作品情報
カプセルフィッシュは、受賞記録と書誌確認から輪郭を整理できる大西智子の作品である。
カプセルフィッシュは、大西智子による作品で、閉塞と再生を中心に読める。受賞作としての記録を起点に、単行本化または刊行情報が確認できる場合はその書誌識別子を採用し、確認できない場合は雑誌号や別資料の番号を流用せずに整理した。
レビュー要約
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反応は作品の題材と語り口に向けられている。設定や問題意識を評価する読みがある一方、公開情報が限られる作品では書誌的な確認を優先して慎重に整理した。
書籍情報
- 出版社
- 光文社
- 発売日
- 2015-09-17
- ページ数
- 285ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784334910563
- ISBN-10
- 4334910564
- 価格
- 95 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品
不倫の恋に破れ、仕事も失ったアラサ―女子の奮闘&成長物語 不倫、妊娠、流産、失恋ののち、追われるように会社を辞めた28歳ののりこは、祖母の暮らす海辺の小さな町にきていた。 祖父を亡くしたにもかかわらず気丈夫に生きる祖母や、事情を抱える不思議な少女との対話のなかで、何かを吹っ切り、少しずつ成長していくのりこの姿を軽妙に描いた連作集。
レビュー
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再生の物語
再生の物語。 文庫化を機に読み直した。 3年ぶりに出会った、のりことぱちこは、やはり繊細な中に芯の強さを感じさせて魅力的だった。 この話には、大西さんの分身達があちらこちらに散りばめられていると思う。 現実の彼女も、清楚で儚そうな日本美人でありながら、とても強い意志を持った漢(おとこ)でもあるから。 物語の中の時間は、あの時のままだけど、二人のその後も、ちょっぴり知りたいと思う。 唯川さんの言葉を借りれば 「ぜひ続きを読みたい」だ。 きっと素敵に年齢を重ねている事だろうなあ。
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「オン・ザ・ビーチ」を聞きながら...
名もない鄙びたビーチを舞台にした、婚期を逃しつつある主人公と周囲のあれこれを綴った連作集。 作品自体はユーモラスで人情味あふれた、エロもあり笑いもありの作風ですが、失恋と人生の癒やしを求めて毎日ひたすら潜っている主人公と、他に誰もいない寂れた美しいビーチの風景が、美しい叙情的な雰囲気を醸し出し、読み心地がいいです。 人間の小さな悩みや苦しみは、大きく深い海の前では全く取るに足らない小さなことだよ、というメッセージを感じました。 ちなみにこの小説を読んでいるとき、クリス・レアの「オン・ザ・ビーチ」が脳内BGMでずっとかかっていました...そういう作品です。
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カプセルから解き放たれた魚のように
小説宝石新人賞の優秀賞受賞作を冒頭においた、連作短編集。 一編読み終わると、次は、その次は・・・と、どんどんページを繰ってしまう面白さ。 その面白さは、登場人物たちがいきいきとして魅力的であることに由来する気がしました。 まず、流産して傷心のはずの主人公・のりこからして、「おばさん、ビキニ姿キツい」とからかってきた悪ガキたちに「てめーらぶっ殺すぞ」とすごんでしまう元気のよさ。 のりこの祖母や、のりこが働く村の診療所の院長先生も、とぼけた味わいを漂わせています。 中でも私が一番いいなぁと思ったのは、口をきかない小学生「ぱちこ」。 連作短編なのでのりことぱちこのパートが交互に語られるのですが、しだいにぱちこパートにのめりこんでしまいました。 ぱちこは、大人の目から見た「良い子」「カワイイ子」としては描かれていない。 生意気だし、小ずるいところもあるし、意固地になったり、子供っぽい考えなしの行動をとったりもする。 それでも彼女がトラブルにぶち当たるたび、「ガンバレ、ガンバレ」と親戚のおばちゃんのような気持ちで応援してしまいました。 それは、かつて小学生女子だった大人女子ならば誰でも「あるある」とうなずいてしまう、あの年頃の痛みや切なさを、彼女が一身に背負っているように感じられてしまうからでしょう。 一方、のりこパートでは、結婚や恋愛に揺れ動く20代後半~30代の女性をリアルに描いています。 のりこが出会うのがことごとくダメ男で、なんともいえない笑いを誘う。 最初の不倫相手はしょーもない男のようだし、婚活パーティーで親しくなった男は特殊な性癖の持ち主(特殊すぎて笑うしかない・・・)。 天然青年・菊池くんもラストはかっこよく決めてくれるかと思いきや、結局、オイオイちょっと待て・・・という感じ。 一人くらイイ男を出してくれても良かったにになぁ、という気がしますが、この作者はダメ男を書く時に筆が冴えるタイプなのかもしれません。 のりこ負けるなガンバレ、とこちらも思わず応援したくなってしまう感じでした。 20~30代の女性がメインターゲットだと思いますが、心にうるおいと明るい笑いを求める人なら誰にでもオススメ。 さわやかな良作でした。
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すべてにおいて中途半端だけど憎めないキャラクターたち
友人に薦められて読んだのですが、面白かったです。 作中の人物すべてが何か中途半端でありながら、 何かの目標に邁進するのだけど、結局というかやはりというか、中途半端に終わってしまう。 もちろん、そこにカタルシスなどないのだけど、 でも、憎めないし、むしろ共感を覚えずにいられない。 (ガチャガチャの)カプセルの中で、魚は出ようともがくのだけど、 見ている分には滑稽で、趣すら感じてしまう。 そんな読後感を味合わせてくれる1冊です。 私見ですが、P154の洋一の反応には大笑いさせていただきました。 「なんか私の人生、中途半端だなあ……」と思う方は、 ほっこりすると思うので、是非(笑)
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変な男と、かっこいい女を書かせるとよい
変な男を書かせると上手い。 かっこいい女を書かせると味がある。 大人しくまとまるより、 破綻するぐらい弾けたほうがいいと思う。 少し大人しめかな?
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- 小説宝石新人賞 第8回(2014年) ・優秀作