日本の文学賞

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オール讀物新人賞

おーるよみものしんじんしょう

文藝春秋の小説誌『オール讀物』が主催する公募の新人小説賞。

小説新人賞歴史・時代小説(2021年以降)推理小説(2008年に一時統合)
創設年
1952
主催
文藝春秋(株式会社文藝春秋)
カテゴリー
ジャンル小説
選考方式
公募
受賞対象
新人
開催頻度
年1回
締切時期
6月頃
発表時期
11月頃
賞のステータス
活動中

説明

オール讀物新人賞は文藝春秋が発行する小説誌『オール讀物』の公募新人賞で、1952年に創設(当初は「オール新人杯」)。1960年下期の第17回から現行名称となり、2008年に規定変更でオール讀物推理小説新人賞と一本化された時期がある。応募は未発表作品に限られ、目安は400字詰原稿用紙で50枚以上100枚以内。例年の応募締切は6月20日、受賞作は『オール讀物』11月号で発表され、当選作には正賞と賞金50万円が授与される。2018年の第98回からWeb応募を開始し、2021年の第101回からは歴史・時代小説に特化した「オール讀物歴史時代小説新人賞」としてリニューアルされた。

賞品

主賞品
正賞および賞金50万円
賞金
500,000円
  • 『オール讀物』誌上での発表・掲載
  • 正賞(記念品)

選考情報

選考プロセス

一次選考(編集部による書類選考)
審査員 文藝春秋編集部
発表 通過者へ連絡し、最終候補を選出する(詳細非公開)
最終選考(選考委員による審査)
審査員 選考委員(作家・評論家などの外部委員。回によって異なる)
発表 『オール讀物』11月号誌上で受賞作を発表
授賞・掲載
審査員 文藝春秋/選考委員
発表 受賞作に正賞および賞金を授与。誌上で紹介・掲載される

選考基準

  • 未発表作品であること
  • 規定枚数を満たしていること(400字詰原稿用紙50枚以上100枚以内が目安)
  • 独創性、文体・構成力、人物描写の完成度
  • 歴史・時代小説として応募する場合は史実考証と時代描写の正確性・説得力

応募のヒント

推奨

  • 募集要項(未発表条件・字数・形式)を必ず確認して従う
  • 原稿は400字詰原稿用紙で50枚以上100枚以内を目安にまとめる
  • 連絡先や応募者情報を正確に記載する
  • 本文の体裁(ルビ、段落、見出し)を整え、誤字脱字をチェックする
  • 応募先(郵送/Web)や提出形式の指定を守る

注意

  • 既に発表済みの作品を応募しない
  • 規定枚数を著しく超過・不足した原稿を送らない
  • 募集要項に反する形式で提出しない(複数の異なる形式での重複応募など)
  • 他者の著作を利用する等の権利侵害を行わない

審査員から

  • 知識よりも勇気が必要だ(作家に求められる姿勢)
  • 独創的な視点や人物描写、物語の筋を大切にすること
  • 史実を扱う場合は考証と描写のバランスに注意する

関連の賞

  • オール讀物推理小説新人賞
  • オール讀物歴史時代小説新人賞

公式情報

https://www.bunshun.co.jp/mag/ooruyomimono/ooruyomimono_prize.htm

過去の受賞者

和泉久史 いずみ ひさし 受賞
佐吉の秩序
小林尋 こばやし ひろし 受賞
かはゆき、道賢(どうけん)
米原信 よねはら しん 受賞
盟(かみかけて)信(しん)が大切

第102回オール讀物新人賞受賞作。江戸時代の歌舞伎作者・鶴屋南北を題材にした原稿用紙約60枚の短編で、19歳の米原信氏が史上最年少で受賞した。

江戸の芝居作者を題材に、若い才能が鮮やかに跳ねる。

江戸時代歌舞伎歴史小説新人賞青春
出崎哲弥 でざき てつや 受賞
装束(しょうぞく)ゑの木(き)

明治期の東京で始まる新聞ジャーナリズムと、社会の空気を切り取る短編として読める。時代の変わり目に立つ人物たちの視線が印象に残るが、単独書籍化は確認できない。

明治期の東京で始まる新聞ジャーナリズムと、社会の空気を切り取る短編として読める。

歴史短編明治新聞空気感
高瀬乃一 たかせ のいち 受賞
をりをり よみ耽(ふけ)り

江戸の貸本屋をめぐる短編で、読書と暮らしが結びついた時代の気配を描く。高瀬乃一の受賞作として注目されたが、単独書籍化は確認できない。

江戸の貸本屋をめぐる短編で、読書と暮らしが結びついた時代の気配を描く。

歴史短編貸本屋江戸読書
由原かのん ゆはら かのん 受賞
首侍(くびざむらい)

首侍(くびざむらい)は、由原かのんによる受賞作。賞データを起点に、独立した書籍刊行の有無を確認しながら整理した作品で、人物の選択や時代・場所の空気を通じて、読後に残る問いを描く。

首侍(くびざむらい)は、受賞歴と書誌確認をあわせて読むことで輪郭が見えてくる作品である。

短編新人賞物語
榛原浩 はいばら ひろし 受賞
母喰鳥

「母喰鳥」は第98回オール讀物新人賞の受賞作で、受賞時点では『オール讀物』2018年11月号掲載作として確認される。単行本・文庫・短編集への収録は確認できず、雑誌掲載作として扱う。

受賞作は雑誌掲載として確認され、単行本化は確認できない。

新人賞受賞作雑誌掲載未単行本化
三本雅彦 みつもと まさひこ 受賞
新芽

三本雅彦の「新芽」は、第97回オール讀物新人賞受賞作。雑誌『オール讀物』掲載の短編として確認でき、のちの著者デビュー作『運び屋円十郎』へつながる時代小説作家としての出発点にあたる。

時代小説作家としての出発点になった新人賞受賞短編。

新人賞時代小説短編未単行本化
佐々木愛 ささき あい 受賞
ひどい句点

ひどい句点は、佐々木愛による受賞作。賞データを起点に、独立した書籍刊行の有無を確認しながら整理した作品で、人物の選択や時代・場所の空気を通じて、読後に残る問いを描く。

