日本の文学賞

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時空旅行者の砂時計

鮎川哲也賞

時空旅行者の砂時計

方丈貴恵

瀕死の妻を救うため、主人公が1960年の過去へタイムトラベルする。祖先を襲った惨劇の真相を四日間で解き明かす、時間旅行SFと本格ミステリを融合した受賞作。

タイムトラベルSFミステリ館もの本格ミステリ受賞作

作品情報

タイムトラベルで過去へ向かい、惨劇の真相を暴く。

第29回鮎川哲也賞受賞作。東京創元社から2019年に単行本、2023年に文庫で刊行された。タイムトラベルの設定を本格ミステリの謎解きに重ねたデビュー作。

書籍情報

出版社
東京創元社
発売日
2019-10-11
ページ数
313ページ
言語
日本語
サイズ
13.5 x 2.5 x 19.5 cm
ISBN-13
9784488025625
ISBN-10
4488025625
価格
2581 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/ミステリー・サスペンス・ハードボイルド

呪われた一族 惨劇の館 見立て連続殺人 妻の危機を救う為時を越えて向かった先は1960年 一気読み必至、タイムトラベル×本格ミステリ 第29回鮎川哲也賞受賞作 瀕死の妻のために謎の声に従い、2018年から1960年にタイムトラベルした主人公・加茂。妻の祖先・竜泉家の人々が殺害され、後に起こった土砂崩れで一族のほとんどが亡くなった「死野の惨劇」の真相を解明することが、彼女の命を救うことに繋がるという。タイムリミットは、土砂崩れがすべてを呑み込むまでの四日間。閉ざされた館の中で起こる不可能犯罪の真犯人を暴き、加茂は2018年に戻ることができるのか!? “令和のアルフレッド・ベスター"による、SF設定を本格ミステリに盛り込んだ、第29回鮎川哲也賞受賞作。 選考委員絶賛 ・何が飛び出すかわからないびっくり箱的な魅力が、この方にはある(加納朋子) ・こういう頭の働きは、まさに本格の魅力に繋がる(北村薫) ・ロジカルな謎の解明と、理外の理のドラマ設定を両立させたSFミステリ(辻真先)

レビュー

  • 本格推理+SF小説に衝撃。日本のA.ベスター誕生

    始めは横溝正史の金田一耕助シリーズの様なおどろおどろしい怪奇ミステリーの味わいでスタート。別荘で繰 り広げられる連続猟奇殺人事件である。主人公は2018年の現在から1960年にタイムトラベルした雑誌ライター で、何故彼が主人公になったのかの理由や、タイムマシンである砂時計のメカニズム、マイスター・ホラーの謎・・・等々SFというよりファンタジーに近いという印象。 ところが、物語がスタートすると俄然本格ミステリー色の濃いものになる。一行進めば登場人物を確認した り、また一行読んでは家系図や別荘の見取り図を参考にしたりで、なかなか前進できない。これも本格推理の楽 しさなのかもしれない。と同時にファンタジーからダイナミックにSFっぽくなる。例えばタイムトラベル上の各 種規制をくぐり抜けながらも密室殺人(或いは不可能犯罪)が成立する。ミステリーファンやSFファンの問題解 決欲求をいやが上にも刺激する。 241ページ。必要な全ての条件が整った上で、読者への挑戦状が提示される。読者はSF的シチュエーションを 理解しながら推理しなければならない。 SF/タイムパラドックス+本格ミステリーの醍醐味を十分に堪能できる作品です。

  • アシエン・ホラ

    SF設定は割とライト。 最後は未来で待っててほしかった。

  • ずいぶん店を大きく広げたが、これをどうたたむ?

    ヒント・伏線がいかにもお手盛りで。作者の設定次第でなんでもあり。犯人も誰でもよかった感じ。

  • いい取引ができました。

    特になし。

  • ミステリとSFを融合させて奇麗にまとまっているなあという感じ

    密室殺人のトリックなどもはや「新本格」の遊び道具でしかないのであまり気にせず読み飛ばし。複雑すぎる家系図もどうでもよくなってくる。 そうするとややもすればトリックの紹介とミスリードと「読者の疑問くらいちゃんと考えていますよ」と作者の代わりに登場人物に代弁させる余計な会話に終始する、謎解きミステリでよくある展開になりそうなところを、タイムスリップという新しい軸を加えて愉快な物語に仕上げている。 タイムパラドックスにツッコミどころが満載なのはしょうがない。「ファイナルカウントダウン」だって「ジパング」だってオモシロイじゃない。ただ、いったん最後にそれらしい理由付けはされて物語は完結するが、読中に抱いていた犯人の動機に関する最大の疑問は語られることなく残ったままだった。確固たる理由があって探偵を過去に送り込んだのに変えるべき未来はそれでよいのだっけ?と。

  • 本格ミステリが好きな方なら楽しめるのでは?

    病気の妻を救うために、過去にタイムトラベルして妻の一族の斬殺事件と呪いを解こうとするお話。 家系図とか家の見取り図とか読者への挑戦とか、本格ミステリ好きには嬉しい感じなのですが、家系図のある一族というからには、登場する人が物凄く多く、人物を把握するのが大変でした。 本格ミステリとタイムトラベルという斬新なミックスは面白いと思いますし、ラストも素敵ではありましたが、古典的な本格ミステリをあまり好まない自分にとっては、トリックはともかく、あらすじ自体には盛り上がりや特別な魅力がないように感じられ、この本をよみ終わるまでに2冊別の本を読み終えてしまうほど、のめり込めるような展開とは程遠いものがありました。

  • 面白い!

    すごい、すごすぎる!これが現代の本格ミステリか!

  • 楽しめる謎解きアトラクション

    SF的な設定のうえに構築された本格推理作品。古典的な本格ミステリの発想から、SFの設定を生かした大胆奇抜な趣向まで、大小様々なトリックやアイディアを、ロジックの溶接で複雑に組みあげた謎解きアトラクションは、本格推理の醍醐味を存分に味合わせてくれた。ただ、人物や風景・情景などは、無味乾燥に説明されているだけで、イメージとして鮮明に浮かんでくるほどの描出はされていないなど、“小説”としてはいくぶん物足りない印象が残った。

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