作品情報
大がかりな仕掛けが、物語の芯を支える。
第5回鮎川哲也賞で注目された作品。作者のデビュー長編。大がかりな仕掛けを備えた本格ミステリ。
レビュー要約
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独自の発想を評価する声がある一方で、構成や読み味には好みが分かれやすい。
書籍情報
- 出版社
- 東京創元社
- 発売日
- 2010-09-18
- ページ数
- 464ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784488410117
- ISBN-10
- 4488410111
- 価格
- 322 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/ミステリー・サスペンス・ハードボイルド
自分は誘拐された園児なのか? ある日届いた差出人不明の写真は、過去に潜んだ謎を解く始まりだった……。予断を許さぬ結末へと誘う長編推理小説。第五回鮎川哲也賞受賞作。
レビュー
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誘拐の向こう側に
1994年に出た単行本の文庫化。1999年には幻冬舎文庫にもなっている。 女子大生が幼い頃の誘拐事件の真相に迫っていくというストーリー。ぎょっとするような鮮やかなトリックが仕掛けられており、思わずうならずにはいられない。よくできたミステリだ。 水際だった活躍を見せる名探偵も登場するので、本格ものの好きな人にはたまらない一冊だろう。
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疲れた。
これは推理小説なのでしょうか? サスペンス性もなく、読み続けるのが苦痛。 後半になって、取って付けたように殺人事件が起こり、犯人も意外性なし。凝った謎の提出に対して、解決は期待はずれでした。
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焦点は素晴らしい!!
役所で発行される様々な書類の中でも、 戸籍ということに焦点を当てて、 物語を展開していったのは素晴らしいと思う。 謄本や抄本、出生証明書等々、 身分や家系を証明する書類の細かな意味がわかって、 別の意味でも大変参考になった。 ただ、推理の展開や犯行動機等が後付けのような感じがして、 少し無理があるのかなと感じたのも事実である。 また物語展開上では全く無意味な秋子の存在が、 少々煩く感じたのも事実である。 ただ観点は素晴らしかったので、 読む価値は大いにあると思う。
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適度な軽さと複雑さをあわせ持った読みやすいミステリ作品です。
愛川さんの作品は初読だったのですが、文章が適度に軽く、スピード感もあるので、一気読みでした。 主人公の人見操は19歳の女子大生。 中学の時に母を、半年ほど前に父を亡くし、一人暮らしをしていたが、ある日差出人不明の封書を受け取る。 中には保育園と思わしき建物の写真と、何か怖い絵を写した写真。 それらを見て理不尽なほどの恐怖を覚えた操は、友人にも相談し、それらを解明しようと奔走します。 次々と届く封書と、操のおぼろげな幼少時の記憶。それは操の出生の秘密に繋がっていた。。。 といったストーリーなのですが、若干の粗さを感じる部分も、犯人の背景がさらっとしすぎてたり、探偵役の造形が説得力に欠けるような気がしたりと、あるのですが、 それでもミステリとして良く出来ていて引き込まれるし、北村薫さんの作品の様な雰囲気もあり、最後まで楽しく読めました。
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「密室誘拐・戸籍・記憶トリック」、そして最後の “どんでん返し”
愛川晶(あきら)のデビュー作である本書は、ミステリーの老舗出版社、東京創元社が主催する、本格ミステリーの泰斗の名を冠した「鮎川哲也賞」’94年、第5回の受賞作である。 1年前に、残った唯一の肉親である父親を交通事故で亡くした、天涯孤独の人見操。彼女は都内のアパートでひとり暮らしをする聖都大学文学部の1年生である。夏休みに入ったばかりの、サークルの合宿明けのある日、差出人不明の淡いピンク色の封書が届いていた。そこには、操の古い記憶を刺激する保育園と一枚の絵の写真が。それが彼女を襲う恐怖と驚愕の日々の始まりであった。彼女は親友の星野秋子の勧めで同じサークルの先輩・理学部の3年生、巨漢の坂崎英雄と共に調べてゆく。 次々に送られてくる謎の封書に、自らの出生の秘密を、同封の写真を手掛かりとして戸籍と記憶をたよりに調べてゆくと、驚くべき事実が明らかになってくる。しかしひとつの謎が判明すると、また新たな謎が矢継ぎ早に発生。全部で4章ある物語のその最後の章の途中までまったく真相に到達しない。 本書の読みどころは、「記憶」と「戸籍」にまつわるトリックと19年前くだんの保育園で発生した「密室状態での乳児誘拐事件」のトリックの落としどころと、“どんでん返し”ともいえる真犯人の企みである。とにかく、たたみかけるサスペンスの連続に、まだ19才といううら若い操の心は引き裂かれんばかりだ。 本書は、フィクションとはいえ、読者に、これほどのことが実際起こりそうだと真剣に思わせてしまう、臨場感に満ちたミステリーの力作である。
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第5回鮎川哲也賞受賞作だが
既に両親と姉を亡くしている大学一年の人見操は、親戚にも会ったことがない。そんな彼女が自分の出生に疑問を持ち、同好会の先輩である三年生の坂崎英雄とともに、本当の自分の両親を捜し始める。その過程で、19年前の未解決の園児誘拐事件や、戸籍制度の盲点が浮かび上がってくる。本当の両親は意外にも…。 第5回鮎川哲也賞受賞作ですが、とても大学三年生に思えない、坂崎英雄の行動力と推理力の高さが不自然だったので、評価は★4つです。
関連する文学賞
- 鮎川哲也賞 第5回(1994年) ・受賞