ひどい句点は、受賞歴と書誌確認をあわせて読むことで輪郭が見えてくる作品である。

短編新人賞物語
嶋津輝 しまず てる 受賞
姉といもうと

姉といもうとは、嶋津輝による受賞作。賞データを起点に、独立した書籍刊行の有無を確認しながら整理した作品で、人物の選択や時代・場所の空気を通じて、読後に残る問いを描く。

姉といもうとは、受賞歴と書誌確認をあわせて読むことで輪郭が見えてくる作品である。

短編新人賞物語
松田幸緒 まつだ さちお 受賞
中庭に面した席

中庭に面した席は、松田幸緒による受賞作。受賞記録から確認できる主題と語り口をもとに、人物の選択、記憶、社会との関係を描く作品として整理できる。

中庭に面した席は、受賞作としての輪郭を通じて、人物と社会の関係を見つめる作品である。

受賞作人間関係記憶社会葛藤
榛野文美 はるの ふみ 受賞
花村凜子の傘

『花村凜子の傘』は、榛野文美によるオール讀物新人賞の対象作品。受賞作として注目された背景を踏まえ、人物の選択や時代・社会との関係を軸に読ませる作品である。

『花村凜子の傘』は、受賞歴を通じて読み継がれる榛野文美の作品である。

受賞作文学物語
香月夕花 こうづき ゆうか 受賞
水に立つ人

『水に立つ人』は、香月優花による短編小説の受賞作である。受賞記録と公開書誌をもとに、人物の選択、記憶、時代や社会との関係を描く作品として整理できる。

『水に立つ人』は、受賞作としての輪郭を通じて、人と時代の関係を見つめる作品である。

受賞作記憶人間関係社会葛藤
平岡陽明 ひらおか ようめい 受賞
松田さんの181日

『松田さんの181日』は、平岡洋明による短編小説の受賞作である。受賞記録と公開書誌をもとに、人物の選択、記憶、時代や社会との関係を描く作品として整理できる。

『松田さんの181日』は、受賞作としての輪郭を通じて、人と時代の関係を見つめる作品である。

受賞作記憶人間関係社会葛藤
木下昌輝 きのした まさてる 受賞
宇喜多の捨て嫁

『宇喜多の捨て嫁』は、kinoshita-shokiによる受賞作品。受賞記録と公開書誌情報をもとに、作品単位の基本情報として整理した。

受賞歴を手がかりに、作品としての輪郭と入手状況をたどる一作。

受賞作品現代文学書誌確認
佐藤巖太郎 さとう がんたろう 受賞
夢幻の扉

『夢幻の扉』は、佐藤巖太郎による受賞作です。Amazon JP 検索、NDL 検索、関連出版社情報を確認対象としましたが、受賞作そのものを収録した単行本・文庫の ISBN は確認できませんでした。掲載誌・記事レコードの識別子は流用していません。

佐藤巖太郎の受賞作として記録される『夢幻の扉』。

受賞作文学著者の関心
立花水馬 たちばな みずま 受賞

江戸を思わせる町の空気の中で、人の痛みや迷信、暮らしの知恵を絡めた時代小説。題名の不思議さが、物語全体の民俗的な手触りにつながっている。

虫封じ〼(ます)は、立花水馬の受賞作として刊行形態でも確認できる作品です。

346ページ
時代小説民俗人情
緒川莉々子 おがわ りりこ 受賞
モモタン

『オール讀物』新人賞受賞作として発表された短篇。受賞作名と作者は賞記録で確認できるが、単独書籍としての流通は確認できない。

『モモタン』は、緒川莉々子による受賞作として、題材の奥にある人の記憶と関係を見つめる作品である。

短篇新人賞現代小説
森屋寛治 もりや かんじ 受賞
オデカケ

『オール讀物』新人賞受賞作として記録される短篇。日常的な題名の内側に人物の移動や関係の変化を置く作品として扱われている。

『オデカケ』は、森屋寛治による受賞作として、題材の奥にある人の記憶と関係を見つめる作品である。

短篇新人賞日常
坂井希久子 さかい きくこ 受賞

花粉症に悩む男性が、寄生虫を体内に飼うという奇妙な治療法に惹かれる恋愛短編。身体への嫌悪感と相手を受け入れることの難しさを、コミカルで少し生々しい関係の中に描く。

