日本の文学賞

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文學界新人賞

ぶんがくかいしんじんしょう

文藝春秋が発行する文藝雑誌『文學界』の公募新人賞。

文芸新人賞
創設年
1955
主催
文藝春秋
カテゴリー
純文学
選考方式
公募
受賞対象
新人
開催頻度
年1回
締切時期
9月頃
発表時期
5月頃
賞のステータス
活動中

説明

年に1度募集され、受賞作は『文學界』5月号に掲載される。受賞者には賞金50万円と記念品が与えられる。規定枚数が400字詰原稿用紙で70-150枚と、他の純文学系文芸誌が主催する新人文学賞と比べて短めであることが特徴である。

賞品

主賞品
賞金50万円と記念品
賞金
500,000円
  • 記念品

関連の賞

  • 群像新人文学賞
  • 新潮新人賞
  • すばる文学賞
  • 文藝賞
  • 太宰治賞

過去の受賞者

村司侑 むらし ゆう 受賞
ソリティアおじさんがいた頃

味噌製造会社の直売店に勤める主人公の瑠奈は、かつての職場で「ソリティアおじさん」と呼ばれていた元同僚・黒野田が着衣着火の火災で亡くなったという訃報を受ける。葬儀に参列したのち、忘れていたこと、確かめようのないことがとりとめなく浮かび上がり、主人公は変化してゆく。京都方言を交えた語り口で、日常のささやかな細部と死という大きなテーマを向き合わせた純文学短編。

昔職場にいた、黒野田さんが亡くなった。忘れていたこと、確かめようのないことがとりとめなく浮かんでくる。

記憶と喪失死と日常職場の人間関係回想内省音の対比
沓乃よう くつの よう 佳作
ドロップ

夏の高校の教室を舞台に、女子高生たちの白熱した議論と、彼女たちを見守る女性教師の内面世界を交互に描いた短篇小説。高木が主宰する非公式の「女子会」では、「性加害の当事者にパイプカットは必要か」「佐藤蓮君の彼女にはだれがふさわしいか」といった議題が次々と繰り出される。教師はサクマドロップスを舐めながら生徒たちの言葉を聞き流し、過去の男子生徒や事件の記憶が妄想と地続きになって立ち上がってくる。清冽な教室の空気と、教師の意識が滲んでいく感覚が重なりあい、大人と子どもの認識のずれが浮かび上がる。

北舎三階、三年三組の教室からは黄土色のグラウンドがよく見える。

296ページ
記憶と妄想の地続き大人と子どもの認識のずれ学校という密室空間世代間のギャップ戦争・暴力の記憶
浅田優真 あさだ ゆうま 受賞
親切な殺人

プロ総合格闘技の前座選手・水島龍介は、試合出場と並行して山間の精神障害者施設で生活支援員のアルバイトをする二重生活を送っている。リングの上での格闘と施設での身体拘束という二つの「暴力」を通じて、強者と弱者、暴力と親切の境界線を問う作品。

スポットライトが視界を真っ白に塗り潰す。マウントポジションで押さえ込まれた状態から逃れる手段は一つしかない——冒頭の試合シーンから、肉体的・精神的な圧迫感が詳細に描かれる。

48ページ
暴力と親切の逆説格闘技と介護の二重世界身体性と権力関係強者と弱者の境界主体性の剥奪
しじまむらさき しじま むらさき 受賞
さそり座の火星

商業高校で実習助手として働くマコトと、そこに通う2年生のルルナを中心とした物語。「女性らしさ・男性らしさ」の枠組みに悩む二人が、学校という場でそれぞれの生きづらさを抱えながら交わる。学校と生徒のあいだに立つ実習助手という立場から、理解と不理解の二項対立では示せない「正解のなさ」に切り込む。

「結局さ、LGBTのうちのどれ?」マコトが働く学校現場は、抗いがたい理不尽に満ちていた。

性的マイノリティへの不理解学校・社会の理不尽アイデンティティと自己定義親の権威と子の自由大人と若者の信頼関係
旗原理沙子 はたはら りさこ 受賞
私は無人島

占い師として静かな日常を送る主人公のもとに、中学時代の友人・未希から突然連絡が入る。未希は配偶者の弟に性的暴行を受けて妊娠したと打ち明け、「伝説の堕胎師えじう」に処置してもらうことが中絶の条件だと告げる。主人公はトランプ占いを頼りに「えじう」を探して島へ渡り、奇妙な道行きを経て堕胎の現場へたどり着く。身体の所有権とは何か、選択とは誰のものかを問いながら、それぞれの「誰かのものではない」という在り方を浮かび上がらせる長篇デビュー作。

