤などを使って回りの人々と交流している。沈黙ということが、戦争にまつわる諸事に関する沈黙ということであれば、この点をもう少し書けば、この小説はもう少し重層的なものとなったであろう。しかし、この小説は私小説の域にあるものであり、もし、そこまで望むのであれば、大河小説の構えが必要となってくるのであろう。 ③父親が残したものの中に、「性具」があった。。。というのが、この小説の最初の「つかみ」である。しかし、このことに関して後に触れられることはない。この部分を深化させることは死にゆく父親、死んでいった父親へのオマージュとはならないという筆者の思いが働いたのであろうか。しかし、この「性具」が宙に浮いたままになってしまったために、小説から人生の実相という部分が抜け落ちてしまった。残念である。人には秘事がある、すべての人がそれを持ったまま灰になる。しかし、その秘事を避けたところに、この小説の限界があるのではないか。 ④さまざまの方法で自己正当化する、そこにおいて人間は利他ということを捨て去る。これが煩悩ということの意味ではないのか。上記の①で述べたことと関連することである。美男美女の両親、父親は帝大を出ている、そして筆者は作家たちを相手にする編集者である、これが何度も繰り返して書かれる。(編集者というものが持つと筆者が考えている程度のステイタスと一般人が思っているステイタスの印象には相当な開きがあると思う。私は、これを知らなかったので、この点にも違和感を持たざるを得なかった)。そして、二番目の妻とその娘たちは、父親を避けようとして介護施設にお見舞いにも来ない、しかし筆者はフリージアの花をもって、お見舞いに訪れるという姿が実にあけすけなほど対比的に描かれる。しかし、実際は父親を捨てながら生きてきた過去が筆者にもある。同罪であろう。筆者が好む「共犯性」という語、これはここでこそ使うべき言葉ではなかったのか。 ⑤筆者は、自分が酷薄な人間であると小説の中で吐露している。酷薄に生きる、つまり、めんどうなことは捨て去って楽な方、楽な方へと生きるほど楽なことはないのだ。しかし、多くの人々はそれを正面から受け止めて苦悩する。筆者が吐露している酷薄さ、それは、妻を捨て娘(著者)も捨て、他所にも少なくない数の女性を作りながら悲惨な一生を終えた父親の酷薄さと、みごとに通底している。 ⑥短歌が何度も引用される、しかし、それはこの小説の持つ深刻な事態とは全く無関係の副次的ことであり、人生の本当の姿を書くことにおいて夾雑物でしかなかった。小説が作り物であるという意味において、短歌もまたそうであり、その部分でまた通底してしまうのである。 ⑦筆者の色彩感覚と情景を記憶しておいて文章化する筆力には秀でたものがあると感じた。しかし、これも副次的なものではあるが。。。
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グッド
書き込みもないいい状態
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ファザコン娘のレクイエム
離婚した実父を看取った娘の物語。 虚実ないまぜの話と聞き、作家自身は否定してるが、 父を略奪し再婚した妻、腹違いの妹二人も実在したと思う。 父親はきっといい男で、女性にもてたのでしょう。筆まめな所もそれを思わせる。 本能のままに生きて、ヒロインと母親を捨ててしまった父親を 恨むより心の奥底では思慕していたのを、晩年父親が難病にかかり看病する際思い知る。 その時は、再婚した妻にもゴミのように見捨てられ、見る影もない惨めな父親の姿に 心痛める。 一番印象深かったのは、かっての妻が認知症になり、施設に入ったと聞かされた父親が、 手足の自由も聞かぬ自身の罪深さを悔いて滂沱の涙を流す場面。 まあ、自業自得で書と思うが、恋愛体質で不倫に走る人のなれの果ては 自分に返ってくると言う事だ。因果応報恐るべしだ。 余計な御世話だが、知人の行く末を想像した。
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作家の代表作の一つ
死を前にした男性の妻と二人の娘、そして先妻の娘とのやりとりを先妻の娘を通して語られる心理描写が 凄い。先の長くない高齢者にとって大変参考になる。
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作者がすきのなら
この方が書く小説、好き。人間の本当の心の中などを分かりやすく書いてある。
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