日本の文学賞

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声 (創元推理文庫)

マルティン・ベック賞

声 (創元推理文庫)

アーナルデュル・インドリダソン

レイキャヴィークのホテルで、かつて少年歌手として注目された男が殺される。エーレンデュル警部は被害者の過去と周囲の沈黙を追い、少年時代の傷、家族の断絶、語られなかった声が事件の奥に重なっていく。

北欧ミステリ家族の喪失過去の傷沈黙と告白

作品情報

ホテルの一室に残された死は、忘れられた少年の声を呼び戻していく。

アイスランドの人気警察小説シリーズの一作。ホテルで起きた殺人事件を入口に、栄光を失った歌手の少年期、家族の秘密、社会からこぼれ落ちた人々の孤独が少しずつ明らかになる。冷えた風景と内省的な捜査が、事件の謎と人間の痛みを同じ重さで描く。

レビュー要約

  • 派手なアクションよりも、被害者と周辺人物の過去を掘り下げる静かな捜査の厚みが評価されている。陰鬱さを重く感じる声もあるが、余韻の深い犯罪小説として読まれている。

書籍情報

出版社
東京創元社
発売日
2018-01-12
ページ数
475ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784488266059
ISBN-10
4488266053
価格
1430 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品

クリスマスシーズンで賑わうホテルの地下で、一人の男が殺された。ホテルの元ドアマンだった男は、サンタクロースの扮装でめった刺しにされていた。捜査官エーレンデュルは捜査を進めるうちに、被害者の驚愕の過去を知る。一人の男の栄光、悲劇、転落……そして死。自らも癒やすことのできない傷をかかえたエーレンデュルが到達した悲しい真実。全世界でシリーズ累計1000万部突破。翻訳ミステリー大賞・読者賞をダブル受賞の傑作。

レビュー

  • 3作品読んでます

    重めの事件ですが引き込まれます。 今後も続きが出たら読みたいと思います。

  • 久しぶりに読んだエーレンデュルシリーズ

    ときどきこのシリーズは読みたくなります。 湿地、緑衣の女と読みましたが、こちらが一番家族色の濃い物語でしたね。 苦痛の通勤が、この本のお陰で楽しく過ごせました。 登場人物のセリフに引き込まれたり、不器用ながらもエヴァと向き合い、事件解決に挑むエーレンデュルが魅力的。 図書館でこの本を借りようと思っていたら借りられてしまっていたので、この時期は人気なのかな?と思ったり。 クリスマスシーズンに読むのがオススメ。

  • 飽きさせない面白さ

    良い

  • 「湿地」「緑衣の女」から「声」へ

    「華やかなホテルの地下室で殺された、孤独な男の秘められた 過去とは」「一人の男の栄光、悲劇、転落、そして・・・・・・死。 自らも傷を抱えたエーレンデュルが到達した悲しい真実」(「帯」より) 「湿地」「緑衣の女」から「声」へと面白く読みました。何といっても 赤毛の大男レイキャビック警察犯罪捜査官エーレンデュルの存在が印象深くて。 それに同僚の料理上手なエリンボルグやシグルデュル=オールとのチームワークも 色々あっても今時流行らないだろう人間くささで満ち溢れていてアイスランドとか 日本とか関係なく何処かなつかしい気がして。離婚後ほったらかしだった娘との再会も ゴタゴタ続きながら時に反発・抵抗されながらも心通わせるときもあったりする。 自分の子供時代に味わった忘れられない今でも苦しみ続けている弟との過去も今回は 前面に出ている。「訳者あとがき」に「~この作品のテーマは家族と見ることも できる。それも絵に描いたような仲良し家族ではなく~」は確かにそうかもとおもう。 「声」はサンタクロース姿で地下室で殺されたホテルマンの捜査から始まる。その過去は 子どもスターから始まってヒサン極まりない最後を迎えるまでが徐々にあきらかになっていく。 エーレンデュルは捜査の為故障で暖房の入らない寒いホテルに泊まる。一日目・二日目・三日目 ・四日目・五日目・クリスマスイヴへと操作は続きついに犯人逮捕。 クリスマス嫌いなエーレンデュル。娘へのプレゼントを考えながら娘と共に家に戻るのだろう。 本文407ページ。長編にもかかわらず今回も読みやすかった。次回作は「湖の男」(仮題)。 エーレンデュルに恋人らしき人あらわれたりして今後娘とのかんけいも如何なるか 楽しみに待ってます。

  • 犯人隠しが残念

    自分がこの作家に期待しているのは、犯人やその関係する人たちの思いや過去に対する後悔、懺悔、反抗などの細かな描写と、それに対する共感の様に思います。 本作品の最後は犯人追求に対するどんでん返しが主になってしまった様で少し残念でした。 それ以外は、満足できる作品だと思います。

  • 雰囲気

    北欧の雰囲気が醸し出されている。

  • 人間が生きるということ

    なんだろう、決して派手なアクションや とびぬけて優れた推理をする捜査官がいるわけではないし、 殺人事件だってとりたてて謎が深いものでもない。 でも、読みだしたら最後まで作品の世界に引き込まれてしまう。 そして、読んでよかったな、と思わせてくれる。 きちんとした捜査官や被害者、被害者をとりまく人間が 人間として生活し、考え、仕事をしている。 いろいろな人が必ずしも正しいとは言い難くても 自分の人生を生きる姿が描かれている。 それは、悲しくもあり、力強くもある。 だから、読む者をひきつけ、力づけるのだろう。

  • 親の愛情を求める子供の、哀切な願い

    「湿地」「緑衣の女」そして、この「声」と読み進めてきました。 ミステリーとはいえ、これらは、犯人が次々と犠牲者を狙うとか、 派手なアクションとか、手の込んだトリックとか、そういう類の お話ではありません。 1つの事件をきっかけに、隠されていた過去や、切れていた家族の 繋がりが、少しずつ絡み合いながら表に出てきて、やがて真相に 至るという、派手さはないものの、心に沁みるような小説です。 捜査が進むのと並行して、捜査官エーレンデュルの、子供時代の 重い悲しい記憶が、このお話の回で初めて詳細に明かされます。 親になったからといって、完璧な人間になれるわけではない。 だけれど、子供にとって、その親は、まさに世界のすべて。 ありのままの自分を受け入れて欲しいという、登場する様々な 子供たちの、それぞれの哀切な願いが胸を打ちます。 ラスト、エーレンデュルと娘との、悲惨ともいうべき親子関係が まだ手探りながらも、少し修復していけそうな予感に、ほっと しました。

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