「誰のものとか、そういうことじゃないでしょ」――身体の所有と選択をめぐる、奇妙で切実な旅の物語。

424ページ
身体の所有権と自己決定性暴力と沈黙孤立と対人恐怖堕胎と選択の倫理民話・伝承と現実の交差
福海隆 ふくうみ りゅう 受賞
日曜日(付随する19枚のパルプ)

社会人2年目のゲイの主人公とその大学生パートナーが、静かな日曜日を過ごそうとするなか、パートナーの同級生でアライ(LGBT支援者)の女性から繰り返し干渉される物語。19枚のパルプを並び替えた非時系列の構成によって、平穏な日曜日とアライ女性との約束がある日が交錯しながら語られる。

19枚のパルプを並び替えた非時系列の構成によって、平穏な日曜日とアライ女性との約束がある日が交錯しながら語られる。

LGBT当事者と非当事者(アライ)の分断善意による干渉とプライバシーの侵害日常生活の細部に宿る愛おしさ非時系列の構成による時間と記憶の断片化
市川沙央 いちかわ さお 受賞

自らの身体と生を見つめ直しながら、切実な言葉で世界に立ち向かう芥川賞受賞作。

私の身体は、生きるために壊れてきた。

96ページ
身体障害自己表現文学芥川賞
年森瑛 としもり えい 受賞
N/A

高校生のまどかが、呼吸するように人に合わせてしまう言葉と身体の違和感に向き合う。

高校生のまどかが、呼吸するように人に合わせてしまう言葉と身体の違和感に向き合う。

120ページ
身体違和感現代性
青野暦 あおの れき 受賞
穀雨のころ

青野暦の文學界新人賞受賞作。高校生4人の関係を軸に、サッカー、美術、詩といった表現の入口を行き来しながら、まだ輪郭の定まらない自意識と友情の揺れを描く。季節が春から初夏へ移る手触りと、若い感情の不確かさが重なり合う短編だ。

春の雨に濡れながら、誰もがまだ自分の輪郭をつかめない。

32ページ
青春自意識友情芸術季節のうつろい
九段理江 くだん りえ 受賞

九段理江のデビュー作で、第126回文學界新人賞受賞作。単行本『Schoolgirl』に収録された一編として、母娘のずれた距離感と、音楽や言葉が人の内面を揺さぶる感覚を鋭く描く。自意識の高まりと息苦しさが同時に迫ってくる、緊張の濃い作品だ。