恋人の体に宿るかもしれないものを、愛はどこまで受け入れられるのか。

220ページ
恋愛身体感覚フェティッシュ短編集
柚木麻子 ゆずき あさこ 受賞

女子校に通う少女たちの関係を、親友という言葉の甘さと危うさから描く青春短編。転入生との出会いをきっかけに、憧れ、嫉妬、距離感のずれが静かに表面化していく。

親友になったと思った瞬間から、少女たちの距離は少しずつ変わっていく。

199ページ
女子校友情嫉妬青春
奥山景布子 おくやま けいふこ 受賞

屋島の戦の後、平家の女たちが源氏方の宴席へ呼ばれる状況を描く歴史短編。敗者の側に置かれた女性の屈辱と気高さを、端正な時代語りで浮かび上がらせる。

屋島の戦の後、平家の女たちが源氏方の宴席へ呼ばれる状況を描く歴史短編。

256ページ
歴史小説平家女性敗者
島崎ひろ しまざき ひろ 受賞
飛べないシーソー

上がることも下がることもできないシーソーの感覚を、人間関係の停滞や片側だけに重みがかかる関係に重ねる短編。軽い遊具のイメージから、動けない心の状態を描く。

上がることも下がることもできないシーソーの感覚を、人間関係の停滞や片側だけに重みがかかる関係に重ねる短編。

短編人間関係停滞心理
乾ルカ いぬい るか 受賞

乾ルカの初期短編集。記憶、喪失、子ども時代の傷をめぐる物語が、明るい題名とは対照的な陰影を帯びて展開する。

明るい光の奥に、消えない記憶の影が差す。

285ページ
短編記憶喪失成長
小野寺史宜 おのでら ふみよし 受賞
裏へ走り蹴り込め

サッカーの動きと人間関係の緊張を重ねた新人賞受賞作。単行本化は確認できず、雑誌掲載作として作者の出発点を示す作品とみられる。

ボールを追う身体の先に、若い書き手の勢いが見える。

サッカー新人賞成長
野田栄二 のだ えいじ 受賞
黄砂吹く

『黄砂吹く』は、野田栄二による作品で、2005年のオール讀物新人賞で受賞に選ばれた。

オール讀物新人賞で評価された野田栄二の作品。

オール讀物新人賞受賞
永田俊也 ながた としや 受賞

上方の女漫才コンビを中心に、芸の呼吸と人生の機微を描く短編。軽妙な掛け合いの奥に、舞台に立つ者の意地と時間の重みがにじむ。

笑いの間合いが、女たちの来し方を照らす。

262ページ
漫才上方芸能女性コンビ舞台
志川節子 しがわ せつこ 受賞
七転び

「七転び」は、志川節子による受賞作品です。人物の感情や関係の揺れを軸に、時代や場所の空気を映しながら読者を作品世界へ導きます。

七転びは、受賞歴を通じて広く知られるようになった作品です。

人間関係記憶日常と非日常
竹村肇 たけむら はじめ 受賞
パパの分量

「パパの分量」は、竹村肇による受賞作品です。人物の感情や関係の揺れを軸に、時代や場所の空気を映しながら読者を作品世界へ導きます。

パパの分量は、受賞歴を通じて広く知られるようになった作品です。

人間関係記憶日常と非日常
桜木紫乃 さくらぎ しの 受賞

北海道の酪農地を舞台に、土地を継ぐ人々の思いと、そこで交差する男女の感情を描く短編。北の自然の厳しさと生活の匂いが、静かな痛みを伴って物語を支える。

酪農の土地に生きる人々の悲しみと希望が、北の空気の中で交差する。

219ページ
北海道酪農家族土地
山本恵子 やまもと けいこ 受賞
夫婦(めおと)鯉

夫婦の関係を鯉のイメージに重ね、暮らしの中の情とすれ違いを描く短編。人と人が長く連れ添うことの可笑しみや苦みを、身近な題材から浮かび上がらせる。

夫婦という水の中で、二匹の鯉のように思いが交差する。

夫婦短編暮らし
大西幸 おおにし さち 受賞
相思花

互いを思う心がすれ違いながら、花のイメージに感情を託して展開する短編。人情小説の読みやすさのなかに、恋慕と諦めの余韻が残る。

『相思花』は、大西幸の作風が凝縮された受賞作。

短編恋愛人情余韻
三田完 みた かん 受賞
櫻川イワンの恋

異国的な名前を持つ人物をめぐる恋と人間関係を描いた短編小説。新人賞受賞作として発表された作品で、単独書籍としての刊行は確認できない。

櫻川イワンの恋

恋愛新人賞短編
平安寿子 へいあん としこ 受賞
素晴らしい一日

『素晴らしい一日』は、1999年の受賞対象となった文学作品です。題名が示すイメージを軸に、作者の関心や同時代の表現感覚がうかがえる作品として位置づけられます。

『素晴らしい一日』は、題名の余韻から作品世界へ読者を引き込む文学作品です。

文学人間関係時代
三咲光郎 みさき みつろう 受賞
大正四年の狙撃手(スナイパー)
山本一力 やまもと いちりき 受賞

『蒼龍』は、山本 一力の受賞作として注目された作品。題名が示す中心的なイメージを軸に、人物や出来事の変化を追う。

『蒼龍』は、受賞時の時代感覚と作者の関心が交わる作品。

333ページ
受賞作人物の変化時代と社会
乙川優三郎 おとかわ ゆうざぶろう 受賞
藪燕

乙川優三郎『藪燕』は、オール讀物新人賞で取り上げられた作品です。題名が示す印象を軸に、人物の選択や時代の空気を通して、読後に余韻を残す世界を描いています。

『藪燕』は、受賞作として読まれてきた作品の核を静かに伝える一作です。

人生記憶時代
宇江佐真理 うえさ まり 受賞
幻の声

『幻の声』は、宇江佐真理によるオール讀物新人賞受賞作。受賞時の評価対象となった作品で、題名やジャンルの特性を手がかりに、作者の関心が凝縮された一作として読める。

宇江佐真理の表現が、幻の声という題名に凝縮されたオール讀物新人賞受賞作。

受賞作オール讀物新人賞作者性
片野喜章 かたの きしょう 受賞
寛政見立番付

『寛政見立番付』は片野喜章による受賞作品です。単行本・文庫・短編集としての刊行確認は限定的ですが、受賞作として作者の同時期の表現を示す作品です。

『寛政見立番付』は、片野喜章の受賞対象となった作品です。

受賞作同時代の表現作者の展開
高木功 たかぎ いさお 受賞
6000フィートの夏

『6000フィートの夏』は、高木功による作品で、オール讀物新人賞の受賞作です。受賞対象となった作品として、人物や社会の緊張、記憶、日常の変化を描く読み物です。

オール讀物新人賞で評価された、高木功の作品です。

文学賞受賞作人物描写時代と記憶
高橋直樹 たかはし なおき 受賞
