文學界新人賞
ぶんがくかいしんじんしょう
文藝春秋が発行する文藝雑誌『文學界』の公募新人賞。
- 創設年
- 1955
- 主催
- 文藝春秋
- カテゴリー
- 純文学
- 選考方式
- 公募
- 受賞対象
- 新人
- 開催頻度
- 年1回
- 締切時期
- 9月頃
- 発表時期
- 5月頃
- 賞のステータス
- 活動中
説明
年に1度募集され、受賞作は『文學界』5月号に掲載される。受賞者には賞金50万円と記念品が与えられる。規定枚数が400字詰原稿用紙で70-150枚と、他の純文学系文芸誌が主催する新人文学賞と比べて短めであることが特徴である。
賞品
- 主賞品
- 賞金50万円と記念品
- 賞金
- 500,000円
- 記念品
関連の賞
- 群像新人文学賞
- 新潮新人賞
- すばる文学賞
- 文藝賞
- 太宰治賞
過去の受賞者
味噌製造会社の直売店に勤める主人公の瑠奈は、かつての職場で「ソリティアおじさん」と呼ばれていた元同僚・黒野田が着衣着火の火災で亡くなったという訃報を受ける。葬儀に参列したのち、忘れていたこと、確かめようのないことがとりとめなく浮かび上がり、主人公は変化してゆく。京都方言を交えた語り口で、日常のささやかな細部と死という大きなテーマを向き合わせた純文学短編。
昔職場にいた、黒野田さんが亡くなった。忘れていたこと、確かめようのないことがとりとめなく浮かんでくる。
夏の高校の教室を舞台に、女子高生たちの白熱した議論と、彼女たちを見守る女性教師の内面世界を交互に描いた短篇小説。高木が主宰する非公式の「女子会」では、「性加害の当事者にパイプカットは必要か」「佐藤蓮君の彼女にはだれがふさわしいか」といった議題が次々と繰り出される。教師はサクマドロップスを舐めながら生徒たちの言葉を聞き流し、過去の男子生徒や事件の記憶が妄想と地続きになって立ち上がってくる。清冽な教室の空気と、教師の意識が滲んでいく感覚が重なりあい、大人と子どもの認識のずれが浮かび上がる。
北舎三階、三年三組の教室からは黄土色のグラウンドがよく見える。
プロ総合格闘技の前座選手・水島龍介は、試合出場と並行して山間の精神障害者施設で生活支援員のアルバイトをする二重生活を送っている。リングの上での格闘と施設での身体拘束という二つの「暴力」を通じて、強者と弱者、暴力と親切の境界線を問う作品。
スポットライトが視界を真っ白に塗り潰す。マウントポジションで押さえ込まれた状態から逃れる手段は一つしかない——冒頭の試合シーンから、肉体的・精神的な圧迫感が詳細に描かれる。
商業高校で実習助手として働くマコトと、そこに通う2年生のルルナを中心とした物語。「女性らしさ・男性らしさ」の枠組みに悩む二人が、学校という場でそれぞれの生きづらさを抱えながら交わる。学校と生徒のあいだに立つ実習助手という立場から、理解と不理解の二項対立では示せない「正解のなさ」に切り込む。
「結局さ、LGBTのうちのどれ?」マコトが働く学校現場は、抗いがたい理不尽に満ちていた。
占い師として静かな日常を送る主人公のもとに、中学時代の友人・未希から突然連絡が入る。未希は配偶者の弟に性的暴行を受けて妊娠したと打ち明け、「伝説の堕胎師えじう」に処置してもらうことが中絶の条件だと告げる。主人公はトランプ占いを頼りに「えじう」を探して島へ渡り、奇妙な道行きを経て堕胎の現場へたどり着く。身体の所有権とは何か、選択とは誰のものかを問いながら、それぞれの「誰かのものではない」という在り方を浮かび上がらせる長篇デビュー作。
「誰のものとか、そういうことじゃないでしょ」――身体の所有と選択をめぐる、奇妙で切実な旅の物語。
社会人2年目のゲイの主人公とその大学生パートナーが、静かな日曜日を過ごそうとするなか、パートナーの同級生でアライ(LGBT支援者)の女性から繰り返し干渉される物語。19枚のパルプを並び替えた非時系列の構成によって、平穏な日曜日とアライ女性との約束がある日が交錯しながら語られる。
19枚のパルプを並び替えた非時系列の構成によって、平穏な日曜日とアライ女性との約束がある日が交錯しながら語られる。
青野暦の文學界新人賞受賞作。高校生4人の関係を軸に、サッカー、美術、詩といった表現の入口を行き来しながら、まだ輪郭の定まらない自意識と友情の揺れを描く。季節が春から初夏へ移る手触りと、若い感情の不確かさが重なり合う短編だ。
春の雨に濡れながら、誰もがまだ自分の輪郭をつかめない。
三輪克美による短編小説。1998年の文學界新人賞(第87回)に応募し、奥泉光・島田雅彦奨励賞を受賞した作品。同回の新人賞は受賞作なしとなったが、本作は奨励賞として評価された。文學界1998年12月号に掲載された。
昭和初期、カフェーの女給として働く人妻が、谷崎潤一郎を敬愛するサディストの帝大生と関係を持つ。虐げられながらも相手を愛し続ける女にとって、魂の救済とはいかなるものか。旧字旧仮名遣いで綴られた濃密な情痴の世界に、女の帰依と破滅を描いた第86回文學界新人賞受賞作。表題作に加え「カタカナ三十九字の遺書」を収録。