言葉のリズムが、母娘の距離を静かにえぐり出す。

176ページ
母娘音楽自意識反発孤独言葉
三木三奈 みき みな 受賞
216ページ
奥野紗世子 おくの さよこ 受賞
逃げ水は街の血潮
田村広済 たむら ひろさえ 受賞
レンファント
該当なし
沼田真佑 ぬまた まゆ 受賞
96ページ
砂川文次 すながわ ぶんじ 受賞
161ページ
渡辺勝也 わたなべ かつや 受賞
人生のアルバム
加藤秀行 かとう ひでゆき 受賞
181ページ
杉本裕孝 すぎもと ひろたか 受賞
ヴェジトピア
板垣真任 いたがき まこと 受賞
トレイス
小笠原瀧 おがさわら たき 佳作
夜の斧
森井良 もりい りょう 佳作
ミックスルーム
諸隈元 もろくま げん 受賞
熊の結婚
前田隆壱 まえだ たかいち 受賞
アフリカ鯰
守島邦明 もりしま くにあき 受賞
息子の逸楽
野上健 のがみ けん 奨励賞
走る夜
該当なし
守山忍 もりやま しのぶ 受賞
隙間
二瓶哲也 にへい てつや 受賞
最後のうるう年
小祝百々子 おいわい ももこ 受賞
こどもの指につつかれる
鈴木善徳 すずき よしのり 受賞
髪魚
馳平啓樹 ちへい ひろき 受賞
264ページ
水原涼 みずはら りょう 受賞
甘露
山内令南 やまうち れいなん 受賞
122ページ
吉井磨弥 よしい まや 受賞
ゴルディータは食べて、寝て、働くだけ
鶴川健吉 つるかわ けんきち 受賞
125ページ
穂田川洋山 ほたがわ ようざん 受賞
110ページ
奥田真理子 おくだ まりこ 受賞
ディヴィジョン
合原壮一朗 ごうはら そういちろう 特別賞
狭い庭
シリン・ネザマフィ しりん・ねざまふぃ 受賞
160ページ
上村渉 うえむら わたる 受賞
232ページ
松波太郎 まつなみ たろう 受賞
192ページ
北野道夫 きたの みちお 受賞
逃げ道
楊逸 よう いつ 受賞
146ページ
早川阿栗 はやかわ あぐり 奨励賞
東京キノコ
牧田真有子 まきた まゆこ 奨励賞
椅子
円城塔 えんじょう とう 受賞
153ページ
谷崎由依 たにざき ゆい 受賞
163ページ
田山朔美 たやま さくみ 受賞
190ページ
藤野可織 ふじの かおり 受賞
181ページ
木村紅美 きむら くみ 受賞
156ページ
澁谷禎之 しぶや よしゆき 奨励賞
バードメン
中山智幸 なかやま ともゆき 受賞
181ページ
桑井朋子 くわい ともこ 参考作
退行する日々
佐久吉忠夫 さくよし ただお 奨励賞
末黒野
赤染晶子 あかぞめ しょうこ 受賞
192ページ
寺坂小迪 奨励賞
155ページ
モブ・ノリオ もぶ のりお 受賞
106ページ
宮下奈都 みやした なつ 佳作
107ページ
由真直人 ゆま なおと 受賞
ハンゴンタン
絲山秋子 いとやま あきこ 受賞
181ページ
河西美穂 かさい みほ 佳作
ミネさん
北岡耕二 きたおか こうじ 受賞
わたしの好きなハンバーガー
蒔岡雪子 まきおか ゆきこ 受賞
飴玉が三つ
東野一美 ひがしの かずみ 佳作
白い夏
吉村萬壱 よしむら まんいち 受賞
157ページ
長嶋有 ながしま ある 受賞
160ページ
都築隆広 つづき たかひろ 受賞
看板屋の恋
飯塚朝美 いいづか あさみ 奨励賞
ミゼリコード
福迫光英 ふくさこ みつひで 奨励賞
ガリバーの死体袋
水野由美 みずの ゆみ 奨励賞
ほたる座
羽根田康美 はねだ やすみ 受賞
LA心中
松崎美保 まつざき みほ 受賞
DAY LABOUR
最向涼子 さいこう りょうこ 奨励賞
ひまつぶし
三輪克巳 みわ かつみ 奨励賞
働かざるもの

三輪克美による短編小説。1998年の文學界新人賞(第87回)に応募し、奥泉光・島田雅彦奨励賞を受賞した作品。同回の新人賞は受賞作なしとなったが、本作は奨励賞として評価された。文學界1998年12月号に掲載された。

労働社会
若合春侑 わこう はるゆう 受賞

昭和初期、カフェーの女給として働く人妻が、谷崎潤一郎を敬愛するサディストの帝大生と関係を持つ。虐げられながらも相手を愛し続ける女にとって、魂の救済とはいかなるものか。旧字旧仮名遣いで綴られた濃密な情痴の世界に、女の帰依と破滅を描いた第86回文學界新人賞受賞作。表題作に加え「カタカナ三十九字の遺書」を収録。

究極の情痴文学――旧字旧仮名遣いで書き下ろされた、昭和の閨房における女の帰依と魂の彷徨。

165ページ
情痴サディズム・マゾヒズム昭和初期旧仮名遣い女の帰依と破滅魂の救済
坂上康二 さかがみ こうじ 奨励賞
ロッキィ ワールド

1998年の文學界新人賞(第86回)において奥泉光奨励賞を受賞した短編小説。主人公の若者が「ロッキィ」と呼ばれる独特の世界観と格闘しながら、自己のアイデンティティや現実との折り合いを問い直す純文学作品。受賞後、文學界1998年6月号に掲載された。

「ロッキィ ワールド」は、現実と幻想の境界線で揺れる若者の内面を、独特のリズムと語り口で描いた新鋭の短編。

アイデンティティの探求現実と幻想若者の苦悩純文学的内省
橘川有彌 受賞
くろい、こうえんの
砂田ガロン すなだ がろん 奨励賞
天麩羅車掌

文學界掲載の受賞作として確認されるが、単独書籍は見つからなかった。

単独書籍は未確認。

雑誌掲載未単行本化
吉田修一 よしだ しゅういち 受賞
253ページ
最上煬介 もがみ ようすけ 受賞
物語が殺されたあとで
大村麻梨子 おおむら まりこ 受賞
ギルド
新堂令子 しんどう れいこ 奨励賞
サイレントパニック
塩崎豪士 しおざき ごうし 受賞
目印はコンビニエンス