尼子悲話

戦国大名尼子氏にまつわる悲劇を題材にした歴史小説。のちの高橋直樹の歴史小説へつながる、敗者の記憶と武家社会の哀切を描いた初期作品である。

尼子氏の滅びの影から、敗者の声をすくい上げる。

戦国時代尼子氏敗者の歴史悲劇
月足亮 つきあし りょう 受賞
北風のランナー

「北風のランナー」は、走ることを軸に人物の孤独や前進への意志を描いた新人賞受賞作。題名が示す冷たい風の感触が、若い主人公の緊張と疾走感を支える。

北風の中を走る身体が、前へ進む理由を探し続ける。

走ること青春孤独前進
大内曜子 おおうち ようこ 受賞
光の戦士たち

新人賞受賞作として発表された短編で、タイトルが示す光と戦いのイメージを軸に、日常の中で立ち上がる決意を描く作品として位置づけられる。

光を求める人々の姿を、受賞作らしい凝縮した筆致で描く。

新人文学希望成長葛藤
大江いくの おおえ いくの 受賞
制服

大江いくのの新人賞受賞作。制服という身近な記号を通じて、若さ、規律、個人の感情の揺れを描く短篇。

制服の内側で、まだ言葉にならない感情が動き出す。

短篇青春制服新人賞
高橋和島 たかはし かずしま 受賞

『十三姫子が菅を刈る』は、高橋和島による短編小説。受賞として記録され、作品の題名やジャンルから作者の初期・代表的な関心がうかがえる。

高橋和島の『十三姫子が菅を刈る』は、受賞歴とともに読み継がれる短編小説。

349ページ
短編小説文学賞受賞作日本文学
崎村亮介 さきむら りょうすけ 受賞
軟弱なからし明太子

『軟弱なからし明太子』は崎村亮介による受賞作です。受賞時に評価された主題、語りの調子、人物や場面の立ち上げ方を通じて、作者の関心が凝縮された作品として読むことができます。

『軟弱なからし明太子』は、受賞時に注目された表現の核を手がかりに読み解きたい作品です。

受賞作表現同時代性
味尾長太 みお ちょうた 受賞
ジャパゆき梅子

海外へ向かう女性の生と、時代のなかで揺れる移動、労働、欲望を描いた小説。題名の強い響きが、個人の物語と社会の視線の交差を示している。

ジャパゆき梅子は、味尾長太の表現の核を伝える一作である。

文学記憶社会人間関係
渡辺真理子 わたなべ まりこ 受賞
鬼灯市

鬼灯市という季節の風物を背景にした短編小説です。市のにぎわいと人の思惑が重なり、日常の中に潜む陰影をすくい上げます。

夏の市の明るさの奥で、人の心が静かに揺れる。

短編季節人間心理
桐生悠三 きりゅう ゆうぞう 受賞
チェストかわら版

桐生悠三の時代小説で、瓦版をめぐる町の出来事や人々の息づかいを描いた作品です。江戸の情報文化と庶民の活力を背景にした新人賞受賞作です。

町に飛び交う瓦版が、人々の噂と事件を生き生きと運びます。

時代小説瓦版江戸庶民
三宅孝太郎 みやけ こうたろう 受賞
夕映え河岸

夕暮れの河岸を舞台に、人の行き交いと過ぎ去る時間を描く時代小説。情景のあたたかさと、人物の胸中に残る寂しさが響き合う。

『夕映え河岸』は、三宅孝太郎の受賞作として、題名に込められた象徴から人間の記憶や感情を照らし出す。

時代小説河岸夕暮れ人情
城島明彦 じょうじま あきひこ 受賞
けさらんぱさらん

『けさらんぱさらん』は、受賞時に評価された題材と作者の視点が結びついた作品である。題名が示す人物、土地、出来事、記憶を手がかりに、時代の空気や人間関係の揺れを読者に伝える。

『けさらんぱさらん』は、題名に込められた含みから人間と時代の姿を浮かび上がらせる。

受賞作品人間関係時代性記憶社会
二取由子 にとり ゆうこ 受賞
眠りの前に

『眠りの前に』は、受賞時に評価された題材と作者の視点が結びついた作品である。題名が示す人物、土地、出来事、記憶を手がかりに、時代の空気や人間関係の揺れを読者に伝える。

『眠りの前に』は、題名に込められた含みから人間と時代の姿を浮かび上がらせる。

受賞作品人間関係時代性記憶社会
竹田真砂子 たけだ まさこ 受賞
十六夜に
森一彦 もり かずひこ 受賞
シャモ馬鹿
佐野寿人 さの ひさと 受賞
タイアップ屋さん
村越英文 むらこし ひでふみ 受賞
だから言わないコッチャナイ
海庭良和 かいにわ よしかず 受賞
ハーレムのサムライ

『ハーレムのサムライ』は、海庭良和が1981年前後に発表し、オール讀物新人賞の対象となった作品である。受賞文脈では、同時代の文学・詩歌・芸術表現のなかで独自の主題や形式が評価された。

オール讀物新人賞で注目された海庭良和の作品。

受賞作同時代表現文学賞
吉村正一郎 よしむら せいいちろう 受賞
石上草心の生涯

『石上草心の生涯』は、吉村正一郎が1981年前後に発表し、オール讀物新人賞の対象となった作品である。受賞文脈では、同時代の文学・詩歌・芸術表現のなかで独自の主題や形式が評価された。

オール讀物新人賞で注目された吉村正一郎の作品。

受賞作同時代表現文学賞
寺林峻 てらばやし しゅん 受賞
幕切れ

「幕切れ」は、農村歌舞伎最後の一座を描いた寺林峻の小説。地方に残る芝居の場と、それを支えてきた人びとの終幕を見つめる作品として、1980年のオール讀物新人賞を受賞した。

農村歌舞伎の最後の一座を通して、失われゆく舞台と人びとの時間を描く。

農村歌舞伎地方芸能終幕共同体新人文学
大久保智曠 おおくぼ ともひろ 受賞
百合野通りから

大久保智曠名義で発表された小説作品。のちに大久保権八として活動する作者の出発点にあたり、1980年のオール讀物新人賞受賞作として『オール讀物』に掲載された。

大久保智曠が作家として歩み出す契機となった、オール讀物新人賞受賞作。

新人賞デビュー作短編小説雑誌掲載作
佐野文哉 さの ふみや 受賞
北斎の弟子

葛飾北斎の周辺にいる弟子を題材にした歴史小説。浮世絵の師弟関係と絵師の世界を背景に、江戸の芸術に身を置く人物のまなざしや葛藤を描いた作品と考えられる。

北斎の弟子という立場から、江戸の絵師の世界と芸の継承を見つめる。

葛飾北斎浮世絵弟子江戸芸の継承
佐々木譲 ささき じょう 受賞

『鉄騎兵、跳んだ』は、モトクロスに青春を賭ける青年を描いた佐々木譲のデビュー作。疾走するバイクのスピード感のなかに、挫折、恋、競争への焦り、若さの終わりに差しかかる切実さが重ねられる。

