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燈台鬼 (文春文庫 282-6)

オール讀物新人賞

燈台鬼 (文春文庫 282-6)

南條範夫

南條範夫「子守りの殿」は、時代小説の枠組みの中で、身分や役割から外れた人物の滑稽さと悲哀を描く短編です。武士社会の建前と人間の欲望が交差する場面を、皮肉を含んだ語りで浮かび上がらせます。

時代小説武士社会皮肉身分人間喜劇

作品情報

武士社会の体面と人間くささを、南條範夫らしい皮肉で描く新人賞受賞作です。

「子守りの殿」は第1回オール讀物新人賞受賞作で、のちに短編集『燈台鬼』に収録されました。CiNiiで文春文庫版『燈台鬼』ISBN4167282062、222ページが確認でき、同書には「燈台鬼」「『あやつり組』由来記」「畏れ多くも将軍家」「水妖記」「不運功名譚」「子守りの殿」が収録されています。光文社文庫版にも収録例があります。

レビュー要約

  • 文春文庫『燈台鬼』に、直木賞受賞作や初期作品とともに収録されている。南條範夫が残酷さや権力の奇妙さを時代小説へ転じていく初期の動きを示す一篇である。

書籍情報

出版社
文藝春秋
発売日
1983-06-01
ページ数
222ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784167282066
ISBN-10
4167282062
価格
4800 JPY
カテゴリ
本/文学・評論

遣唐副使として唐に渡ったまま行方不明となった父親を求め、彼の地へ赴いた道麻呂が、そこでふと目にしたものは、“人間燈台”のおぞましい姿だった……。直木賞受賞の表題作のほか、オール新人杯第一回受賞作「子守りの殿」「不運功名譚」「水妖記」など初期の作品六篇を収録。直木賞受賞までの歴史小説は本書に全て網羅された。

レビュー

  • 長年、捜し求めてきた父はおぞましい人間燭台にされていた

    短篇時代小説集『燈台鬼』(南條範夫著、光文社文庫)に収められている『燈台鬼』は、その衝撃の強さによって、私の心に深く刻み込まれた作品となりました。 奈良朝の遣唐副使・小野石根(おののいわね)は役目を果たした帰途、大暴風に遭遇し、激浪の中に攫われてしまいます。 その3年後、石根と共に唐に渡り、留学期間を終えて帰国した留学生・高階達成が石根の妻・衣子と9歳になった息子・道麻呂のもとを訪れ、思いがけない情報をもたらします。「『石根様は海に沈みなされた事になっておる由、承りました。なれど誠は、長安城外で何者かに襲われて行方不明になられたのでございます』」。 時が過ぎて平安朝となり、父を捜し出したいと願い続けてきた30歳の道麻呂は、遣唐使准判官として、達成と共に唐に渡ります。 二人は必死になって、あちこち、石根の行方を探索するが、一切が徒労に終わります。 唐の高官が別邸で催してくれた別れの宴で、道麻呂は奇妙なものを目にします。「下帯一つ、全身不気味な絵の具で彩られ、顔は悪鬼の相にかたどられている。両手両足の頸は背に立てられた三尺余りの鉄くいに、鎖でしっかり縛られており、頭には鉄の箍(たが)がはめられ、そこに十本の蝋燭が立てられていた」。そのおぞましい人間燭台、燈台鬼こそ、石根の変わり果てた姿だったのです。 27年ぶりの再会を果たした道麻呂の胸中はいかに。年老いた石根の心中はいかに。 私の妖しい胸騒ぎは、まだ、収まりません。

  • 記憶に残る作品

    この作品集の中でも特に「燈台鬼」は記憶に残ります。ショッキング過ぎて「オススメ」とは言えない内容ですが、賞をとった作品だということは納得できます。

  • おどろおどろしいのに

    慟哭の物語です、表題作。短編集ですが、いずれの作品もごつい(けれども無駄のない)文体でみっちり描かれた、ロケーションを日本に限定しない雨月物語みたいな、幻想譚ですよね。

  • 南條さんのエッセンスとエトス

    巻頭の『燈台鬼』と掉尾の『子守りの殿』に南條範夫さんの小説のエッセンスとエトスが籠もっています。その他の四作も読ませます。南條ファンなら読んでますよね、この一冊。

  • とにかく面白い

    遣唐使の様子を丁寧に表現している

  • 読んだらわかる、面白さ❗

    一息に読める面白さを、味わえる。至福の時間だ。読んでいない人は、可哀想。

  • 遣唐使の数奇な運命

    「燈台鬼」は遣唐使の時代であるけれど、恐ろしい話のなかに、強い夫婦愛・親子愛(父と息子)が描かれていて、涙を誘う。遣唐使は命掛け。帰国出来なかった遣唐使を、このような恐ろしくもロマンチックな物語に仕立てるのは凄いなと思いました。「燈台鬼」が読みたかったので購入しましたが、そのうち他の短編も読んでみようと思います。

  • 大変良い

    昔から愛読していましたので、資料、保存のために買っておくことにいたしました。

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