文學界新人賞受賞作として記録される短編だが、Amazon JP、NDL OPAC、出版社公式の順で確認しても、単独書籍としての刊行は確認できなかった。現時点では掲載誌ベースの記録にとどまり、書誌識別子は付与しない。

掲載誌ベースでのみ確認できる初期作。

清野栄一 きよの えいいち 受賞

文学界新人賞受賞作を含む、清野栄一の初の長篇小説。レイヴのDJが過去をたどりながら地の果てを彷徨い、音楽の熱と漂流感が重なるスピリチュアルな旅路として読める。

レイヴのDJが、過去を抱えて地の果てをさまよう。

278ページ
レイヴDJ漂流音楽喪失スピリチュアル
山田あかね やまだ あかね 奨励賞
終わりのいろいろなかたち

文學界新人賞佳作として知られる山田あかねの初期短編で、Amazon JP、NDL OPAC、出版社公式の順で確認しても単独書籍化は見当たらなかった。現時点では掲載誌ベースの記録にとどまり、書誌識別子は付与しない。

掲載誌ベースでのみ確認できる山田あかねの初期作。

青来有一 あおきゆういち 受賞

死に瀕した父が、幼なじみの男の差し出す「救済」にすがろうとするなかで、家族の関係と信仰の輪郭が静かに揺らいでいく。青来有一の代表的な短編として、長崎を背景にした祈りと喪失の感触が深く残る。

救いを求める心は、どこへ向かうのか。

315ページ
長崎信仰家族救済喪失祈り
木崎巴 受賞
マイナス因子

第79回文學界新人賞の受賞作として記録された短編。単独書籍化は確認できない。

文學界新人賞を受けた、短編としての出発点。

文學界新人賞短編発表誌掲載
松尾光治 まつおこうじ 受賞
フアースト・ブルース

若者の孤独と焦燥を、ブルースの気配をまとった語りで描くデビュー期の短編。

ブルースのように、ため息のあとに言葉が続く。

孤独音楽青春
中村邦生 なかむらくにお 受賞

文學界新人賞を受けた短編で、のちに短篇集『チェーホフの夜』に収録された。虚実の境目をたどるような会話と気配が印象に残る。

受賞作として発表され、のちに短篇集へ収められた一編。

182ページ
短編虚実文學界新人賞
篠原一 しのはらいち 受賞

ドラッグにふける中学生たちの幻覚と崩壊感覚を、きわめて鋭い感性で描いた文學界新人賞受賞作。

思春期の揺らぎが、音と映像のような感覚で立ち上がる。

164ページ
思春期幻覚崩壊感覚
高林杳子 たかばやしようこ 受賞
無人車

無人の車が残す違和感を起点に、人と人の間に生じた空白を描く短編。

車だけが、なぜか先に行ってしまう。

不穏移動空白
伏本和代 ふしもとかずよ 受賞
ちょっとムカつくけれど、居心地のいい場所

第75回文學界新人賞の受賞作として記録された短編。単独書籍化は確認できない。

少しむかつくのに、どこか落ち着く一編。

文學界新人賞短編発表誌掲載
名取眞吉 佳作
タクシー・ドライバー

タクシー・ドライバーは受賞記録に残る作品で、単行本化の確認は取れていない。

タクシー・ドライバーの詳細は受賞記録に残る。

受賞記録小説
安斎あざみ あんざい あざみ 受賞
樹木内侵入臨床士

人間と自然の境界をめぐる寓話的な短編。

人間と自然の境界を見つめる寓話。

寓話自然境界
大島真寿美 おおしまますみ 受賞
春の手品師

春の気配のなかで、家族や身近な関係の揺れを繊細に描くデビュー作。

春は、手品のように人の気持ちを変えてしまう。

家族記憶成長
市村薫 いちむらかおる 受賞
名前のない表札
みどりゆうこ みどりゆうこ 受賞
336ページ
竹野昌代 受賞
狂いバチ、迷いバチ
夜を渡る音
河林満 かわばやし みつる 受賞