モトクロスの轟音のなかで、青年の恋と挫折が青春の終わりを告げる。

253ページ
モトクロス青春挫折競争デビュー作
澤哲也 さわ てつや 受賞
船霊(ぶなだま)

「船霊」は、船を守る神への信仰を題名に置いた短編小説。海や船をめぐる土地の記憶、働く人びとの暮らし、目に見えないものへの畏れが交差する物語として読むことができる。

船を守る神への畏れが、海辺の暮らしの奥に潜む記憶を呼び起こす。

船霊信仰民俗地方新人賞受賞作
岡田信子 おかだ のぶこ 受賞

岡田信子がアメリカでの生活経験を背景に、異国の街で生きる人間の孤独と心の揺れを描いた短編小説である。ニューオーリンズという土地の響きを帯びた題名のもと、移動、記憶、生活の不安がブルースの感触と重ねられる。

異国の街を背景に、暮らしの不安と記憶がブルースのように低く響く。

302ページ
アメリカ異郷孤独移動記憶
原田太朗 はらだ たろう 受賞
鶏と女と土方

『鶏と女と土方』は、原田太朗が小説の形式で人物の感情や時代の気配を描いた作品です。受賞歴からも、題材の扱いと文体の緊張感が同時代の読者に強い印象を残したことがうかがえます。

『鶏と女と土方』は、小説の枠組みの中で、人物の葛藤と市井の生活を印象的に浮かび上がらせる作品です。

人物の葛藤市井の生活短編性
恢余子 かいよこ 受賞
二人妻

『二人妻』は、恢余子が小説の形式で人物の感情や時代の気配を描いた作品です。受賞歴からも、題材の扱いと文体の緊張感が同時代の読者に強い印象を残したことがうかがえます。

『二人妻』は、小説の枠組みの中で、人物の葛藤と市井の生活を印象的に浮かび上がらせる作品です。

人物の葛藤市井の生活短編性
小堀新吉 こぼり しんきち 受賞
兄ちゃんを見た

『兄ちゃんを見た』は、小堀新吉が小説の形式で人物の感情や時代の気配を描いた作品です。受賞歴からも、題材の扱いと文体の緊張感が同時代の読者に強い印象を残したことがうかがえます。

『兄ちゃんを見た』は、小説の枠組みの中で、人物の葛藤と市井の生活を印象的に浮かび上がらせる作品です。

人物の葛藤市井の生活短編性
黒沢いづ子 くろさわ いづこ 受賞
かべちょろ

『かべちょろ』は、黒沢いづ子が小説の形式で人物の感情や時代の気配を描いた作品です。受賞歴からも、題材の扱いと文体の緊張感が同時代の読者に強い印象を残したことがうかがえます。

『かべちょろ』は、小説の枠組みの中で、人物の葛藤と市井の生活を印象的に浮かび上がらせる作品です。

人物の葛藤市井の生活短編性
堀和久 ほり かずひさ 受賞

『享保貢象始末』は、享保期に渡来した白象とその世話に携わる人々を描く時代小説です。表題作を含む作品群は、江戸の制度や風俗を背景に、珍事の華やかさと人間の哀しみを重ねています。

享保貢象始末は、堀和久が時代小説の形式で人物と時代の手ざわりを描いた作品です。

302ページ
江戸時代献上象人情
小松重男 こまつ しげお 受賞
年季奉公

『年季奉公』は、小松重男の出発点となった時代小説です。奉公という拘束された生活を通して、身分や労働、人の情の暗い手触りを描き、後年の小松作品に続く庶民への視線を感じさせます。

年季奉公は、小松重男が時代小説の形式で人物と時代の手ざわりを描いた作品です。

奉公身分庶民の哀歓
軒上泊 のかみ はく 受賞
九月の町

『九月の町』は、少年院に入ることになった少年の経験を通じて、未熟さ、反抗、成長の痛みを描く青春小説です。映画『サード』の原作としても知られ、閉ざされた場所から外の世界を見つめる若者の息苦しさが作品の中心にあります。

九月の町は、軒上泊が青春小説の形式で人物と時代の手ざわりを描いた作品です。

243ページ
青春少年院成長の痛み
桐部次郎 きりべ じろう 受賞
横須賀線にて

通勤・移動の場である横須賀線を舞台に、人と人がすれ違う時間を描く短編。車内の限られた空間が、都市生活の孤独や偶然の出会いを映す。

走る車内で、都市の孤独と記憶が一瞬だけ交差する。

短編鉄道都市孤独偶然
山口四郎 やまぐち しろう 受賞
たぬきの戦場

民話的な題名と戦場の語を組み合わせ、滑稽さと不穏さを同時に漂わせる短編。人間の争いや社会の歪みを、寓話的な視点から照らす。

笑いの形を借りて、戦いのばかばかしさが浮かび上がる。

短編寓話戦争風刺民話性
小野紀美子 おの きみこ 受賞
喪服のノンナ

喪服の女性像を中心に、記憶、喪失、秘められた感情をたどる短編小説。静かな場面の背後に、人物の過去と関係の陰影が浮かび上がる。

黒い衣服の奥に、語られなかった感情が沈んでいる。

短編喪失記憶女性像心理
瀬山寛二 せやま かんじ 受賞
青い航跡

海や旅のイメージを背景に、若い人物の選択と別れを描く短編小説。題名の青さは、希望と孤独の両方を帯びた航路として響く。

海に残る航跡のように、選択のあとが静かに続いていく。

短編青春別れ
加野厚志 かの あつし 受賞
天国の番人

死後の世界を思わせる題名を手がかりに、人間の罪や救済への想像力を扱う短篇小説。オール讀物新人賞の受賞作として、読者を引き込む設定と寓話性が評価対象になった作品である。

『天国の番人』は、加野厚志の表現を受賞作として伝える作品です。

死生観救済寓話
楢山芙二夫 ならやま ふじお 受賞

異国の大都市を背景に、武士道的な身ぶりと現代的な孤立感を交差させる娯楽小説。オール讀物新人賞の受賞作として、時代小説的な感覚を海外の都市空間へ移した点に特色がある。

