書籍情報
- 出版社
- 河出書房新社
- 発売日
- 1992-01-01
- ページ数
- 188ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784309007397
- ISBN-10
- 4309007392
- 価格
- 1 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品/日本文学
第28回(1991年) 文藝賞受賞
レビュー
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一人の女性の不思議な魅力
とくに生きる目標もなく、毎日を平凡に生きてきた一人の男がある日過去に知り合いだった女性に数年ぶりに出会う。その女性には不思議な魅力があった。本気とも嘘ともつかない態度を何度もとり、男は女性の操り人形のごとく弄ばれ、人生をめちゃくちゃにされてしまう。 小説の中の文章にもかかわらず、この女性の魅力は読んでいる側に十分伝わってくる。この男に限らず、もし現実にこのような不思議な魅力を持った女性がいれば、何人もの男が弄ばれ、だめになっていくかもしれない。
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妄想の正体
ストーリーは主人公昇の回想形式で、かつて大阪でであった二人の女性との話だ。昇は判断力に欠けたどっちつかずな性格で、就職の事でかなり迷っている。温厚な景子は優しく接してくれるが、かなりサデスティックな殊理は昇の生活を滅茶苦茶にさせる。洒落た比喩表現も多々ありこれは得点が高い。 ただ、注意しなくてはいけないのが、殊理と言う女。はたして昇るの身近な所に存在していたか?と言う事だ。僕の考えでは殊理という女性は昇の妄想である。だが、殊理という妄想を通じて昇が昇自身に本心を語っていると思うのだ。 だから殊理はそんなに好きでもない彼女と昇を別れさせたし、行きたくもない会社の内定も断らせた。それは本当は殊理に従ったのではなく、自分自身の根底に在る本心に従ったのだと思った。そしてそれはストーリーの節々に出てくる薔薇のような赤として表現されている。 なおこの作品は 【第28回(1991年)文藝賞】受賞作
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