水道業務の経験を背景に、地方都市の公務員と住民の関係を鋭く描いた作品集。表題作を含む短編が、日常の制度と感情のずれを静かに浮かび上がらせる。

水道を止める側に立った男が、止められる暮らしの重さに向き合う。

176ページ
公務員生活地方都市労働人間関係
比嘉辰夫 ひが たつお 佳作
猫の火
中村隆資 なかむら りゅうし 受賞

1989年の文學界新人賞受賞作で、後に『地蔵記』へ収録された。受賞時の短編として記録され、のちの収録書で読む形が残る。

受賞作は後年の収録書で読み継がれている。

325ページ
文学界新人賞短編受賞作収録作品
瀧澤美恵子 たきざわ みえこ 受賞

失語症の少女が、猫好きな隣人たちとの暮らしの中で少しずつ言葉を取り戻していく。やわらかな筆致で記憶と家族の断絶を描く。

猫たちに囲まれた日々のなかで、少女は言葉を少しずつ取り戻す。

246ページ
少女失語家族記憶
上原礼 うえはら れい 佳作
ローリングストーン

1989年の候補作として記録されているが、単独書籍化は確認できなかった。作品情報は受賞記録と候補一覧を手がかりにする。

書籍化は確認できないため、受賞記録を中心に追う作品。

文学界新人賞候補作雑誌掲載未単行本化
山里禎子 やまざと さちこ 受賞

失語症の少女が、猫好きな隣人たちとの暮らしの中で少しずつ言葉を取り戻していく。やわらかな筆致で記憶と家族の断絶を描く。

猫たちに囲まれた日々のなかで、少女は言葉を少しずつ取り戻す。

246ページ
少女失語家族記憶
濱口隆義 はまぐち たかよし 受賞
夏の果て
梶井俊介 かじい しゅんすけ 受賞
僕であるための旅
長屋和哉 ながや かずや 佳作
インディオの眩しい髪
坂谷照美 さかたに てるみ 受賞
四日間
小浜清志 こはま きよし 受賞
風の河
谷口哲秋 たにぐち てつあき 受賞
遠方より

候補作のひとつとして扱われた短篇で、選評では「まだ小説の出発点にとどまっている」と評された。大きな展開よりも、書き始めの輪郭や手つきが見える段階の作品として読める。

まだ小説の出発点にとどまっている。

短篇出発点候補作文學界掲載初期作品
茅野裕城子 ちの ゆきこ 佳作
有髪

第65回文學界新人賞の佳作として『文學界』1987年12月号に掲載された短篇。単行本化は確認できず、まずは誌面掲載の作品として読むのが自然な一篇。

第65回文學界新人賞の佳作として掲載された短篇。

佳作文學界掲載短篇初期作品
白川ゆうき しらかわ ゆうき 佳作

蔵王山麓に育つ少年の成長を、瑞々しく情感豊かな筆致で描く短編集の表題作。人の生の揺れや、不器用な愛にのたうつ人々の輪郭が、静かな山里の空気のなかで立ち上がる。

蔵王山麓に育つ少年の成長を瑞々しく情感溢れる筆で綴る。

311ページ
少年の成長山里家族不器用な愛短編集
濱口隆義 はまぐち たかよし 佳作
游泥の海

第65回文學界新人賞の佳作として『文學界』1987年12月号に掲載された短篇。単行本化は確認できず、まずは誌面掲載の作品として読むのが自然な一篇。

第65回文學界新人賞の佳作として掲載された短篇。

佳作文學界掲載短篇初期作品
鷺沢萠 さぎさわ もえ 受賞

父が女性と暮らす家へ続く川べりの道を、ひとり歩く少年を描いた最初期作品集の表題作。大人になる直前の老成や、帰るべき場所を持たない喪失感が、静かな筆致のなかで立ち上がる。

