書籍情報
- 出版社
- 文藝春秋
- 発売日
- 2024-01-12
- ページ数
- 216ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 13.7 x 1.8 x 19.5 cm
- ISBN-13
- 9784163918129
- ISBN-10
- 4163918124
- 価格
- 1980 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品/日本文学
第170回芥川賞候補作。32歳のピアノ講師・田口琴音は、さいきん仕事も恋人との関係もうまく行っていない。そんな中、ひさびさに連絡をとった友人との再会から、事態は思わぬ方向へ転がっていくーー。静かな日常の中にひそむ「静かな崖っぷち」を描き、心ゆすぶる表題作。そして選考委員の絶賛を浴びた文學界新人賞受賞作「アキちゃん」を併録。 「すべての結果としてこの作品は、新人離れした堂々たる手腕を示すことになった」(川上未映子氏の選評より)
レビュー
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両義的な登場人物たち
ピアノ講師をしている主人公の女性のクリスマスの過ごし方を、おかしみと不穏さを織り交ぜて描いた作品。人生不如意。仕事も恋愛も友達付き合いも思うようにいかない彼女は、ひたむきに生きているようで、わざと人を傷つけるようなことを言ったりもする。主人公以外の登場人物たちにも、統合的・単一的な解釈を拒否するような言動が目立つ。たとえば、怒って主人公に電話をかけてきているはずなのに、いざ主人公が折り返しの電話を入れても出ず、何回目かに出たと思ったら、「さっきは温泉入ってたから出られなかった」とあっけらかんと言う友人。また別の友人は、主人公と久しぶりに会って、別れる直前までは控えめに接していたのに、主人公が辞去する段になって、ちょっとした兆候から「あなたは妊娠していると思う、私が付き添ってもいいから産婦人科へ行って検査しましょう」とかなり先走ったことを言う。ピアノを教えている子のお母さんも、一度は「この子は、発表会には出させません」と言っておきながら、ママ友の言葉に気持ちが揺らいで「今からでも、発表会にエントリーできますでしょうか」みたいに主人公に泣き付いてくる。みんな一体全体どうなってるの!?イブが明けたクリスマスの日、主人公は、とある街のカフェに。そこで展開されるドタバタは、不如意そのもの。どの登場人物も、この人についてもっと知りたいと思わせるような描き方がされていて、読み返すほどに味わい深さが増す作品。
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LGBT
「アキちゃん」の方だけ読みましたが面白かったです。確かに叙述トリックというか、性別に関するからくりみたいなところはあるけれど、それはこの小説の中で重要な部分ではなく、あくまでアキちゃんと私の絶妙な距離感、人間関係が小学生目線でとてもよく描かれているなと思いました。その時代の逃げたくても逃げられない関係性を思い出しました。 アキちゃんの性別に関する話があった途端「これはLGBTについての話なんだ」とカテゴライズするのも何か違うというか、LGBTを真正面から書いたというより、あくまで「アキちゃん」を描いた話だと思います。 18歳になった主人公が「アキちゃんが望む体で〜」というのも当事者達からしたら薄っぺらいのかもしれないけれど、 第三者の女の子の素直な感想だと思います。ただ「このアマ」のくだりはいらなかったかな。
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つまらない!
無料に騙されて間違えて購入してしまった 面白いかもって読んだけど、最後までつまらなかった!
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鬱々としてくるがゆえ
amazon商品紹介より以下、 第170回芥川賞候補作。 32歳のピアノ講師・田口琴音は、さいきん仕事も恋人との関係もうまく行っていない。 そんな中、ひさびさに連絡をとった友人との再会から、事態は思わぬ方向へ転がっていくーー。 静かな日常の中にひそむ「静かな崖っぷち」を描き、心ゆすぶる表題作。 そして選考委員の絶賛を浴びた文學界新人賞受賞作「アキちゃん」を併録。 「すべての結果としてこの作品は、新人離れした堂々たる手腕を示すことになった」(川上未映子氏の選評より) * 箇所箇所、狙いだったのかもしれない。会話文とか。 読んでいって何が言いたいんだろうか?と手探り状態だった途中までは。 そして最後に「はぁ…」と主人公と同じく疲れてしまって終わった。 芥川賞候補のこの話、純文学は難しさもあるが、何にせよ面白いかそうでないか。私は二度は読まないなー、好みだろうと思う。 何かあってもよかったかな、うーん。それで終わった。 併録の「アキちゃん」は文學界新人受賞作。 うん、他の方と同じく、こっちの方が自分にはいいかな。 嫌いな友達ってどう扱ったらいいんだろうな、悩ましい。 わかる感があった、でも陰気なのは楽しくないな。
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人間の本能を描いた作品なのかもしれない
表題作の「アイスネルワイゼン」は、差別的表現かもしれないが、女性の振る舞いの怖さを表現しているように感じた。本音と建前を越える本能的な行動のように思え、そこに人間の業を感じる。私には刺激が強すぎてクラクラした。著者が文學界新人賞を受賞した「アキちゃん」も収録。こちらは、途中からの違和感が最後にすっきりするわけではなく、こちらも救いがない作品だった。悪い意味ではない。記憶に残る作品だった。
関連する文学賞
- 文學界新人賞 第125回(2020年) ・受賞