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無限の玄/風下の朱 (単行本)

三島由紀夫賞

無限の玄/風下の朱 (単行本)

古谷田奈月

父の死から始まる男たちの家族バンドの物語『無限の玄』と、女子野球を描く『風下の朱』を収めた中編集。家族やチームの中に潜む権力関係を、奇妙な熱と運動感で描く。

家族権力構造野球中編集

作品情報

死んでは蘇る父と、白球を追う女たちが、共同体の力学を露わにする。

筑摩書房刊。三島由紀夫賞受賞作『無限の玄』と芥川賞候補作『風下の朱』を併録した単行本として刊行され、後に文庫化もされた。

レビュー要約

  • 寓話性と身体感覚の強さが評価されている。家族や集団の中で当然視される支配を、奇抜な設定を通じて浮かび上がらせる点が印象的とされる。

書籍情報

出版社
筑摩書房
発売日
2018-07-13
ページ数
191ページ
言語
日本語
サイズ
13.2 x 1.3 x 18.9 cm
ISBN-13
9784480804808
ISBN-10
4480804803
価格
1540 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品/日本文学

第31回三島賞受賞作「無限の玄」 第159回芥川賞候補作「風下の朱」 W収録! 超弩級の新星が放つ奇跡のカップリング小説集 死んでは蘇る父に戸惑う男たち、魂の健康を賭けて野球する女たち―― 清新にして獰猛な赤と黒の物語はいまスパークする! <第31回三島賞受賞作「無限の玄」選評> ありえない物語を語るための敷居は低く設定されていて、秀逸な細部とエピソードが重なり、 連なるうちに我々はいともたやすくちょっと歪んだ宙間に遊ぶことができる。 小説を支える思想は柔軟で、かつ揺るぎがない。作者はこのような文体をどこで手に入れたのだろう。 ――辻原 登(第31回三島由紀夫賞選考委員) 受賞作の『無限の玄』は、その文体の閃きと余韻に達者なものを感じた。 各々の登場人物にも個性があり、父親が何度も生き返るという幻想的な設定も、 彼らの反応を通じて一層、効果的となった。 野心的ではあるが、あまりに未整理だった前候補作『リリース』と比すれば、長足の進歩であり、 設定を絞り込むことで、通念的な家族制度への懐疑という著者の主題は、各段に洗練された。 ――平野啓一郎(第31回三島由紀夫賞選考委員)

古谷田奈月(こやた・なつき) 1981年、千葉県我孫子市生まれ。2013年、「今年の贈り物」で第25回ファンタジーノベル大賞を受賞、『星の民のクリスマス』と改題して刊行。2017年、『リリース』で第30回三島由紀夫賞候補、第34回織田作之助賞受賞。2018年、「無限の玄」で第31回三島由紀夫賞受賞。「風下の朱」で第159回芥川龍之介賞候補となる。その他の作品に『ジュンのための6つの小曲』、『望むのは』など。

レビュー

  • 破滅的とでもいうのでしょうか

    無限の玄 賞受賞に惹かれたか、誰かに勧められたか覚えてないが、手に取りました。向き不向きはあると思いますが、私には理解できませんでした。無限の玄の家族の関係性、暮らし方、考え方、ラストに至るまで。小説、文学ってそういうものと言われればそうなのかもしれません。 風下の朱 スポーツを舞台にした作品。ただ試合するわけではないが無限の玄に比べれば、少しは入り込みやすい。でも、展開がやはり破滅的。三島由紀夫賞ということで類推すべきなのかもしれません。読書らしい読書せずに、56を超え、この半年ようやく読書を始めたおっさんには高度過ぎたようです。

  • 第31回三島由紀夫賞受賞作品。父、父の弟、兄弟、従弟の五人の家族。何度も何度も生き返る父。

    「無限の玄「」。 第31回三島由紀夫賞受賞作品。 父玄、父の弟喬、兄律、弟桂、従弟千尋の五人の家族。 その父が死んだ。 何度も何度も生き返る父。 父の遺体を引き取りに現れる刑事本田。 家族の抱える苦悩。 中盤までは楽しめた。 文学ってこういうまどろこっしさを楽しむものなのかな。 「風下の朱」 かなり面倒な気分で読み終わった。 2作品合せて1冊への☆は3にしておく。 悪くもないがさほどお勧めするほどでもない。 今一つ楽しみに浸りきれない。

  • 音楽ネタ、野球ネタは好きではないので、あまり。

    古谷田奈月さんの本です。この人の本ははじめてですね。 「無限の玄」は、音楽一家の父親が、何度死んでも甦ってくる話。 「風下の朱」は、女性の生理ネタで、性とは、みたいな話。 すすめられて読んだのですが、まあ、純文学風味のそこそこの話って感じです。 ただ、「無限の玄」とか、音楽ネタなので、音楽ネタがまったく好きでない、感情移入できない私としてら、白けてしまいました。 音楽ネタって、わからないんですよね。 「風下の朱」も、女性性というか、「女性って何なの?」という根源的かつ動物的な問題なのですが、ただ、野球がネタなんですね。 野球って、いまいちよくわからないし、好きじゃないんすよ。 とりあえず、そこそこ面白いですが、絶賛するレベルではないかな。

  • ミソジニー、ミサンドリー、マジックリアリズム

    純文学の秀作(習作?)という印象。ここでの「純文学」というのは、設定や会話や描写を楽しむ小説くらいの意味。 「無限の玄」が男だけの世界、「風下の朱」が女だけの世界、という感じか。

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