父が女性と暮らす家へ続く川べりの道を、ひとり歩く少年。

256ページ
喪失感家族少年静かな成長帰る場所の不在
尾崎昌躬 おざき まさみ 受賞
東明の浜

奄美の言葉をめぐる処理にやや揺れはあったものの、前半のカマスを拾う場面や海の描写が評価された少年ものの短篇。描写力の高さと、若い作者ならではの勢いが印象に残る。

前半のカマスを拾う部分が良い。

少年もの海辺の生活労働の手触り方言表現描写力
片山恭一 かたやま きょういち 受賞
気配

『文學界』1986年掲載の受賞作として確認できるが、Amazon JP、NDL、出版社公式の順で確認しても単独書籍化は見つからなかった。

書籍版は確認できない。

文學界掲載受賞作未単行本化
松本富生 まつもと とみお 受賞

韓日混血をテーマに、ルーツや生き方の揺れを描く作品集。第62回『文學界』新人賞の受賞作として発表された。

出自の揺れが、そのまま人生の輪郭を変えていく。

206ページ
在日韓日混血ルーツ短編集家族
藤本恵子 ふじもと けいこ 受賞
比叡を仰ぐ

『文學界』1986年6月号に掲載された受賞作として確認できるが、Amazon JP、NDL、出版社公式の順で調べても単独書籍化は見つからなかった。

誌面掲載のまま確認できる作品。

文學界掲載受賞作未単行本化
早野貢司 はやの こうじ 受賞
朝鮮人街道
中島俊輔 なかじま しゅんすけ 受賞
夏の賑わい
大島賢二 おおしま けんじ 佳作
青の領域
武部悦子 たけべ えつこ 受賞
明希子
米谷ふみ子 よねたに ふみこ 受賞
遠来の客

ユダヤ系アメリカ人の作家と結婚した道子の家庭を軸に、家族の事情と文化のずれが静かな圧力として立ち上がる短編。『過越しの祭』に収録され、1985年の文学界新人賞受賞作として位置づけられる。

遠い土地で暮らす家族の一日を通して、文化と血のつながりの距離がじわりと見えてくる。

198ページ
家族異文化母親アメリカ生活アイデンティティ
佑木美紀 ゆうき みき 受賞
月姫降臨

文學界新人賞の受賞作として確認できるが、書籍化は確認できなかった。

Amazon JP、NDL OPAC、出版社公式で書籍化は確認できなかった。

文学賞候補作文芸誌発表
石島あづさ いしじま あづさ 受賞

栃木県近代文学全集『短編集』に収録される一篇として確認できた。

『短編集』収録作として確認できる。

短編集収録近代文学全集短編
海辺鷹彦 うみべ たかひこ 受賞
端黒豹紋

文學界新人賞の受賞作として確認できるが、書籍化は確認できなかった。

Amazon JP、NDL OPAC、出版社公式で書籍化は確認できなかった。

文学賞候補作文芸誌発表
阿南泰 あなん たい 受賞
錨のない部屋

文學界新人賞の受賞作として確認できるが、書籍化は確認できなかった。

Amazon JP、NDL OPAC、出版社公式で書籍化は確認できなかった。

文学賞候補作文芸誌発表
赤羽建美 あかばね たてみ 受賞
住宅

"住宅" は 文學界新人賞 の発表作として確認できる初期作品。単独の書籍化や ISBN は確認できなかった。

文學界新人賞 の発表作として確認できる初期作品。

文學界新人賞初期作品
高橋一起 たかはし いっき 受賞
犬のように死にましょう

"犬のように死にましょう" は 文學界新人賞 の発表作として確認できる初期作品。単独の書籍化や ISBN は確認できなかった。

文學界新人賞 の発表作として確認できる初期作品。

文學界新人賞初期作品
田野武裕 たの たけひろ 受賞
浮上

"浮上" は 文學界新人賞 の発表作として確認できる初期作品。単独の書籍化や ISBN は確認できなかった。

文學界新人賞 の発表作として確認できる初期作品。

文學界新人賞初期作品
山川一作 やまかわ いっさく 受賞
雷電石縁起

"雷電石縁起" は 文學界新人賞 の発表作として確認できる初期作品。単独の書籍化や ISBN は確認できなかった。

文學界新人賞 の発表作として確認できる初期作品。

文學界新人賞初期作品
田中健三 たなか けんぞう 受賞
あなしの吹く頃

"あなしの吹く頃" は 文學界新人賞 の発表作として確認できる初期作品。単独の書籍化や ISBN は確認できなかった。

文學界新人賞 の発表作として確認できる初期作品。

文學界新人賞初期作品
佐藤竜一郎 さとう りゅういちろう 佳作
A・B・C……

"A・B・C……" は 文學界新人賞 の発表作として確認できる初期作品。単独の書籍化や ISBN は確認できなかった。

文學界新人賞 の発表作として確認できる初期作品。

文學界新人賞初期作品
南木佳士 なんき よしし 受賞

死にゆく患者たちを前に医者として、人としてとるべき誠実な態度とは…。文学界新人賞を受賞した「破水」をはじめ、人間の生と死を日常的に受け止めざるを得ない若き医師たちの苦悩と現実を、濃密に描ききった短篇五篇をおさめた、記念碑的デビュー作品集。著者自身が当時を (提供元: サピエ図書館資料検索)