究極の情痴文学――旧字旧仮名遣いで書き下ろされた、昭和の閨房における女の帰依と魂の彷徨。
1998年の文學界新人賞(第86回)において奥泉光奨励賞を受賞した短編小説。主人公の若者が「ロッキィ」と呼ばれる独特の世界観と格闘しながら、自己のアイデンティティや現実との折り合いを問い直す純文学作品。受賞後、文學界1998年6月号に掲載された。
「ロッキィ ワールド」は、現実と幻想の境界線で揺れる若者の内面を、独特のリズムと語り口で描いた新鋭の短編。
文學界新人賞受賞作として記録される短編だが、Amazon JP、NDL OPAC、出版社公式の順で確認しても、単独書籍としての刊行は確認できなかった。現時点では掲載誌ベースの記録にとどまり、書誌識別子は付与しない。
掲載誌ベースでのみ確認できる初期作。
文学界新人賞受賞作を含む、清野栄一の初の長篇小説。レイヴのDJが過去をたどりながら地の果てを彷徨い、音楽の熱と漂流感が重なるスピリチュアルな旅路として読める。
レイヴのDJが、過去を抱えて地の果てをさまよう。
文學界新人賞佳作として知られる山田あかねの初期短編で、Amazon JP、NDL OPAC、出版社公式の順で確認しても単独書籍化は見当たらなかった。現時点では掲載誌ベースの記録にとどまり、書誌識別子は付与しない。
掲載誌ベースでのみ確認できる山田あかねの初期作。
文學界新人賞を受けた短編で、のちに短篇集『チェーホフの夜』に収録された。虚実の境目をたどるような会話と気配が印象に残る。
受賞作として発表され、のちに短篇集へ収められた一編。
1989年の文學界新人賞受賞作で、後に『地蔵記』へ収録された。受賞時の短編として記録され、のちの収録書で読む形が残る。
受賞作は後年の収録書で読み継がれている。
失語症の少女が、猫好きな隣人たちとの暮らしの中で少しずつ言葉を取り戻していく。やわらかな筆致で記憶と家族の断絶を描く。
猫たちに囲まれた日々のなかで、少女は言葉を少しずつ取り戻す。
1989年の候補作として記録されているが、単独書籍化は確認できなかった。作品情報は受賞記録と候補一覧を手がかりにする。
書籍化は確認できないため、受賞記録を中心に追う作品。
候補作のひとつとして扱われた短篇で、選評では「まだ小説の出発点にとどまっている」と評された。大きな展開よりも、書き始めの輪郭や手つきが見える段階の作品として読める。
まだ小説の出発点にとどまっている。
第65回文學界新人賞の佳作として『文學界』1987年12月号に掲載された短篇。単行本化は確認できず、まずは誌面掲載の作品として読むのが自然な一篇。
第65回文學界新人賞の佳作として掲載された短篇。
蔵王山麓に育つ少年の成長を、瑞々しく情感豊かな筆致で描く短編集の表題作。人の生の揺れや、不器用な愛にのたうつ人々の輪郭が、静かな山里の空気のなかで立ち上がる。
蔵王山麓に育つ少年の成長を瑞々しく情感溢れる筆で綴る。
第65回文學界新人賞の佳作として『文學界』1987年12月号に掲載された短篇。単行本化は確認できず、まずは誌面掲載の作品として読むのが自然な一篇。
第65回文學界新人賞の佳作として掲載された短篇。
父が女性と暮らす家へ続く川べりの道を、ひとり歩く少年を描いた最初期作品集の表題作。大人になる直前の老成や、帰るべき場所を持たない喪失感が、静かな筆致のなかで立ち上がる。
父が女性と暮らす家へ続く川べりの道を、ひとり歩く少年。
奄美の言葉をめぐる処理にやや揺れはあったものの、前半のカマスを拾う場面や海の描写が評価された少年ものの短篇。描写力の高さと、若い作者ならではの勢いが印象に残る。
前半のカマスを拾う部分が良い。
『文學界』1986年6月号に掲載された受賞作として確認できるが、Amazon JP、NDL、出版社公式の順で調べても単独書籍化は見つからなかった。
誌面掲載のまま確認できる作品。
"住宅" は 文學界新人賞 の発表作として確認できる初期作品。単独の書籍化や ISBN は確認できなかった。
文學界新人賞 の発表作として確認できる初期作品。
"犬のように死にましょう" は 文學界新人賞 の発表作として確認できる初期作品。単独の書籍化や ISBN は確認できなかった。
文學界新人賞 の発表作として確認できる初期作品。
死にゆく患者たちを前に医者として、人としてとるべき誠実な態度とは…。文学界新人賞を受賞した「破水」をはじめ、人間の生と死を日常的に受け止めざるを得ない若き医師たちの苦悩と現実を、濃密に描ききった短篇五篇をおさめた、記念碑的デビュー作品集。著者自身が当時を (提供元: サピエ図書館資料検索)
死にゆく患者たちを前に医者として、人としてとるべき誠実な態度とは…。文学界新人賞を受賞した「破水」をはじめ、人間の生と死
文學界新人賞の当選作として発表された短編で、狸という題名に重なる、ひょうひょうとした気配やたくましさを淡く描く。大きな事件よりも、人物の距離感や空気の変化が残る作品。
狸の気配のように、つかみきれない余韻が残る。