日本の文学賞

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書籍情報

出版社
河出書房新社
発売日
1992-01-01
ページ数
253ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784309007403
ISBN-10
4309007406
価格
2341 JPY
カテゴリ
本/文学・評論

第28回(1991年) 文藝賞受賞

レビュー

  • 悪達者

    一見、新人にしてはうまく書けているのだが、半分かた私小説らしい割に、井上靖の『あすなろ物語』のようで、民俗色豊かな長野の村で知的で裕福な家に育った少年の、性の目ざめとその後という展開が古めかしく、通俗的で、真に刺さるところがない。はあ女にもてる少年だったんですねえと思ってしまうのだが。

  • 鼓腹撃壌

    『撃壌歌』です。第28回文藝賞受賞作品。 戦後すぐの長野県の田舎を舞台とした、神に愛された地に生きる少年の成長譚、ということになるかと思います。 作品は大きく二部に分かれていて、前半は主人公の少年がまだ10歳か11歳くらいの時。後半は、それから7年ほど経って大学受験を控えた頃、となっています。 全体を通じて、神に愛された地と謳うだけあって、自然描写がしっかりとしています。硬質な文章も読み応えがあります。戦前から戦後すぐにかけての時代が題材なので、古き良き地主制度と、後半では500年続いたパラダイス崩壊の跫音として高度経済成長の気配として高速道路建設の話が聞こえてきます。 時代背景だけを見ると、なんか古くさくてとっつきにくそうだと感じてしまいそうですが、本書で描かれているメインは、主人公と2つほど年上のヒロインとの関係です。 前半のみどころは、ヒロインの足の怪我から始まった子供同士のイケナイ性的な遊び。 後半は、両者の親のしがらみが諸々あって、別れ別れとなってしまったが、再びヒロインが戻ってきて再会して、という内容。 二人の距離は近くて遠く、撃壌の地が高速道路によって消えようとしている背景とあいまって、非常にせつなく感じました。自然描写が多いゆったりおとなしめの作品かと思ったら、後半の山場では中ボス大ボス的な二転三転の展開もあり、目が離せませんでした。 最後は、主人公が成長し、ここではないどこか、新しい鼓腹撃壌の地を見据える前向きな締めだと私は解釈しました。 評価。当然★5です。

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