死にゆく患者たちを前に医者として、人としてとるべき誠実な態度とは…。文学界新人賞を受賞した「破水」をはじめ、人間の生と死

315ページ
医療生と死若い医師
最上典世 もがみ のりよ 佳作
田舎審判

最上典世の初期作として発表された作品で、書籍化は確認できなかった。

最上典世の初期作として発表された作品で、書籍化は確認できなかった。

裁き共同体
峰原緑子 みねはら みどりこ 受賞

単調な毎日を無軌道に消費する少女達の今を落ちこぼれ感覚で描く作品集。十七歳の処女作から十九歳の文學界新人賞受賞作まで三篇を収録。 (提供元: サピエ図書館資料検索)

単調な毎日を無軌道に消費する少女達の今を落ちこぼれ感覚で描く作品集。十七歳の処女作から十九歳の文學界新人賞受賞作まで三篇

181ページ
季節日常青春
木崎さと子 きざき さとこ 受賞

木崎さと子の出発点となった短編で、帰国後の感覚や、ひとりの女性の内面に寄り添う静かな視線が印象に残る。大きな事件を追うより、記憶や喪失のかすかな揺れをすくい取る作品。

ひとりの女性の輪郭を、静かな言葉で浮かび上がらせる。

253ページ
内面記憶喪失女性デビュー作
峰原緑子 みねはら みどりこ 佳作
ゆらり、と

文學界新人賞の佳作として発表された短編で、ゆらりと揺れる感覚や、ためらいの気配を淡くすくい取る。大きな転換よりも、気持ちのかすかな傾きが残る作品。

ゆらり、とした揺れが、気持ちの輪郭を変えていく。

揺れためらい心象余韻
村上節 むらかみ せつ 受賞

文學界新人賞の当選作として発表された短編で、狸という題名に重なる、ひょうひょうとした気配やたくましさを淡く描く。大きな事件よりも、人物の距離感や空気の変化が残る作品。

狸の気配のように、つかみきれない余韻が残る。

擬態距離感空気たくましさ余韻
古荘正朗 ふるしょう ただあき 受賞
年頃

文學界新人賞の当選作として発表された短編で、年頃という言葉が含む揺れや、若さの輪郭を静かにたどる。大きな転機よりも、年齢の手前で揺れる感情の気配が残る作品。

年頃という言葉の向こうに、まだ定まらない気持ちがある。

若さ年齢揺れ成長余韻
松家仁之 まついえ まさし 佳作
夜の樹

文學界新人賞の佳作として発表された短編で、夜と樹という言葉が持つ静けさや陰影を、淡い筆致でたどる。大きな出来事よりも、ひそやかな気配の持続が印象に残る作品。

夜の樹の下に、言葉にならない気配がたまる。

静けさ気配余韻
松浦理英子 まつうら りえこ 受賞
葬儀の日
寺沢健一郎 てらさわ けんいちろう 佳作
生殖関係
岩猿孝広 いわざる たかひろ 受賞
信号機の向こうへ
石原悟 いしはら さとる 受賞
流れない川
井川正史 いがわ まさし 受賞
長い午後
三輪滋 みわ しげる 受賞
ステンドグラスの中の風景
松代達生 まつしろ たつお 佳作
子殺し
草間承権 くさま じょうけん 佳作
秋の実
野津決 のつ けつ 佳作
鉛の華
黒田宏治郎 くろだ こうじろう 佳作
遺体
三好京三 みよし きょうぞう 受賞
288ページ
北澤三保 きたざわ みほ 佳作
遥かな森
該当なし
春山希義 受賞
雪のない冬
倉沢英彬 佳作
町へ
該当なし