『ニューヨークのサムライ』は、楢山芙二夫の表現を受賞作として伝える作品です。

286ページ
異文化武士道都市娯楽小説
相沢武夫 あいざわ たけお 受賞
戊辰瞽女唄

戊辰戦争後の土地の記憶と、瞽女唄に託された声を結びつける歴史小説。敗者の側に残る痛みを民間の語りに近い手触りで扱い、新人賞らしい題材の強さを示す。

『戊辰瞽女唄』は、相沢武夫の表現を受賞作として伝える作品です。

戊辰戦争民衆史瞽女唄記憶
醍醐麻沙夫 だいご まさお 受賞
「銀座」と南十字星

『「銀座」と南十字星』は、醍醐麻沙夫によるの受賞作です。題名が示す人物・場所・出来事を軸に、当時の文学・芸術表現の文脈で評価された作品として位置づけられます。

で評価された、醍醐麻沙夫の『「銀座」と南十字星』。

292ページ
受賞作文学・芸術時代の表現
榊原直人 さかきばら なおと 受賞
仏の城

『仏の城』は、榊原直人によるの受賞作です。題名が示す人物・場所・出来事を軸に、当時の文学・芸術表現の文脈で評価された作品として位置づけられます。

で評価された、榊原直人の『仏の城』。

受賞作文学・芸術時代の表現
中林亮介 なかばやし りょうすけ 受賞
梔子の草湯

『梔子の草湯』は、中林亮介によるの受賞作です。題名が示す人物・場所・出来事を軸に、当時の文学・芸術表現の文脈で評価された作品として位置づけられます。

で評価された、中林亮介の『梔子の草湯』。

受賞作文学・芸術時代の表現
葉狩哲 はがり てつ 受賞
俺達のさよなら

『俺達のさよなら』は、葉狩哲によるの受賞作です。題名が示す人物・場所・出来事を軸に、当時の文学・芸術表現の文脈で評価された作品として位置づけられます。

で評価された、葉狩哲の『俺達のさよなら』。

受賞作文学・芸術時代の表現
該当なし
川村久志 かわむら ひさし 受賞
土曜の夜の狼たち

『土曜の夜の狼たち』は、川村久志によるの受賞作です。題名が示す人物・場所・出来事を軸に、当時の文学・芸術表現の文脈で評価された作品として位置づけられます。

で評価された、川村久志の『土曜の夜の狼たち』。

受賞作文学・芸術時代の表現
平忠夫 たいら ただお 受賞

『真夜中の少年』は、平忠夫によるの受賞作です。題名が示す人物・場所・出来事を軸に、当時の文学・芸術表現の文脈で評価された作品として位置づけられます。

で評価された、平忠夫の『真夜中の少年』。

246ページ
受賞作文学・芸術時代の表現
難波利三 なんば りぞう 受賞
地虫

『地虫』は、難波利三によるの受賞作です。題名が示す人物・場所・出来事を軸に、当時の文学・芸術表現の文脈で評価された作品として位置づけられます。

で評価された、難波利三の『地虫』。

258ページ
受賞作文学・芸術時代の表現
石井博 いしい ひろし 受賞

『老人と猫』は、石井博による作品。受賞時期の文学・出版状況を映し、題名が示す人物、場所、事件を軸にした表現が作品の核になっている。

『老人と猫』は、受賞作として残る題材の強さと作者の視点を伝える作品である。

255ページ
受賞作作品昭和期の文学作者の視点
藤沢周平 ふじさわ しゅうへい 受賞
溟い海

『溟い海』は、藤沢周平による作品。受賞時期の文学・出版状況を映し、題名が示す人物、場所、事件を軸にした表現が作品の核になっている。

『溟い海』は、受賞作として残る題材の強さと作者の視点を伝える作品である。

受賞作作品昭和期の文学作者の視点
稲村格 いなむら かく 受賞
はしか犬

一風変わった表題を持つ短篇で、人物の不器用さや社会からのずれを物語化する。新人賞の受賞作として、題材の個性と語りの勢いが目を引く。

はしか犬は、稲村格の表現が受賞時の評価と結びついた作品である。

疎外個性社会
古屋甚一 ふるや じんいち 受賞
潮の齢

潮の満ち引きを思わせる時間感覚のなかで、人間の成熟や老いを描く短篇。自然のリズムと人生の節目が重ねられている。

潮の齢は、古屋甚一の表現が受賞時の評価と結びついた作品である。

時間老い自然
前田豊 まえだ ゆたか 受賞
川の終り

川の流れと終着点をめぐるイメージを軸に、人の移動や人生の区切りを描く短篇。静かな題名の奥に、変化を受け入れる人物の姿が置かれる。

川の終りは、前田豊の表現が受賞時の評価と結びついた作品である。

人生転機
黒岩竜太 くろいわ りゅうた 受賞
裏通りの炎

都市の裏通りを思わせる場面に、鬱屈した感情と事件性を重ねる短篇。大衆文芸の新人賞らしく、読ませる筋立てと人物の熱量が中心にある。

裏通りの炎は、黒岩竜太の表現が受賞時の評価と結びついた作品である。

都市事件情念
会田五郎 あいだ ごろう 受賞
チンチン踏切

踏切という身近な場を手がかりに、庶民生活の哀歓と小さな事件を描く短篇。日常的な音や風景が、人物の記憶と感情を呼び起こす。

チンチン踏切は、会田五郎の表現が受賞時の評価と結びついた作品である。

日常庶民生活記憶
川崎敬一 かわさき けいいち 受賞
麦の虫

生活の現場に根ざした題材を通じて、人間の執着や弱さを描く短篇。新人賞の場では、庶民的な感覚と物語性が評価対象となった。

麦の虫は、川崎敬一の表現が受賞時の評価と結びついた作品である。

生活執着庶民性
高森真士 たかもり しんじ 受賞

犯罪と暴力の気配をめぐって、人間の暗部を押し出す小説。表題の強さが、登場人物の衝動や社会への不信を象徴する。

兇器は、高森真士の表現が受賞時の評価と結びついた作品である。

261ページ
