作品情報
傷を抱えた若者たちの前に、過去と現在をつなぐ青葉が立ち現れる。
東京創元社から刊行された長編小説。震災と家族の問題、若者の揺れを丁寧に追いながら、再生の可能性をたどる。
レビュー要約
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震災や家族の傷を正面から扱いながらも、登場人物の再生を丁寧に追う誠実さが印象に残る。
書籍情報
- 出版社
- 東京創元社
- 発売日
- 2023-07-28
- ページ数
- 368ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 19.2 x 19.2 x 13.1 cm
- ISBN-13
- 9784488028985
- ISBN-10
- 4488028985
- 価格
- 1170 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品
第14回山田風太郎賞受賞 読書メーター読みたい本ランキング第1位 (単行本 月間 2023年5月19日~6月18日) いつか、義務も後悔も手放して。 あなたはあなたの人生を生きるのよ。 私たちはこの港町で家族を介護し、 震災で多くを失い、そしてあの人に救われた。 ヤングケアラ―たちの青春と成長を通し、 人間の救済と再生を描く渾身の傑作! 2010年10月。宮城県の港町に暮らす高校2年生の小羽は、統合失調症を患う母を介護し、家事や看病に忙殺されていた。彼女の鬱屈した感情は、同級生である、双極性障害の祖母を介護する航平と、アルコール依存症の母と幼い弟の面倒を看る凛子にしか理解されない。3人は周囲の介護についての無理解に苦しめられ、誰にも助けを求められない孤立した日常を送っていた。しかし、町に引っ越ししてきた青葉という女性が、小羽たちの孤独に理解を示す。優しく寄り添い続ける青葉との交流で、3人は前向きな日常を過ごせるようになっていくが、2011年3月の震災によって全てが一変してしまう。2022年7月。看護師になった小羽は、震災時の後悔と癒えない傷に苦しんでいた。そんなある日、彼女は旧友たちと再会し、それを機に過去と向き合うことになる。ヤングケアラーたちの青春と成長を通し、人間の救済と再生を描く渾身の傑作長編!
1986年生まれ、宮城県出身。看護師として働くかたわら、小説を書き始める。 2017年『跡を消す 特殊清掃専門会社デッドモーニング』で、第7回ポプラ社小説新人賞を受賞しデビュー。『シークレット・ペイン 夜去医療刑務所・南病舎』は第22回大藪春彦賞の候補となる。その他の著書に『セゾン・サンカンシオン』がある。
レビュー
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読後感が素晴らしいです
重い課題なのにもかかわらず、読後感が爽やかで希望が持てるのが素晴らしいです。 私たちが忘れていはいけないこと、社会全体で考えていかなければならないことを教えてくれる作品です。
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ヤングケアラーの現実
最近、よく耳にする、「ヤングケアラー」という言葉ですが、私の身近にはいません。というか、いないと思っているだけかもしれないと、この本を読んで思いました。ストーリーは、非常に長いです。が、それを感じさせない展開があります。
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あとがきで鳥肌が立ったのは、この作品が初めて
社会を変える力を秘めた作品。 大袈裟に聞こえるかもしれませんが、素直にそう感じました。 描かれるヤングケアラーの日常は、それほどまでに衝撃的です。 私自身、心を病み奇行を繰り返す母を精神病院に 入院させた経験があり、少しは解っているつもりでしたが、 甘かったですね。 登場する3人の高校生の置かれた現実は、 想像を優に超えていました。 もちろんこれはフィクションですが、 一方で、どこかで起こっている現実でもあります。 それを示すのが、作中でも紹介されているデータ。 ヤングケアラーが、学校のクラスに1人から2人 いる計算になるという実態調査の結果です。 一体どれだけの子どもたちが、この作品の3人のように、 子どもらしい生活を送れずにいるのでしょう? やはり、「あの人」のように、 大人がしっかりしないといけないと感じました。 同時に、サポート制度の充実を含め、 子どもを守る仕組みづくりの必要性も痛感しました。 感動したとか、切なかったとか、 そういった感想だけにとどまらず、 私にとってはしっかりと心に刻まれるもののある一冊でした。 目が離せない場面も多かったですね。 序盤から心を鷲づかみにされましたが、 特に、謎めいた女性の過去に迫る部分や、 「とんでもない惨事」がもたらす波紋などは、 時間を忘れ読みふけりました。 細部まで描き込まれた看護師の振る舞いや、 思考回路も見どころの一つ。 著者の経験が存分に活かされていて、 他に類を見ないものに仕上がっています。 人の心に直接訴えかけ、 世の中を動かすだけの力のある物語。 著者だから描けたひとつの集大成。 広く読まれることで、 ヤングケアラー支援の一助になって欲しいです。 (対象年齢は13歳半以上かな?)
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少ししんどかった。
描写がリアル感あって、引き込まれた分、少し今の自分には読んでいてしんどかったです。 (すみません、なら読むなって話ですが。)
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- 山田風太郎賞 第14回(2023年) ・受賞