ぽぷらと軍神 は、受賞作として発表された作品。

ぽぷらと軍神 を手がかりに、作品の来歴をたどる。

234ページ
受賞作書誌確認作品確認
吉田健至 受賞
ネクタイの世界

ネクタイの世界 は、受賞作として発表された作品。

ネクタイの世界 を手がかりに、作品の来歴をたどる。

受賞作書誌確認作品確認
青木八束 受賞
蛇いちごの周囲

蛇いちごの周囲 は、受賞作として発表された作品。

蛇いちごの周囲 を手がかりに、作品の来歴をたどる。

受賞作書誌確認作品確認
広松彰 受賞
塗りこめられた時間
黎まやこ 受賞
五月に――
青木哲夫 佳作
344ページ
野章雨 佳作
日本人
対馬康夫 佳作
四辺形

四辺形 は、受賞作として発表された作品。

四辺形 を手がかりに、作品の来歴をたどる。

受賞作書誌確認作品確認
加藤保栄 佳作
風船ガムの海

風船ガムの海 は、受賞作として発表された作品。

風船ガムの海 を手がかりに、作品の来歴をたどる。

受賞作書誌確認作品確認
東峰夫 受賞
189ページ
大久保操 受賞
昨夜は鮮か
梅原稜子 佳作
円い旗の河床
探照燈
鎮魂歌
加奈山径 佳作
他人からの案内状
中谷礼順 佳作
敵機
樋口至宏 ひぐち しひろ 受賞
僕たちの祭り
田中泰高 たなか やすたか 受賞
216ページ
前田隆之介 まえだ りゅうのすけ 受賞
使徒
森内俊雄 もりうち としお 受賞
246ページ
櫂川修 かいかわ おさむ 佳作
羽化
内海隆一郎 うちうみ りゅういちろう 受賞
241ページ
加藤富夫 かとう とみお 受賞
神の女
斎藤昌三 さいとう しょうぞう 受賞
拘禁
犬飼和雄 いぬかい かずお 受賞
緋魚
斎藤昌三 さいとう しょうぞう 佳作
タナトス
加藤富夫 かとう とみお 佳作
鼠おとし
桑原幹夫 くわはら みきお 受賞
雨舌
山田智彦 やまだ ともひこ 佳作
犬の生活
丸山健二 まるやま けんじ 受賞
夏の流れ
宮原昭夫 みやはら あきお 受賞
石のニンフ達
野島勝彦 のじま かつひこ 受賞
野呂邦暢 のろ くにのぶ 佳作
ある男の故郷
高橋光子 たかはし みつこ 受賞
蝶の季節
森万紀子 もり まきこ 佳作
単独者
長谷川敬 はせがわ けい 受賞
青の儀式
五代夏夫 ごだい なつお 受賞
那覇の木馬
広田国臣 ひろた くにおみ 佳作
独楽
小沼燦 おぬま さん 佳作
鍵の音
葉山修平 はやま しゅうへい 佳作
現在完了
阿部昭 あべ あきら 受賞
子供部屋
中川裕朗 なかがわ ゆうろう 佳作
一九三三年二月二十日の死
久保輝巳 くぼ てるみ 佳作
栞の秋
楠本薩夫 くすもと さつお 佳作
砂崖の下の家
野淵敏 のぶち びん 佳作
蔦蘿行
古田義一 ふるた よしいち 佳作
間宮海峡
福田道夫 ふくだ みちお 受賞
バックミラーの空漠
蔵本次郎 くらもと じろう 佳作
易行門
野淵敏 のぶち さとし 佳作
遠い音
早川隆 はやかわ りゅう 佳作
Q市長の縮小について
長谷川敬 はせがわ けい 佳作
窓になる少年
杉啓之 すぎ ひろゆき 佳作
ちっぽけなインディアン
岡松和夫 おかまつ かずお 受賞
井上京三 いのうえ きょうぞう 佳作
奇妙な月
石川信乃 いしかわ しの 受賞
基隆港
三好徹 みよし とおる 次席
遠い声
深田祐介 ふかだ ゆうすけ 受賞
あざやかなひとびと
千早耿一郎 ちはや こういちろう 優秀作
銅像の町
山下宏 やました ひろし 優秀作
王国とその抒情
大谷誠 おおたに まこと 優秀作
荒野の人
中川裕朗 なかがわ ひろお 優秀作
煙と白骨
仁田義男 にった よしお 受賞
墓場の野師
沼田茂 ぬまた しげる 受賞
ある遺書
城山三郎 しろやま さぶろう 受賞
1104ページ
川端康夫 かわばた やすお 佳作
涼み台
菊村到 きくむら いたる 受賞
316ページ
野淵敏 のぶち さとし 佳作
水の歌
堀内伸 ほりうち しん 受賞
彩色
石原慎太郎 いしはら しんたろう 受賞
352ページ
有吉佐和子 ありよし さわこ 候補
235ページ
鬼生田貞雄 おにうだ さだお 入選
衆目