犯罪暴力心理
豊田行二 とよだ ぎょうじ 受賞
示談書

事件後の交渉や人間関係を題材に、社会の裏側と当事者の心理を追う娯楽小説。新人賞の受賞作として、後の大衆小説へ向かう作者の出発点を示す。

示談書は、豊田行二の表現が受賞時の評価と結びついた作品である。

296ページ
事件交渉大衆小説
土井稔 どい みのる 受賞
隣家の律儀者

隣家との距離感や日常の律儀さを題材に、人間関係に潜む可笑しみと緊張を描く短編。身近な生活の場面から、他人を理解する難しさがにじむ。

隣り合う暮らしの中で、律儀さは思わぬ波紋を生む。

短編社会孤独
山村直樹 やまむら なおき 受賞
破門の記

破門という断絶をめぐり、組織や人間関係から切り離される者の感情を描いた短編。時代小説・大衆小説の語り口で、義理と孤立の重さを浮かび上がらせる。

関係を断たれた瞬間、人の誇りと弱さが同時にあらわれる。

短編社会孤独
菅野照代 すがの てるよ 受賞
ふくさ

袱紗という身近な品を通じて、人の記憶や礼法、暮らしの感情をすくい取る短編。小さな道具に託された関係の機微が、静かな余韻を残す。

一枚の布に、人の思いと暮らしの作法が重なっていく。

短編記憶女性
富永滋人 とみなが しげと 受賞
ぼてこ陣屋

「ぼてこ陣屋」は、1965年下期のオール讀物新人賞を受けた富永滋人の短編作品。受賞記録は確認できるが、受賞作を収録した単行本・文庫・短編集は確認できない。

富永滋人の名をオール讀物新人賞に刻んだ雑誌掲載短編。

新人賞受賞作短編小説オール讀物1960年代の大衆文芸
今村了介 いまむら りょうすけ 受賞
蒼天

「蒼天」は、1965年上期のオール讀物新人賞を受けた今村了介の短編作品。現時点で単行本・文庫・短編集への収録を確認できず、雑誌掲載作として伝わる初期作品である。

雑誌掲載作として残る、今村了介の受賞デビュー作。

新人賞受賞作短編小説オール讀物1960年代の文芸誌
中川静子 なかがわ しずこ 受賞
幽囚転転

拘束された状態が転々と移る感覚を題名に持つ、中川静子の小説。閉じ込められた時間と移動の不安を重ね、苦しい状況に置かれた人間の内面を追う作品として読める。

幽囚の時間は一か所に留まらず、転々と形を変えて人を追い詰める。

幽閉移動不安直木賞候補作
明田鉄男 あきた てつお 受賞
月明に飛ぶ

月明かりの下での飛翔を思わせる題名を持つ、明田鉄男の小説作品。歴史や事件への関心をもつ著者の初期小説として、暗がりの中にある行動と心理の高まりを感じさせる。

月明かりに照らされた飛翔は、闇の中で動き出す心の比喩として響く。

飛翔歴史へのまなざし転機
武田八洲満 たけだ やしまん 受賞
大事

時代小説を多く手がけた武田八洲満の初期短編。題名が示す一つの重大な局面を軸に、人の決断と責任が交差する物語として読める。

一つの「大事」を前に、人は何を守り、何を選ぶのかが問われる。

決断責任時代小説人情
早崎慶三 はやさき けいぞう 受賞
紐付きの恩賞

「恩賞」という制度的な報いに「紐付き」という制約を重ねた題名が、功績と見返りの不自由さを示す短編。人間関係や共同体のしがらみの中で、与えられるものの重さを描く作品として読める。

与えられた恩賞は、自由ではなく新たなしがらみを連れてくる。

恩賞しがらみ共同体責任
原田八束 はらだ やつか 受賞
落暉伝

『落暉伝』は、原田八束のオール讀物新人賞受賞作。中国奥地を放浪した経験を持つ作者らしく、夕陽を思わせる題名のもと、辺境、移動、歴史の残照を帯びた物語として位置づけられる。

沈む日の残照の中に、辺境を歩く人間の影が浮かぶ。

248ページ
歴史小説辺境移動新人賞
稲垣史生 いながき ふみお 受賞
花の御所

『花の御所』は、稲垣史生が時代考証の知識を背景に書いた歴史小説。足利将軍家の権力空間を思わせる題名のもと、権威、儀礼、人の思惑が交差する歴史の場面を描いた作品と位置づけられる。

権威の場に咲く花の陰で、人の思惑が動き出す。

歴史小説時代考証室町時代権力
野火鳥夫 のびどり とりお 受賞
灌木(ブッシュ)の唄

鳥尾伸銅の新人賞受賞作。題名にある灌木のイメージから、荒れた土地に根を張るもののしぶとさや、名もない人びとの生活の声を歌として立ち上げる作品と考えられる。

灌木のように地に残る生活の声を、荒さを含んだ歌として響かせる。

新人文学生活土地抵抗
該当なし
中村光至 なかむら みつし 受賞
白い紐

「白い紐」は、オール新人杯受賞作として確認できる短編。日常的な物の名を題に掲げ、ささやかな手触りから人物関係や心理の緊張を描き出す作品と考えられる。

一本の白い紐が、人物の心に潜む結び目を浮かび上がらせる。

短編小説象徴的な小道具心理描写新人文学
幸川牧生 ゆきかわ まきお 受賞
懸命の地

「懸命の地」は、オール新人杯を受けた幸川牧生の短編。題名が示すように、ある土地に根を下ろして生きようとする人物の切実さを描いた作品として読める。

生きる場所をめぐる切実な思いが、短編の凝縮された形で立ち上がる。

土地生活の切迫新人短編戦後の人間像
滝口康彦 たきぐち やすひこ 受賞
綾尾内記覚書

滝口康彦の歴史短編で、主君や家に縛られた武士の記憶と決断を描く。のちの剣豪・武家ものにつながる緊張感があり、歴史の片隅に置かれた人物の意地と哀しみを浮かび上がらせる。

武家の記憶に閉じ込められた男の意地が、静かな緊張を生む。

歴史小説武士主家記憶意地
高橋達三 たかはし たつぞう 受賞
匙(ローシカ)

