作品情報
歴史文学賞で選ばれた江宮隆之の『経清記』。
『経清記』は江宮隆之による作品で、歴史文学賞の1988年回で選ばれた。受賞作として、作者の関心や表現の特徴を伝える一作である。 新人物往来社の刊行物として読者に届けられた。
書籍情報
- 出版社
- KADOKAWA
- 発売日
- 1993-11-01
- ページ数
- 211ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784404020703
- ISBN-10
- 4404020708
- 価格
- 3375 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論
Amazon.co.jp: 経清記 : 江宮 隆之: 本
レビュー
-
平泉の歴史を学ぶのに良い作品
高橋克彦さんの炎立つも面白いですが、こちらも力作です。絶版になってしまったのは残念です。
-
このような清々しい生き方をしてみたい。
主人公は藤原経清、奥州藤原四代の開祖である。朝廷軍の将として蝦夷の長である安倍氏と戦ったのだが、戦の中で安倍氏の捕虜となり、頭領の頼良から軍略や弓術等を教えてほしいとの要請に武士として応えて、安倍軍団に様々な教えを施した。 その後、安倍頼良の娘を妻に向かえ子をもうけるも、非常大赦の発令により反逆の罪が許され、朝廷に一度は帰順する。しかし、自分の居場所は安倍一族、すなわち蝦夷とともにあることが天命であり自分にとっての王道であると悟り、再び安倍氏に合力することとなる。 しかし、同じ蝦夷である清原一族と朝廷軍との合同軍の前に安倍氏は滅ぼされてしまい、経清自身も捕らえられ、鋸引きという極刑を受け、じわじわと首を切られるという非常に残酷なやり方で首を落とされた。 この経清の生き様が実に清々しく読んでいて非常に気持ちいい。特に最後の処刑の場面も、一説には武士にあるまじき見苦しい最後であったという話も残っているが、この本では、京を見つめるように顎を上げ、下唇を噛んで、刑に服したという。真の武士とはこういうものだろう。 同じ藤原経清を扱った本に、高橋克彦の「炎立つ」があるが、こちらはどちらかと言うと大河ドラマの原作用といった内容で、ディティールが細かく且つドラマティックな内容でこれはこれで極めて泣けるお話になっているが、この「経清記」はもう少しシンプルにした「伝記」のような書き方になっており、余分な会話や説明が省かれ、物語の本質の部分を抽出したかのような内容となっている。
関連する文学賞
- 歴史文学賞 第13回(1988年) ・受賞