日本の文学賞

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月下上海

松本清張賞

月下上海

山口恵以子

戦時下の上海を舞台に、財閥令嬢が人気画家としてのし上がる物語。

上海戦時下女性像歴史小説

作品情報

華やかな上海で、スキャンダルと謀略が一人の女性を押し上げる。

第20回松本清張賞受賞作。戦時下の上海で、財閥令嬢が画家として生き抜く姿を描く。

書籍情報

出版社
文藝春秋
発売日
2013-06-24
ページ数
270ページ
言語
日本語
サイズ
19.1 x 13.4 x 1.8 cm
ISBN-13
9784163823508
ISBN-10
4163823506
価格
1300 JPY
カテゴリ
本/文学・評論

第二十回松本清張賞受賞。スキャンダルを逆手にとり人気画家にのしあがった財閥令嬢・八島多江子。謀略渦巻く戦時下の上海で、多江子が愛する運命の男たち。 昭和17年10月、八島財閥令嬢にして当代の人気画家・八島多江子は、戦時統制化の日本を離れ、上海にやってきた。そこで、招聘元である中日文化協会に潜入していた憲兵大尉・槙庸平から、民族資本家・夏方震に接近し、重慶に逃れた蒋介石政権と通じている証拠を探すように強要される。「協力を断れば、8年前の事件の真相をマスコミに公表する」8年前、多江子が夫・瑠偉とその愛人によって殺されかける有名な事件が起きた。愛人は取り調べ中に自殺し、瑠偉は証拠不十分で釈放されたものの、親元の伯爵家から除籍され、満州へ追われた。そして奇跡的に一命を取り留めた多江子は、スキャンダルを武器に人気画家へのし上がった。だが、その真相は、愛人と外地へ駆け落ちしようとした瑠偉を許せなかった多江子が、他殺に見せかけて自殺を図ったのだった。槙は何故か、その秘密を嗅ぎつけていた。不本意ながらも夏方震に近づいた多江子は、その人間的な大きさに惹かれて行く。夏もまた、首と心に大きな傷を持った多江子の強さと孤独に惹かれ、心から愛するようになる。やがて夏の求愛に心を開いた多江子は、槙にきっぱりと任務を断り、夏の胸に飛び込み、共に生きる決心をする。だが、多江子の何気なく漏らしたひと言からヒントを得た槙は、工作員を捕え、夏をスパイ容疑で逮捕してしまう。多江子は槙の利己主義につけ込み、莫大な謝礼と引き替えに、夏を憲兵隊本部から連れ出す取引をする。そして夏を実家の八島海運の貨物船で密航させ、上海から逃がす。だが、成功に油断した多江子は槙に犯されてしまう。槙の真の狙いが八島海運にあると察した多江子は、命懸けの対決を余儀なくされる。そして……。

レビュー

  • しっかりドラマ

    巣ごもりのための初読み作家さんのお一方。 お名前だけは知っていましたが読む機会がなかったので、デビュー作を読んでみた。 主人公の素敵な女流画家の内面が見えてくると、俄然面白くなる。 舞台背景もあいまって、濃厚なドラマを見ているような感じ。 ドロドロネトネトしたものを読みたい時にはおすすめかも。上質なドロドロネトネトです。

  • 山口 恵以子著 月下上海 (読後感想)

    病院の診察の待合で時間がかかることが分かっていたので 先日届いた 山口 恵以子著 月下上海 を持って行った ところ 面白くて一気に読み上げました。 一気に読み上げるだけのワクワク感があり、テンポが速くて非常に面白い。ただ、難を言えば結末に一発大逆転みたいなところがなく綺麗にまとまり過ぎて余韻が残りません。伏線に男女間のもつれも出てくるのですがこのあたりも 今一つ 人物描写にリアリティさを欠くかなあ。 まあ、才色兼備で財閥のお嬢さんで絵の才能があるという主人公の多江子さん自体がリアリティに欠けた出木杉くんだから? でも かっこいいよ~ 多江子さん。

  • 著者の魅力が作品に表れていました。

    テレビに出ていた著者のトークが、おもしろかったので 作品にも興味を持ち、購入しました。 クセのない文章で、登場人物の描写、上海の情景、 食事、色彩、香りなどを思い浮かべながら読み進めることができました。 主人公・多江子の、気丈さ、美しさ、弱さなどが 爽快で、ときに、もどかしく感じました。 愛と仕事とプライドを抱えて、異国で仕事をする女性…… 舞台は戦中ですが、現代の女性にも共通する思いがたくさんあると思います。 著者の魅力が、そのまま作品に表れているようでした。 前半は怒涛の展開で勢いがあったので、ラストを楽しみにしていたのですが 期待していたより、大きなドラマがなかったかなと思いました。 結末に大きな展開を入れることによって陳腐になる可能性もあるので これは、これで、リアルでよかったのかもしれませんが……。 あとひとつ、【内容紹介】ネタバレしすぎじゃないでしょうか? 読み進めて知りたかった驚きが結構、書かれてしまっていて……。

  • ほぼメロドラマ

    松本清張賞受賞作と知って読み始めた。そのせいでハードルが上がってしまったかも知れない。 「スキャンダルを利用してのし上がった人気女流画家」という自覚がある主人公が戦時下の上海でスパイとなる。と書くと使命感のある女性の活躍とサスペンスを期待してしまうが、主人公の言動は行き当たりばったり。都合良過ぎる展開に唖然。内容は男女の愛憎渦巻くメロドラマでした。 戦時下の上海という時代背景はオシャレなイメージに消費されているだけで時代の空気感はありません。映像化したら華やかでいいのかもしれませんが。 主人公に共感できるかできないかで、はまるか脱落するか決まってしまいます。

  • ミステリーのような展開

    吉永みち子さんとの双方向の対談番組で著者に興味を持ち、初めて手にした著作が本作でした。松本清張賞受賞と言うだけあり、ミステリーのような展開は酷暑を忘れて読みふけるのに最適!友人にもリコメンドして回しました。

  • 強い女性に完敗!

    戦時下の上海の様子がよく描かれていて、目に見えるようだった。 主人公の服装の描写が克明で、それも読者には面白いと思います。 物語性もあり、登場人物もはっきり性格が分かれていて 理解しやすい小説です。 ミステリー的要素を強く望む人には少々物足りないかもしれませんが、 一遍の小説として読むには充分です。 主人公のように強くたくましく生きられたら、とつい思ってしまいました。

  • 前半は面白い

    後半はあまり乗れなかった。タイトルはうまいとおもった。全体に、映像的な文章だった。

  • ドラマ化期待

    推しの女優さんで映像化してほしい

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