題名のロシア語風の響きが示すように、異国的な空気と生活の細部を重ねた短編小説。日常の中にある小さな道具を手がかりに、人の記憶や感情の揺れを描いた作品として受け止められる。

小さな匙が、暮らしの記憶と心の揺れをすくい上げる。

短編小説記憶生活道具異国性新人賞
酒井健亀 さかい けんかめ 受賞
窮鼠の眼

窮鼠の眼は酒井健亀による受賞作。作品の刊行状況と入手可能な本の情報を確認したうえで扱う。

酒井健亀による受賞作。

受賞作刊行状況作品背景
田中敏樹 たなか としき 受賞
切腹九人目

『切腹九人目』は、田中敏樹による小説・文芸作品である。受賞時期の文学・文化状況の中で評価された作品として、作者の関心や時代の空気を伝える。

『切腹九人目』は、田中敏樹の仕事の中で受賞歴と結びついて記憶される一作である。

人間関係時代戦後文学
小田武雄 おだ たけお 受賞
紙漉風土記

『紙漉風土記』は、小田武雄による小説作品で、オール讀物新人賞の1957-2回で受賞対象となった作品です。公開資料で確認できる範囲では、刊行形態や後年の収録状況を中心にたどれる作品です。

小田武雄の『紙漉風土記』は、受賞歴を通して現在も作品名をたどることができる一作です。

小説作品受賞作戦後文学
来水明子 らいすい あきこ 受賞
寵臣

『寵臣』は来水明子による受賞対象作で、当該賞の回次で評価された作品である。刊行形態は作品名と著者名をもとに書籍データベースで確認し、単独書籍または収録書籍として確認できる範囲だけを識別子に反映している。

来水明子の『寵臣』を、受賞対象作として読むための入口となる作品紹介。

受賞作品文学賞刊行確認
福永令三 ふくなが れいぞう 受賞
赤い鴉

『赤い鴉』は、福永令三による小説・文芸作品である。受賞時期の文学・文化状況の中で評価された作品として、作者の関心や時代の空気を伝える。

『赤い鴉』は、福永令三の仕事の中で受賞歴と結びついて記憶される一作である。

人間関係時代戦後文学
寺内大吉 てらうち だいきち 受賞
黒い旅路

『黒い旅路』は、寺内大吉による小説作品で、オール讀物新人賞の1956-1回で受賞対象となった作品です。公開資料で確認できる範囲では、刊行形態や後年の収録状況を中心にたどれる作品です。

寺内大吉の『黒い旅路』は、受賞歴を通して現在も作品名をたどることができる一作です。

小説作品受賞作戦後文学
森葉治 もり はじ 受賞
傍流

傍流は森葉治による受賞作。作品の刊行状況と入手可能な本の情報を確認したうえで扱う。

森葉治による受賞作。

受賞作刊行状況作品背景
胡桃沢耕史 くるみざわ こうじ 受賞

「壮士再び帰らず」は、清水正二郎名義で発表された胡桃沢耕史の初期短編で、第7回オール讀物新人賞の受賞作である。中央アジア探検を背景に、異境へ踏み出す男たちの熱と危うさを描き、のちの冒険小説作家としての方向性を早くから示した作品と位置づけられる。

中央アジアの荒野へ向かう壮士たちの夢と危険が、胡桃沢耕史の冒険小説の原点を形づくる。

293ページ
中央アジア探検異境への憧れ冒険と危険戦後作家の出発点
池田直彦 いけだ なおひこ 受賞
二潡港(あるとんかん)

『二潡港(あるとんかん)』は、池田直彦によるオール讀物新人賞受賞作である。公開情報で確認できる範囲では、作品名と受賞歴を中心に伝わる作品で、同時代の大衆文芸新人賞における受賞作として記録されている。

戦後の大衆文芸新人賞に名を残す、池田直彦の受賞作である。

新人賞受賞作大衆文芸戦後文学作品記録
柳田知怒夫 やなぎだ ちぬお 受賞
お小人騒動

「お小人騒動」は、柳田知怒夫が時代小説家として歩み出すきっかけになった短編です。歴史のなかの小さな騒ぎを題材に、身分や立場の違いが生む緊張、庶民のしたたかさ、時代の空気を描いた作品と考えられます。

時代の片隅で起こる騒動から、人びとの立場と感情が浮かび上がる新人賞受賞作です。

時代小説身分庶民騒動新人賞
松浦幸男 まつうら ゆきお 受賞
宝くじ挽歌

「宝くじ挽歌」は、初期のオール新人杯で選ばれた松浦幸雄の短編小説。題名が示す偶然の幸運と哀感の取り合わせから、戦後の庶民生活に差す期待と失意を扱った作品として読むことができる。

宝くじの夢と挽歌の響きが、戦後の暮らしの明暗を浮かび上がらせる。

宝くじ戦後生活庶民偶然失意短編小説
白藤茂 しらふじ しげる 受賞
亡命記

「亡命記」は、白藤茂がオール新人杯を受けた小説で、戦後まもない東アジアの政治的緊張と亡命者の運命を描いた作品。のちに松竹で映画化され、香港ロケを交えた国際色のある物語として知られる。

戦後東アジアの不安の中で、亡命者の行方を追う物語。

亡命戦後東アジア政治的緊張映画化オール新人杯
八坂龍一 やさか りゅういち 受賞
女郎部唄

「女郎部唄」は、八坂龍一によるオール讀物新人賞受賞作です。題名からは民謡や地方の語りを思わせる響きがあり、女性たちの生活や情念を、歌の記憶と結びつけて描いた短編と考えられます。

唄の響きに人びとの生活と情念を重ねる、昭和二十八年の新人賞受賞作です。

民謡地方女性情念新人賞
南條範夫 なんじょう のりお 受賞

南條範夫「子守りの殿」は、時代小説の枠組みの中で、身分や役割から外れた人物の滑稽さと悲哀を描く短編です。武士社会の建前と人間の欲望が交差する場面を、皮肉を含んだ語りで浮かび上がらせます。

武士社会の体面と人間くささを、南條範夫らしい皮肉で描く新人賞受賞作です。

222ページ
時代小説武士社会皮肉身分人間喜劇